『アトランチスの謎』で知る、高難易度ゲームの楽しみ方
Nintendo Switch Onlineで楽しめるコンテンツ『ファミリーコンピュータ & スーパーファミコン』
ここで、先日新たに追加されたタイトル『アトランチスの謎』を遊んでみた。
このゲームは、1986年にサン電子がファミリーコンピューター用として発売したゲーム。現代に突然姿を現した謎の島「アトランチス」を舞台に、冒険家である主人公が探索に挑戦する。といったストーリーで展開される横スクロールアクションだ。
このゲームの前年にあたる85年は『スーパーマリオブラザーズ』が発売されるなど、横スクロールタイプのアクションゲームが数多く発売されていた時期で、私にとってはその中の一本という認識しかなく、実際にプレイしたことはなかった。
ただ、当初から「難易度が高いクソゲー」という話は聞いていたので、ある意味有名だった記憶はある。
『アトランチスの謎』における、難易度の狙い
そこで早速プレイしたが、スタートして最初に飛んでくるコウモリ？にぶつかるだけで死ぬとか、武器の爆弾は敵になかなか当たらないとか、確かに難しい。
でもその「難しい」について、私がちょっと感心したところがある。それは、ステージ3の冒頭。
スタートして進んだすぐ先は足場がない。そこでジャンプしたら、ちょうどそのタイミングで魚？が飛んできてミス。
この、地形で「ジャンプさせるタイミング」と、その瞬間に敵が出てくる「殺しにかかるタイミング」が絶妙に噛み合ってる、完全に狙ってるところに驚いた。
これはどうやってタイミングを合わせているか？と疑問がわいたので、Switchのファミコンゲームに実際されている「巻き戻し機能」を使って調べたら、残りタイム「971」で、プレイヤーの位置や動きにかかわらず敵が確実に飛んでくる、ステージ開始からの時間のみで出現させていた。
つまりこの場面は「スタート直後からプレイヤーが直進したらこのタイミングでジャンプする」という時間を計算して敵を出現させているようだ。
また、この先には連続でジャンプする場所もあるが、そこでも敵は定期的に飛んでくる。タイミングが多少がずれても、確実にジャンプの瞬間に敵が来ることになる。
そんな、殺しにかかるタイミングの取り方が深いと思った。
『スペランカー』は、クソゲーと呼ばれた秀作
考えてみれば、ファミコン時代のアクションゲームって、このような「普通にジャンプしただけで死ぬ」というもの多く、それを乗り越えてクリアすることを「攻略」と見るか、難しいから「クソゲー」と見るかで、ゲームに対する認識が変わっていたように思う。
その認識で完全に意見が分かれたタイトルに『スペランカー』がある。
主人公は敵に触れただけではなく、一定の高さから落下するだけでミスするという、あまりにひ弱な設定のおかげで「簡単に死ぬクソゲー」と言われた。
でもそのおかげで、ジャンプ一つだけでも「次は左右どこに行くべきか、とこを通ればゴールにたどり着くか？」というルートを探る、各場面にはそれを活かしたトラップが仕掛けられている。
私にとって『スペランカー』は、弱点を最大限に利用したアクションゲームの秀作だと思っている。
なぜ難しいか？を知ると見える、面白さ
当時のゲームは、敵が出現するタイミングや、ここで出てくるであろうシチュエーションを覚えたり予測することが必要だったと思う。
話を『アトランチスの謎』に戻すと、このゲームはまさにそのスキルが必要で、「アトランチスの謎って、それを乗り越えるゲームなんだ！」と分かったり、更にプレイすれば様々なところで謎が隠されていたり、気がついたらネットで攻略サイトを探したり、とても楽しんでいる。
といっても、まだ始めたばかりのため、その先にあると思われる「謎解きの難易度」に触れていないのだが、30年以上経ってから初めて触れて、なぜ難しいか？どうやって難しくしているのか？を考えて、その楽しさを再認識する。そんな味わい方も面白い。
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