『太陽の神殿』に見る、アドベンチャーゲームとしてのスタイル
38年前のゲーム今になってクリアした喜びと、あの時できなかった理由を改めて知る。
EGGコンソール 太陽の神殿 -ASTEKA II- PC-8801
『太陽の神殿』とは、1986年に日本ファルコムより発売されたアドベンチャーゲーム(以下ADV)が、先日Nintendo Switchで発売された。
本作は、1985年に発売された『アステカ』の続編となる作品で、サブタイトルとして「ASTEKA II」と記載されているが、前作を知らなくても楽しめる。
『太陽の神殿』のスタイル
また、前作はコマンドをキーボードから入力するスタイルだったが、本作は全てキャラクターによるマップ移動とアイコン選択によるコマンドのみで展開する。
当時のADVは、キーボードから文字入力で進めること自体が魅力の一つだったが、それを完全に排除したことが特徴の一つだった。
本作はファミコンなどゲーム機でも発売されていたり、今回Nintendo Switchでの発売が実現できたのも、その操作があってこそだが、この頃からすでに、ADVもゲーム機への対応を意識していたのかもしれない。
私は当時、PC-8801mkII(SR以前の機種)でゲームに触れた。ちなみに本作はmkII+FM音源ボードにも対応していたので、音楽も同様に味わうことができた。
でも序盤からほとんど進むことができず、クリアを見ることができずに終わっていたので、今こそクリアしたいという思いで購入。
さすがに完全に自力では無理なので、以下の攻略サイトを参考にさせてもらいながらプレイした。
リンク先は完全ネタバレなので注意。
攻略を見ながらハマる
攻略を見ながらコマンドを入れて進めていく中で、この謎の解法はこれだったのか、こことここの場所はこんな繋がりがあったのか、このコマンドはここで使うのかなど、当時見えなかった謎の数々を今になって知る。
ただ、クリアした方に分かる言い方で書くと、ある場所である物を取ってしまい、後の場面で「何か落とした」と出たが意味が分からず、終盤で行き詰まったので一度最初からやり直した。
本作は、そんな「ハマり」が多数存在することも、今回のプレイで知ったという。
ちなみにそのハマり箇所など、様々な情報が記載されたサイトも紹介。
こちらも完全ネタバレなので注意。
クリアで味わった難易度
そんな苦労も味わいつつ、クリア。発売から38年越しの夢を叶える。
その上で、私なりに感じたこと。
80年代のADVは、キーボードからコマンドを入力する形式が多く、それを使った「謎解き」として、いくつかのスタイルがあった。
場面ごとで何のコマンドを入力すればいいか(何というコマンドが存在するか)を探るスタイル。特定の場所で特定のコマンドを入れると次に展開していく、いわゆる「フラグ立て」が主なスタイル。「○○と○○の道具を組み合わせてこの場所に行って…」など、入手したものをいかに組み合わて利用するかを考える、若干のパズルと言えるスタイルなど。
その中で本作は、どこで何を入力するか、どの道具を組み合わせるか、更に組み合わせるタイミングや行動の順番も重要と、あらゆる謎を組み合わせて複雑な上に、失敗すればハマりもあり、クリアまでの道のりも長かった。
今になって、クリアできなかった理由を知ることになる。