らべあろ企画♔世界遺産を詠む東日本編【紀伊山地の霊場と参詣道】より高野山
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燈籠堂虚空の霧のこゑの方
月さやか苔むす武将ら奥之院
まずは、2004年登録の世界文化遺産【紀伊山地の霊場と参詣道】より、高野山の奥之院(御廟橋~燈籠堂)へ続く参道での二句です。
申し遅れました。
らべあろ企画さんの 日本の世界遺産~東日本編~への参加です。
この遺産、範囲は広いです。和歌山県を中心に奈良、三重と三県にまたがり、世界遺産には、吉野・大峯、熊野三山、高野山の三つの霊場とそれらを結ぶ参詣道が登録されています。
広いというのは地理的なものだけではなく、世界文化遺産の条件。
この遺産登録には、十ある登録基準のうち、いずれかを満たさなければならないのですが、【紀伊山地の霊場と参詣道】はその内、(ⅱ)文化交流を証明する遺産、(ⅲ)文明や時代の証拠を示す遺産、(ⅳ)建築技術や科学技術の発展を証明する遺産、それに(ⅵ)人類の歴史上の出来事や伝統、宗教、芸術と関係する遺産と4つも該当しているのです。
(ちなみに、日本初の世界文化遺産【姫路城】は(ⅰ)人類の創造的資質を示す遺産と上記の(ⅳ)のふたつ)
私が高野山に詣でたのは、2016年。はや7年も経つんですね。季節はちょうど今頃(8月下旬)、残暑厳しき折、観光列車”天空”で出かけたのを憶えています。
下界と標高800mの山上盆地にある高野山とは、7~8℃の気温差があります。ただでさえ、涼しいのですが… …
燈籠堂虚空の霧のこゑの方
最初の句は、拝借したヘッダー画像から、7年前に歩いた参道を思い出しながら詠みました。
奥の院に続く参道に踏み込めば、霊感というのをほぼ持ち合わせていない私でさえ、ん!?、ここはちと違うぞと感じさせる霊気と何百年もの間生長してきた苔が独自の磁場を造りだしていました。
燈籠堂というのは奥の院で一般の人が立ち入ることが出来るもっとも奥になります。
そのさらに奥は、現在も弘法大師が修行されている御廟になります。
今年(2023年)1250歳になる空海さん、今も毎日食事が運ばれているのです。ま、真偽の程はみなさんの心のままに、というところでしょう。
虚空の霧からのこゑ、きこえてきたのは誰の声なんでしょうか。
月さやか苔むす武将ら奥之院
鬱蒼とした杉林の中、2kmの参道の左右にぎっしりと墓石が並んでいます。その数、2万基とか。(ある記事では、20万基とも)
その中に、超有名な戦国からの武将たちの墓(供養塔)もあるんです。
少し並べてみます。
武田信玄、武田勝頼、上杉謙信、伊達政宗、石田三成、明智光秀、加賀前田家、黒田官兵衛、豊臣家(一同)、織田信長、徳川家では頼宣、吉宗・・・ ・・・ふぅ~。
あと武将ではありませんが、江姫、千姫、春日局も。
ついでに言うと、徳川家康、秀忠を祀る徳川家霊台は別にあります。
おもわず口に出ます。
「なんでやねん」
敵対していたはずの信玄・謙信、徳川・石田三成、織田信長に至っては高野山攻めをほぼやりかけたはず。またそれを謀殺した光秀まで!!
いくら大師(空海)のお側で極楽浄土が近いといっても、ありえるものかと思ってしまいます。
ま、亡くなればみなさま仏様ということなのでしょうと、無理矢理納得。
はい、月さやかと詠んだからといって、夜にここを通ったわけではありません。怖すぎる?、ではなくて残念ながら日帰りだったのです。
えぇ、えぇそれくらいは怖くもなんとも… …(と、思うのですが...;)
さぞ、霊びで神秘的でしょうということで、月はイメージで詠みました。
いかがでしょう。残暑厳しき折、少しは涼しくなられたとすれば幸いです。
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気を取り直して第二幕。
ふるるんと精進料理の新豆腐
ふるるんと精進料理の新豆腐
密教のテーマパークでいただくランチは、精進料理。これしかない。
(現在、山内の寺院数は117とのこと)
ではではここで食レポを…と思ったものの、何しろ七年前。
「優しい味でした」以外に覚えているはずもありません。
ありませんので書きませんが、なにか豆腐のふるるんとした形、味だけは妙に心に引っかかっているのです。
これは、本場のはずの高野豆腐の話が印象に残っていて、それとの対比から記憶にあるのかも知れません。
お膳の奥の方の小鉢にちゃんとこうや豆腐も出されているのですが、
実は現在、高野山ではほとんどつくられていないとのこと。(お土産用に細々と、とか)
昔々は、大阪、京都の料亭などへと広くつくられていたようですが、今はほとんどが長野県産ということです。
考えてみれば、手間暇かけて(元々は残った豆腐を外で凍らせたのが始まりとか)狭い地域で大量に製造~流通というのはここでは無理ですよね。
こうや豆腐の印象を変えた、お土産屋さんでの情報でした。
というようなつまらないトリビアを混ぜ込みながら、標高800mの8つの峰と山に囲まれた山上盆地(高野山という名の山はないのです!)に空海によって開かれた、真言密教の聖地からSen-sing がお届けしました。
※つぎは絶対宿坊に泊まって、奥の院参道で月夜の散歩をするぞ!
と思ってから早七年。
ま、そのうちにとは思っています。
今回も楽しい企画、ありがとうございました!!