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ベンチャークライアントモデルで新規事業を加速させる。
新しい事業の創出は非常にやりがいのあることですが、始めれば始めるほど、その難しさに直面します。
いくら解決すべき大きな課題が見えていたとしても、それは今のテクノロジーでは解けない課題であったり、仮に解けたとしてもお金がかかりすぎてビジネスとして成立しない。という状況がごまんとあるのです。
また、解決できそうなテクノロジーが出始めていたとしてもすでに強力な競合が存在していたり、自分たちのアセットではどう考えても立ち向かえそうにない。という状況にも陥ります。
そうすると、まだ競合が存在していなさそうな「ブルーオーシャン」を目指して進んでいくことになりますが、そのブルーオーシャンには、そもそも魚(=顧客)が存在しない死の海だった。ということはざらなわけです。
1から基盤技術を創出し、顧客ニーズを確認し、量産研究をして世の中に売っていくというのは時間軸、成功確率ともに非常に難易度が高く、よほどの先行投資意欲の高い大企業でしか実現は難しいでしょう。
一方で、これを解決するにはM&AやCVCという方法があります。しかし、M&Aは買収額も大きくなりがちですし、買収後「しまった!判断を間違えた」と思っても、やすやすと切り離すことはしづらいでしょう。
M&Aに比べてCVCはまだ手軽な方法ではありますが、それでも最低1億円ほど必要かつ資本関係が作られますので、こちらもまたハードルが低いとは言えません。
そこで考え出されたのが、ベンチャークライアントモデルです。
ベンチャークライアントモデルの定義は、以下の通りです。
ベンチャークライアントモデル:スタートアップの顧客となり戦略的利益を実現するための一連のプロセスおよび手法(具体的には、世界トップクラスのスタートアップのソリューションを発掘、試験購入、導入することで、事業会社が直面する最も差し迫った戦略的課題を解決し、経済的効果(売上の増加、費用の削減)を実現する手法)
いやいや、ベンチャー企業の製品・サービスなんかすでに使ってますよ。と言いたくなるところですが、最終的には「サプライヤー契約やライセンス手契約の締結」「共同使用、事業提携」へと発展させていくところを目標としている点が、単純にベンチャー企業の顧客になることとは違う点だと理解できます。
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この領域はデロイトトーマツ ベンチャーサポートの木村 将之 さんが非常に力を入れており、これまでの大企業とベンチャー企業との間での確執を解消する良いところどりのモデルと提唱されています。
実際に手を付けると様々な課題は発生するでしょうが、注目に値するモデルだと感じています。というのも、世界中を見渡せばとある問題に対するソリューションの卵は無数に存在します。これらは玉石混交ではあるものの、本当に優れたソリューションも存在します。しかし潜在顧客に認知されなかったり、他の製品やサービスと結びつけることでさらに優れたソリューションに生まれ変わることが多々あります。
こういったお宝さがしという位置づけでベンチャークライアントモデルは、今後大きく広まってくる可能性があると感じます。
さらに詳細は、以下の動画をご覧ください。非常に参考になると思います。
このように新規事業を一から立ち上げることも重要ですが、単独ですべてを行うことは不可能に近い時代に突入しています。仮に自社が単独で成功への道を着々と進んでいったとしても、競合他社同士が連携して事業を始められると、ほとんどの企業は、大きなダメージを受けるでしょう。
すばやく行動し、成功確率も上がるような手法を試し、自社のモノにしていく。というプロセスは今後、企業にとって必須のスキルとなりますね。