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30 マイナスをプラスに切り替える

薬局で薬剤師として働いている。
年末、インフルエンザの大流行で、とても患者さんを待たせてしまう状況だった。
この事態に、待ち時間はなんと70分待ち!

具合いが悪い上に、この待ち時間。
病院でも待たれているはずなので、すこしでも待ち時間を減らすというのは、我々医療関係者からしたら、大きな課題で…。

今、私たちは薬の説明のあと、お会計まで薬剤師がやっている。
これ、
他のスタッフに代われば、
その分、
次の処方箋への対応ができて、待ち時間は減らせると思うけれども、
これができない。
もう何ヵ月取り組んだだろうか、やろうと試みていたけれど、できない。

簡単にできそうでしょ。
でも、できない。


どうしてこの会計を変わることが必要で、
具体的にどれだけ効果があることか、
わかってもらおうとしないの何でなんだろうってずっとモヤモヤしていた。

1人にかかる会計時間でも少なくとも30秒くらいはかかる。
高齢の方や、若い方であっても、
お札と小銭をわけているとか、いろんな背景があり、むしろ30秒は早い方かもしれない。
バーコード決済や、クレジットカード決済でも
機械の進行を待つ時間だって結構かかる。

何人も会計待ちとなれば、さらに滞る。

1日にこられる患者さん全てがお支払があるわけではないが、
150人としても単純計算で4500秒=75分
これを最低時間としたら、
現実にはもっと多い時間を薬剤師の仕事に回せて、
待ち時間が減り、
薬剤師も本来の仕事に集中できるし、
残業時間だって減らせるはず。
そうすることで、ワークライフバランスも改善して、
辞める人が減り、
私たちの大問題、人手不足だって改善することになるやもしれないし。


会計を代わることがどんなメリットがあるか、
たくさん提示してわかってもらうのはどうかな?
そんな話を家族に話していたら、
それはね、
上はそれほど重大事ではないと思っているんだよ。と言われちゃった。

そうか、また、熱くなってるか…私ったら。

何ヵ月もモヤついた挙げ句、やっと私も諦めた。

まぁ、ちょっと期待も残っているけれど…。


マイナスがあればプラスもある!という考え方を思い出し、
この機会をプラスにすることを考え始めた。

皆さんお会計の際、お札のみを出される方が多いのだ。
これ、
私はすごく気になっていた。
モタモタしたくないと思われているのか、
面倒なのか、
本当にお札しかない方は少数で、
お声掛けすると喜ばれて小銭を出される方も多い。

最近、私は高齢の方には一声お掛けして、
小銭を使ってもらうように促している。
これは逆に時間がかかることなのだけど、
お金を使う場面って頭を使う。
ここ、この機会って大切にしてほしいって思う。

もちろん、バーコード決済を取り入れることも、
新しいチャレンジとして、
はじめてなんだけどいいかしら?と言われたら大歓迎ですよ!と言っちゃう。

脳をどんどん使いましょう!って声を大にして言いたい。
これからどんどん何か任せの時代が進むはず。
どんどんぼんやりして行くのでは?
認知機能が衰えるほうの条件がどんどん整えられていく。

50代の私でも、
バーコード決済やクレカ払いがなく、
現金で払う場合は、自分の視力が下がっていて、
もたつくことに劣等感を抱いてしまうから、
歳を重ねた方は、
気にする方は気にされるだろうし、
気にしなくても、優しい社会でなくなってきている気がする。

実は、
もうひとつ思っていることがあって、
これを書くと非難を浴びるかもしれないが、
会計時間は私にとっては脳を休める時間にしてしまっている。
本来の仕事よりは楽なので、
脳が休めるよー!と喜び時間にしている。
これは私の秘密(笑)のリラックス時間。


問題があると、改善策をついつい考えてしまうクセのせいで、勝手に辛くなることが多い。
辛くなってうまく行くことってなかなか難しい。
考え方を変える方向で、なおかつ、それが改善に向かうなら理想的だけど、
今やってみている小銭を出して頂くことも、少数の方にはメリットがあると思う。


こんなことを思うのにも、
やはり、私の育った環境が大きく影響しているって思う。
おばあちゃん子の私。
おばあちゃんと話す時間がとても癒されていた。
いまだに八百屋さんに行って、おばちゃんやおじちゃんとおしゃべりすることが大好き。
血も繋がってないというのに、なんだか包まれたような心地。
なんだろう、この大きさ!すごすぎる!と、いつも思っちゃう。


人と話す場面って、
今、社会から離れてしまった高齢の方は極端に減ってしまっていると思う。
これからもっと加速するだろう。
趣味があったりしてお付き合いの多い方はいいが、
そうでない高齢者にとって、
普通のお支払の場面って、
大したことのないさりげない会話であっても、
認知症予防の面から見ても、
意外と大切なのかもしれないなと感じている。
私も、近い将来の事だから、どんな社会を作るか、
医療従事者がどんな考えで働くかも
影響は大きいだろうなと思ったりする。

まだまだ、試行錯誤中だけど、考え続けていきたい問題です。

最後まで、お読み頂きましてありがとうございました!





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