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上場企業でライフサイエンス領域の新規事業開発職をやっています。Ph.Dと国内MBAホル…

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上場企業でライフサイエンス領域の新規事業開発職をやっています。Ph.Dと国内MBAホルダー。学びと実務を両立させながら日々感じたことを発信していきたいと思います。(ご相談ごとがあればお気軽にご連絡ください。)

最近の記事

新規事業において枝葉末節の指摘は、スルーすべし。

一般的に新規事業において社内関係者への報告会は、できれば少ないとされています。これは正解でもあれば、間違いでもあります。 例えば、新規事業の立ち上げを体得されている関係者に対する報告会であればどうでしょうか。新規事業のそれぞれのフェーズに対して適切なアドバイスを得られる可能性が高く有益です。 一方で、そのような恵まれた環境にある会社はごく少数派です。通常は既存事業ゴリゴリの関係者へ報告することがメインになるでしょう。 この時に非常に厄介なのが、報告内容の枝葉末節にこだわ

    • 無料で未来のトレンドを確認する情報5選

      新規事業担当者になると未来を予想しながら次のうち手を考えよ!と言われることがあるかと思います。しかし残念ながら未来を予想することはできません。 しかし未来は作ることができます。「え?未来は創れるの?そんは馬鹿な!」と思われたかもしれません。 しかし、例えばあなたは「これからスーパーに行こう!」と考えたとします。そして実際にスーパーに行きました。 実はこれが未来を創ったということです。 意味不明かもしれません。 しかし、あなたとは別の人が、あなたが、いまからスーパーに

      • メタ認知能力が低い新規事業担当者はキケン

        社内で新規事業を立ち上げる場合、過去にその企業で新規事業に立ち上げに成功した人をリーダーとしてチームを組むことが手っ取り早いです。 なぜなら、新規事業を立ち上げる際の、その企業特有の軋轢を理解している可能性が高いですし、文章には落としづらい成功しそうな嗅覚というものをつかんでいるからです。 しかし、実際のところ「新規事業の立ち上げに成功した」という人の中の成功の定義がかなり怪しいという点には注意したいところです。 私の経験上ですが、「新規事業の立ち上げに成功した。」とい

        • 政府資料から将来のビジネスチャンスを見つけ出す。

          いきなり新規事業開発の担当者に選ばれたときに、困るのがビジネスアイデアです。巷では、顧客の問題からアイデアを出しなさい、と言われますが、それはそれで難しいのです。 普通に考えると、 「お金がない」「痩せたい」「老けたくない」「ストレスをなくしたい」「コストを減らしたい」など、確かに多くの人がほぼ確実に持っている問題が挙げられます。 では、なぜ、いまだに解決されていないかというと、ほぼ、現在のテクノロジーでは解決できない、もしくはお金がかかりすぎて解決できたい、という結論に

        新規事業において枝葉末節の指摘は、スルーすべし。

          使えるインタビューツール7選

          新規事業で仮説検証を行う際に困るのが見込み顧客に対するヒヤリングです。既存事業であればすでに顧客網を持っていますので、アクセスは簡単ですが新規事業となると基本的にそのような人脈資産はありませんので結構困るわけです。 そこである程度予算があれば使えるのがインタビューツールとなります。マクロミルなどのリサーチ会社にインタビュー依頼をお願いすることも可能ですが通常は非常に高額です。私は過去に、とあるリサーチ会社にインタビューをお願いしたことがありますが、1人インタビューするのに数

          使えるインタビューツール7選

          無料で勉強できる有益なサイト6選

          多くの新規事業担当者は、自分自身が担当するビジネスについて深い知識が必要ですが、それと同時に異分野についても幅広い知識が必要とされます。 これは世の中のメガトレンドをしっかりとつかみつつも、その中で自社独自の価値を作りだせる領域を見極めるためです。 こういった情報は、WEB情報や新聞、雑誌などである程度つかむことはできるかとは思いますが、未知の領域になると、どうしても情報が「点」で集まってしまうため、深い理解が得られないことが多いです。 そういった時には、書籍を買って理

          無料で勉強できる有益なサイト6選

          新規事業担当者の行動量を評価することで、真のやる気を見極める。

          「結果がすべてだ。」 このように考える方は多いかと思います。特に、プロフェッショナル意識の高い人はそうでしょう。 結果がすべて、という例でよく取り上げられるのが、プロスポーツ選手です。例えば野球選手は世界一練習しても打率が上がらなければ、世界一の報酬をもらえるわけではありません。成果が出なければ解雇されるでしょう。まさに結果がすべての世界です。 アメリカでもプロフェッショナル職は、結果がすべてで数字を出さなければ解雇の危機に立たされるといいます。その点、日本は甘い。日本人

          新規事業担当者の行動量を評価することで、真のやる気を見極める。

          新規事業で海外マーケットを狙ってみる。

          新規事業を始めるにあたり、多くの方は「まず、国内市場を狙う。」ということを考えるかと思います。なんらかの製品を開発し、販売する場合は言語的にも、情報獲得の容易さ等から言っても、確かに国内が圧倒的に実施しやすいです。 ところが、残念ながら国内市場は多くのケースで縮小市場です。人口は減少し、実質賃金もほとんど上がらない。シニア人口は増えるのでシニアマーケットを狙うという方法はありますが一般的所得水準のシニアの購買意欲は強いとは言えません。(これは日本政府を信用しておらず、何かが

