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『宇崎ちゃんは遊びたい!』ファンとして、献血キャンペーンで思ったことと、騒ぎに対する憤り
私の好きなマンガの一つに、『宇崎ちゃんは遊びたい!』というものがあります。
大学生の桜井と、彼にいつも絡んでくる後輩の女の子、宇崎とのやりとりを描いたコメディで、もともとは作者がWebで公開していたものが人気を呼んで、コミック配信サイトでの連載、単行本は累計80万部をを突破(公式サイト情報より)。2/7には最新刊4巻発売、更にアニメ化が決定と、これからも盛り上がっていくようです。
でも、このマンガは以前、ちょっとした騒動がありました。
それは昨年の10月、血液センターとのコラボにより、マンガとの献血キャンペー企画が実施されたときのことでした。
当時の情報そして、アニメイトのページから、
ここで描かれている『宇崎ちゃんは遊びたい!』のイラストが、性的な姿を強調するとして、Twitterで一部の人からクレームが出て、それをきっかけに、マンガの作者やキャンペーンの関係者、またクレームを付けた人達に対しても多くのコメントが寄せられる、いわゆる「炎上」になりました。
その話題は、ニュースサイトや情報サイトで取り上げられ「何が問題だったのか?」といった分析など、様々な形で話題にされたわけですが、その一つを紹介と共に画像を引用すると、
画像引用元:現代ビジネス
「宇崎ちゃん」献血ポスターはなぜ問題か…「女性差別」から考える
でも、その数ヶ月後である2月に、再びキャンペーンが実施されます。
前述した通り、私はマンガのファンでありまして、キャンペーンとのコラボが決まった時は、素直に嬉しいと思いましたが、このような騒動になったのは残念です。
といっても、その炎上とキャンペーンについて、何が問題だったとか2回目との違いなどについて分析するつもりはありません。だからといって、クレームを付けた人に対しての批判や、ましてやマンガやキャンペーンを批判するつもりもありません。
まあぶっちゃけ、ファンとしてあの騒動は「どうでもいい」と思っているのですから。
ただ、私が初めてあのイラストを見た時、そして2回目の時に、ファンとして感じたことがあった。そして、あの騒ぎがいかに「どうでもいい」ことだったのか。それについて書いてみたいと思います。
私の第一印象は
献血キャンペーンのイラストについて、私が見た第一印象を正直に言うと「えっ?」でした。理由は、デザインに『宇崎ちゃんは遊びたい!』3巻の表紙がそのまま使われていたからです。
この3巻が発売されたのは2019年7月、献血のキャンペーンが実施されたのは同年10月なので、このイラストを採用したのは「最新刊の表紙だから」というシンプルな理由だったと思います。
『宇崎ちゃんは遊びたい!』はどんなマンガ?
なぜ表紙のイラストを使ったら驚く?その理由を語るため、まず『宇崎ちゃんは遊びたい!』のマンガはどのような内容か、少し説明したいと思います。
同じ大学に通う、宇崎と先輩の桜井。彼女は先輩に毎度絡んできては「先輩、友達いないんですか!」と大きな声でからかってくる。桜井も、ムカつくことばっかり言われるけど悪い気はしないのでそれに付き合ってる。
二人は別に交際しているわけじゃないけど、家で一緒にゲームを遊んだりしていつも一緒。そんな気軽で仲のいい姿が描かれています。
マンガの中に、エッチな要素は全くないとは言いませんが、だいたい下ネタっぽいことを言いながら軽く笑い飛ばしてしまう、文字通りネタで済ませることがほとんどです。
そんな桜井は、近所の喫茶店でアルバイトしていますが、宇崎はその店にも寄ってきて散々からかうもんだから、喫茶店のマスターともすっかり仲良くなったり。
二人の周りにいる人達、喫茶店のマスターや娘さんである亜実さんとか、桜井の友人とか、みんな「おまえらそんなに仲いいんだったら付き合えよ」と思いながら、そっと二人を見守って(楽しんでいるともいう)いたり、くっつけてやろうと色々と仕組んだりするけど結局ハチャメチャで終わったり、それも楽しいエピソードとして描かれています。
そんな、何でも軽く笑い飛ばしてしまう宇崎と、振り回されながら仲良くやってる桜井や周りの人達とのやりとりが楽しい、それがマンガの魅力でした。
あの表紙は何だったか?
