2023年度 循環器専門医試験の感想
2023年度の循環器内科専門医試験を受験しましたので、今後受験される方の参考として、忘れないうちにまとめておきます。
追記:無事に合格していました。
試験概要
日時
2023年10月15日(日)
会場:2023年9月15日発表(書類審査通過と合わせて連絡)
・仙台会場:TKPガーデンシティ
・東京会場:TKP赤坂カンファレンスセンター
・名古屋会場:TKPガーデンシティPREMIUM名古屋駅前
・大阪会場:ツイン21MIDタワー会議室
・福岡会場:リファレンス駅東ビル貸会議室
タイムスケジュール:2023年9月28日発表
12:00 入室開始
12:40 説明開始
13:00 試験開始 ※ 14:30以降入室不可で退出可能、15:20以降は途中退出不可
15:30 試験終了
試験時間は2時間30分
※ 例年試験は午後のようです、日帰り想定?
持参物:
・受験票:会員ポータルサイトより印刷し、証明写真を張り付け持参
・筆記用具:鉛筆(シャープペンシルも可)、鉛筆削り、消しゴム
・時計:辞書、電卓、端末等の機能があるものや、それらの機能の有無が判別しづらいもの、秒針音のするもの、キッチンタイマーや大型のものを除く
出題形式
多選択肢問題解答形式:5つの選択肢から1もしくは2つを選ばせる問題のみ
2023年度の問題数は118問でした。
合格発表:2024年1月17日
例年の受験者数は約600名で、合格率は90%程度。
2023年は新旧制度合わせて合格率92%程度、90/109 点で合格していました(削除問題が9問)。
試験感想
正直微妙な問題が多かった印象でした。
2023年度は心内心電図は1問もなく、コロナ関連で出るかと思われた心筋炎や循環補助デバイス(ECMO, IMPELLAなど)もありませんでした。心筋病理画像はファブリー病のみで、MRIやCTなどの画像と知識に関する問題はまま見られました。
不整脈に関しては、通常型心房粗動の焼灼部位、心房細動を来たす期外収縮部位(肺静脈)、右室流出路の期外収縮など基本的な問題だけで、代わりに高血圧緊急症の眼底所見や甲状腺機能低下症の身体所見、消化器系腫瘍を疑う菌血症の菌種など内科的問題がありました。
今の循環器内科専門医には虚血や不整脈の専門的知識よりも眼底所見の知識のほうが重要なのかもしれません・・・。
1-2割は全く悩まない間違えようのない問題、5割くらいは後述の対策問題集でカバー可能な範囲で、ただ残りは対策しようのない問題だったので、勉強はあまり気を張らなくてよいと思われます。
試験対策に使用したもの
専門医練習問題
公式で出されているトレーニング問題と過去問です。受験者のほとんどが勉強していると思われます。一部プール問題もでていました(2020年11月 問3)。解説が丁寧ですが、過去の問題はさすがに内容が古く、5年分程度しか解きませんでした。
循環器内科専門医試験 対策問題集
noteで作られている対策問題集です。今年度から作られたものと思われ、購入してからも適宜アップデートされていました。解説はamazonの完全対策問題集よりも丁寧で、オリジナルの図なども使用してまとめられていました。そこそこ試験とも被っていましたし、実臨床的な問題が多く勉強になりました。
循環器専門医試験 完全対策問題集
amazonで売られているものです。異様に評価が高くてやや怪しさがありますが、良くいえばコンパクト、悪くいえば極めて簡素でした。ざっと学習するにはいいのかもしれません。
New専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ 循環器疾患
同期が使用し参考にしてました。ただ2017年出版であるため、少々古くなってしまったかもしれません。
心電図マイスターチャンネル
有名なマイスターチャンネルで2021年の過去問が解説されていました。
30分程度でまとめられて参考になりました。
まとめ
結論からいうと合格だけならこの3つで十分だと思います。
公式ホームページの過去問とトレーニング問題それぞれ5年分
note の対策問題集(適宜ガイドラインの確認) 2周程度
過去問参考サイトの確認
・心電図マイスターチャンネル
・2018年 日本循環器学会専門医試験 受験体験記 再現問題
私は1.5か月前から約80時間程度試験に費やしてしまいましたが、勉試しすぎました(笑)。試験の問題は今後の役に立たないと思いますが、試験勉強自体は実りあるものだったので無駄ではなかったとは思います。
とりあえずパスするだけなら2週間くらい前から約20時間程度の勉強量でも点数は変わらなかったかと思いますし十分だと思います。問題集等で例年問われるポイントだけ抑えておけば、まず落ちないでしょう。
循環器内科医は多忙ですので、「とりあえず合格を」という方は参考にしてください。