Nintendo Switch Liteが見せたのは、「携帯と据置」そして「手軽とヘビー」の共通化
任天堂が7月に発表した、携帯専用Nintendo Switch端末『Nintendo Switch Lite』。
先日発売されて大ヒットするなど話題になっているが、私がこれについて思うこと。
私にとって「携帯ゲーム機」って、子供の頃初めて『ゲーム&ウオッチ』に触れてから、ゲームボーイ、ゲームギア、PSPなどいくつかの携帯ゲーム機を購入して遊んだ経験はある。
これらゲーム機の目的は常に同じ「いつでも手軽にゲームを楽しむ」こと、だから私にとって、携帯ゲーム機は「手軽なゲーム」、据置機は落ち着いた環境でプレイする、ある程度「ヘビーなゲーム」という感覚だし、誰もが共通している認識だと思う。
でも、その棲み分けを乗り越えるもの、携帯と据置の双方を共通化するものは今までにもあった。
「携帯ゲームを家庭で遊ぶ」というコンセプトでは、スーパーファミコンでゲームボーイのゲームを遊ぶためのアダプター『スーパーゲームボーイ』、ゲームボーイアドバンスが遊べるゲームキューブ用アダプター『ゲームボーイプレーヤー』、ソニーは携帯ゲーム機『PS Vita』をTV接続専用機にした『PS Vita TV』など。
またその逆「据置機のゲームを携帯で遊ぶ」というものは、PCエンジンのポータブル版『PCエンジンGT』など、いずれも「異なるプラットフォームで遊ぶ」ためのもの。
また、一般販売ではなくモニターも別なので意味は異なるが、メガドライブの携帯版『メガジェット』というものもある。
その中で、私もいくつか触れたことがあるが、どうも異なる環境でのプレイは「手軽とヘビーが逆転」という感じで違和感を覚えた。やっぱり手軽は手軽、ヘビーはヘビーで遊ぶべきでしょ、て感じ。
ただ、それとは少し違う、もともと「ヘビーな携帯ゲーム機」も魅力ではある、だからAtari LYNXも最高だよ!と付け加えておく。
でもNintendo Switchは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のように、とんでもないボリュームのゲームでも、携帯と据置の両方とも違和感なく遊べた。
まあ、ボス戦など緊迫感のある場面を出先で攻略するのはきついかも知れないが、本作はそれ以外のイベントなど「軽く楽しむ場面」もたっぷり盛り込まれている、ゲームの中に「手軽とヘビー」がある、両対応を意識した作りだったように思う。
そんな、双方の垣根を完全に越えて「携帯機と据置機の共通化」を実現したハードとゲームのおかげで、私も家の続きを出先で楽しむという、夢のような遊び方を味わっている。
そして今回のNintendo Switch Liteによって「現在Switch用に発売されているゲームの多くは、そのまま携帯機でも楽しめる」ことを証明する、共通化を更に明確にしたハードだと思う。
ここで私が思うこと。あくまで勝手な予想にとどまるものだけど、これは最初から計画していたというか、任天堂はSwitchの発売当初から共通化を見越していた。
いずれは携帯も据置もSwitchに統一する、だから最初からLiteを視野に入れていたのではないか?
ということ。
なぜ?メリットは?
そう思う理由は、普段からゲームに触れている人ならだいたい想像が付くとは思うけど、「いつでもどこでも手軽にゲーム」って、今はスマートフォンで実現されてるから。
じゃあ、携帯ゲーム機そのものの存在意義は?って話になるわけで、そこでNintendo Switchは「携帯ゲーム機の存在意義を打ち出したハード」だったってこと。
それに、共通化はハードだけではなくゲームを作るメーカーも、据置と携帯両方に市場があるプラットフォームという魅力もあるし。
その反面「両対応のゲームにしないといけない」という問題もあるけど、「性能が違う2機種に分けて制作する」や「どちらか一方の市場を選ばないといけない」と比べたらどちらが作りやすいか・発売しやすいか、という話。
でも、いきなり携帯機と据置機を両方発売して「統一するよ」と言ったところで、メーカーもユーザーもすぐ浸透するとは考えにくい。過去に、全く新しい操作のゲーム機『Wii』『Wii U』を発売した時も、結果的にゲームメーカーの参入が思わしくなかったという前例もある。
だからまず「据置も携帯もどっちも可」としておいて、メーカーに両対応のゲームを作るノウハウを持たせたり、ダウンロード販売を通じてインディーゲームを充実させるなど、手軽もヘビーも両方存在する市場を整え、ベースを固めた上でLiteを打ち出した、そんな戦略があるように思った。
といっても、任天堂は統一化とか、これからの携帯機はSwitch Liteなどの話は否定しているし、このような予想はすでに言われていることだけど、自分がSwicthの発売当初から思っていたことだったので、この機会にまとめてみた。
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