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05 そこが気に入らなければ、本当に消えてしまう?

こんばんは。green green 🌿です。

朝晩、涼しくなってきましたね。
今年は、お隣りの方に頂いたガクアジサイの株が大きく育ち、この猛暑のなかでも萎れずにいてくれました。
やはり鉢で育てるのと、地植えするのとでは育ちも根のはりかたも違いますね。
大地の力!
これまでは朝、水やりをしても、
夕方にはくたっと萎れてしまっていたけれど、
やっと!しっかり根付いてくれたみたい。

頂いた柏葉アジサイ、茶花のような風情のクリスマスローズ、そしてガクアジサイ。
どれもしっかり根付きました。

植物好きの方は、何かをあげるということもさりげなく、さらりとされるなぁという印象を受けました。
普段から交換し合うことに慣れているからかな?
これまでそういうことに慣れていなかった私でしたが、何故その植物を気に入っているのかを話されたりするのを聞くと、自然な心で大切にしようと思えました。

その方が亡くなられて2年。
頂いた植物の手入れをする度に、優しいお顔を思い出します🌿🌿🌿



亡くなった義父も、植物が好きな人でした。
義父からも、いろんな植物をもらったけれど、
一番思い出深いのは、エビネのこと。

結婚してすぐに住んだマンションには庭があり、
義父に、エビネをもらい受けました。


エビネは、ラン科にあたります。
背丈は30センチくらい。
葉は、スズランのよう。
花色ははいろいろあるようですが、もらったエビネの花は白と茶色。
地味な色ではありますが、1センチくらいの小さな花が、ランの花のように縦にたくさんついて木陰の場所で見ると、ほんとうにかわいらしい。


くれるときに、義父から言われたこと。
「庭の日陰に植えてみて!
多分あそこなら気に入ってくれそうだから。
そこが気に入ってくれたら花を咲かせてくれるよ。
でも、気に入らんかったら、消えてしまう。
これまでも何回もそんなことがあったよ。」

義父と相談して、エビネを気に入りそうな場所に植え付け、運良く、植えたエビネは育ってくれました。
花も咲いたんです。見たことのないかわいらしい姿に、私も魅了されました。
「気に入ってくれたんだねー、ここがー。」と
私は見るたびその子に話しかけていました。

その後、

義父が亡くなり、
私達も庭のないマンションに引っ越すことになり、エビネは掘り上げて、いったん義母にお返ししました。

でも、
前いたところに義母は植えてくれたというのに、
エビネは消えてしまったんです…。
彫り上げたときに、根を痛めてしまったのかも。
消えたあと、地中に何か残しているかな…?
今となってはどこに植えられたかもはっきりしないので、確認できず。


そして、20年ほどの時が過ぎ、


夫が仕事に疲れ、今の職場を辞めようと思うと相談された時のこと。
ふっと義父のエビネの話を思い出し、
「今、そう思えて良かったね。」と伝えて、
この義父から話されたエビネの話をしました。

消えるところだったねとふたりで苦笑い…。


今となっては聞くことはできませんが、 
義父が私に話してくれたエビネの話は、何か含みを持って話してくれてたのかな?


というのも、
義父がこうしたらいいよ!といってくれる時は
実際の経験と教訓みたいなものがあり、頭に映像が浮かぶようにそれは面白く話してくれたんです。

だからかな。
いつも、話されたことがすーっと受け入れやすかった。

適材適所?

あの時、そこが気に入らなければ消えてしまう…というエビネの話が、夫の心に寄り添う話題となったのも、なんだか不思議な気がしました。
亡くなった義父が、疲れた夫にふんわりと寄り添ってくれたような気がして。


エビネについて調べてみたら、1970年代前後あたりで山野草ブームがおきて、エビネブームもあったんだそうです。
その時に山好きの義父も山でエビネを手に入れたのかもしれません。

そして、今になって知ったことですが、エビネはウイルスに感染しやすいそう。
特に山で捕獲したエビネはウイルスにかかりやすいみたい。
エビネブームで、山からはエビネが乱獲され、すっかり減ってしまったそうで、その後、エビネはウイルスにやられてしまうという経過をたどって、エビネブームは終わっていったそうです。
なんとも心が痛む話です。


たまに、ふっと義父とのことを思い出す度に、
エビネが咲いている姿が浮かんでくるんです。
そして、花なんだけど、何故だか笑ってる。
ニマニマとした顔で。
花なのか義父なのか、もうごっちゃになってる(笑)


この10月は、義父の亡くなった月です。
だからかな。
こんなことをつい思い出してしまう。

義父がエビネをくれた日のこと。
エビネに話しかけていた自分、
エビネにちょうどよい光をくれていたあの場所。
私のためにと庭に植えるものをいくつも選んでくれた優しい義父。

考えれば思い出すことがあふれて、また、ニマニマした義父の優しい笑顔が浮かび、鼻の辺りがツンとしてきます。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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