そんな『宇崎ちゃんは遊びたい!』2巻では、桜井がバイトする喫茶店に宇崎もバイトすることになるという、彼にとって迷惑に拍車がかかる展開となります。
しかも採用したマスター曰く「面白そうだから」などと、読者の期待通りのことを言ってくれるわけです。
で、3巻の表紙はその展開、
「喫茶店のバイトを始めてますます先輩をからかってやるぞと意気込む宇崎の怪しい笑顔」
が描かれているわけで、1~2巻を読んだ私にとっては「やっぱりそういう展開ですか」と感じた、楽しい表紙だったわけです。
でも、そのストーリーを知らないと「何でウエイトレスの衣装?なんで怪しい笑顔?」とイマイチ伝わらないのでは。だからそのまま採用しているのを見て、
「えっ、これをいきなり見た人はどう思うのだろう?」
という疑問は少なからずありました、それが「えっ?」の理由です。だからといって、ここまで話が大きくなるとは思いませんでしたが。
といっても、あのクレームの論点は、ポスターなどの形で掲げていることであって、マンガのストーリーや絵の意図などは「どうでもいい」と思われているのでしょうけど。
また、話はそれますが、私がこのマンガを読み始めたきっかけは、この1巻の表紙。
宇崎が元気いっぱいの笑顔を見せるこの表紙に興味を持って読み始めたわけで、キャンペーンもこちらの方が良かったなというか、このイラストを大きなポスターで見たかったなあという思いはあります。
まあ、それは私の好みなので、どうでもいい話ですが。
そして、2回目のキャンペーンでは、マンガのスタイルを取っていました。そこには、桜井をからかう元気な宇崎という、マンガの雰囲気がそのまま描かれていて、私の印象は「まさにマンガのノリそのままだよね」でした。
つまり、献血のキャンペーンで描かれたのは、1回目も2回目もマンガの「宇崎ちゃん」そのままであって、良くなったとか改善されたとか、そんな話はマンガのファンにとって「どうでもいい」ことでした。
どうでもいい騒動に対する憤り
ポスターやイラストといった1枚絵は、初めて見た人の第一印象が大きい、それが100%とも言えるわけで、それで伝わるものと伝わらないものがある。それは仕方がないことかもしれませんし、表紙のイラストをそのまま採用したことに何の問題も無かったとは言えません。
でも私が残念だったのは、マンガについては完全に無視した形で騒動になったこと、マンガは「どうでもいい」と全く別の論点の騒ぎに巻き込まれてしまったことでした。
でも逆に、それがきっかけでマンガの存在を知って、読む方が増えて、楽しさを知ってもらえたら、それはそれでありがたい話ではないかとも思ってます。
読まれた方は、あれがマンガとは全く別の論点で騒がれた、マンガにとっては「どうでもいい」話だったか分かるだろうなと思っています。
また、2回目のキャンペーンについて「そうだよ、最初からこうするべきだったんだよ。ちゃんと意見が通ったんだね」などとという話が聞こえてきますが、そもそもマンガの内容は「どうでもいい」と思われているようなので、私もそんな意見は「どうでもいい」です。
また、作者様のTwitterでは、クレームの「影響はなかった」とおっしゃっていますし、そのような「どうでもいい」話はスルーされていているようなので、私も1ファンとして「どうでもいい」主張は全てスルーして、マンガを応援するしかありません。
そして、4巻はもちろんマンガを買います(後日追加:買いました)、アニメも楽しみにしています。作者様には、これからも楽しいマンガを描いてください。
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