          新規事業で海外マーケットを狙ってみる。

          フォロワー戦略を見直してみる

          新規事業の立案を考えた場合、新規性の高いビジネスアイデアが求められるかと思います。字のごとく新規事業ですから当然のことといえば当然のことでしょう。 一方で、意思決定者(役員レベル)は新規事業の結果に責任が伴いますので「新規性が高く成功率が高い。」という通常相反するリターンを求めてくるようになります。まれに一発で成功するケースも出てきますが、運の要素が大きく影響しているといえるでしょう。 このような状況で、何とか成功率を高める方法の一つがフォロワー戦略です。しかし、新規事業

          フォロワー戦略を見直してみる

          野村総合研究所のパワポ資料

          過去、外資系コンサルティングファームのパワーポイント資料を紹介してきましたが、国内のコンサル会社も参考になるかと思います。 今回、取り上げるのは野村総合研究所です。戦略系、シンクタンク系、IT系などいろいろコンサル会社も分類されますが、会社それぞれのカラーも少し見えてきますので、この手の会社を目指している方はぜひ目を通してみてください。 巷ではChat-GPTの出現によってもはやコンサルは不要、という話も出てきていますが、私は、あまりそのようには感じていません。ただ、コン

          野村総合研究所のパワポ資料

          武勇伝を自分自身で客観的に評価できない人間は組織に害をもたらす。

          会社内である程度経験を積んでくると、やたらと武勇伝を語りたがる人が出てきます。おそらくその話をされて迷惑に感じた経験がある人は多いかと思います。一方で、人間には承認欲求がありますので、武勇伝を完全に排除することは困難でしょう。 「あなた自身は武勇伝を語ったことがないか?」と問われると自信はないですが、極力くだらない自慢はしないように心がけてはいます。ただ、なぜかマウンティングしてくる人もいますので、一応、自分自身にもそれ相応の経験があることはお伝えすることはあります。 こ

          武勇伝を自分自身で客観的に評価できない人間は組織に害をもたらす。

          ベンチャークライアントモデルで新規事業を加速させる。

          新しい事業の創出は非常にやりがいのあることですが、始めれば始めるほど、その難しさに直面します。 いくら解決すべき大きな課題が見えていたとしても、それは今のテクノロジーでは解けない課題であったり、仮に解けたとしてもお金がかかりすぎてビジネスとして成立しない。という状況がごまんとあるのです。 また、解決できそうなテクノロジーが出始めていたとしてもすでに強力な競合が存在していたり、自分たちのアセットではどう考えても立ち向かえそうにない。という状況にも陥ります。 そうすると、ま

          ベンチャークライアントモデルで新規事業を加速させる。

          有名コンサルタントたちのスライド資料

          東大、京大あたりで人気の外資系コンサルティングファームですが、今では超有名どころになったファームでパートナーをされていた方が「昔に比べて、ファームは全く面白くなくなった。」と言われていました。 本当にそうなのか?と思い少しググってみると という記事を発見しました。就職偏差値なるものがあるように、何をやりたいか、というよりもBCGやマッキンゼーのブランドが欲しい。ということになっているのでしょう。 この事実は、コンサルタントを雇う事業会社も認識しておく必要があります。

          有名コンサルタントたちのスライド資料

          新規事業における進捗報告の難しさ。

          事業を行うにあたって、初期段階では資料作りは無駄。 新規事業開発に関する有名な書籍である「新規事業の実践論」を読まれた方でしたらそのように思う方も多いはずです。 確かにその通りではあるのですが、それでも多くの企業において、中間報告を行わず新規事業を進めていくことは困難かと思います。 したがって、仮説検証をすすめながらも説明用の資料を作成していくことになります。 ありがちなのは、仮説検証が不十分であるにもかかわらず報告の期日に突入し、かなり不完全な状況で幹部に報告しなけれ

          新規事業における進捗報告の難しさ。

          経営層と新規事業の定義が本当の意味で共有できていなければ先行きは暗い。

          いまさら新規事業の定義?と思われる方も多いことでしょう。 しかし、新規事業を進めていると、この定義が非常にあいまいになってきます。新規事業担当者はもちろん十分理解しているのですが、それを評価する経営層の頭の中の定義が明らかにあやふやになってくるケースが多々あるのです。 一般的に、新規事業の定義としてはアンゾフのマトリクスがよくつかわれますが、多角化戦略や新市場開拓戦略が新規事業に該当することが多いかと思います。(実は、様々な会社の新規事業担当者とお話しすると、「それって完

          経営層と新規事業の定義が本当の意味で共有できていなければ先行きは暗い。

          外資コンサル、有料レポートの考察を無料で手に入れる方法。

          新規事業開発担当者の多くは日々、幅広い情報収集をしているかと思います。しかし、情報シャワーと称しながら様々な情報に触れていてもなかなか記憶にも残りません。(おそらく新聞を読んでいても、自分自身に関係することしかなかなか記憶に残らないかと思います。) 仕事では目的(仮説など)をもって調査をすることになるわけですが、これは結構、記憶に残りやすい情報収集となります。結局はアウトプット(人に説明する)を意識したインプットを行うことで情報感度が高まってきます。 さて、情報収集するに

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