パソコンゲームの思い出・MZ-700『ダイヤモンドコブラ』
私は、1980年代の頃からゲームと共にパソコンにも興味があって、当時は自分のパソコンも所有していた。と言っても、中学生の頃だったので親に買ってもらったのだが。
そのパソコンが、シャープの「MZ-700」という機種。
そのパソコンで初めて遊んだゲーム。言わば私にとって「生まれて初めて触れたパソコンゲーム」となるものが、これだった。
MZ-700『DIAMOND COBRA』 - YouTube
ゲーム内容を見ていただくために、ムービーを撮ってYouTubeにアップしているので、そちらも参照していただければ幸い。
タイトルは『ダイヤモンドコブラ』。製作はハドソンソフトで、パッケージには製作や発売された年が記載されていないが、調べたところ1983年発売らしい。
そんな、初めてのゲームに対する思い出を書いてみたいと思う。
『ダイヤモンドコブラ』とは
80年代のパソコンは「8ビット」と呼ばれる性能の機種が主流(ちなみに現在は32~64ビットが主流)で、NECや富士通など各社から発売されていた。その中でもMZ-700は、本体価格10万円を切るなど比較的安価で入手できる、個人向けのホビーパソコンという位置づけだった。
そのパソコン向けのゲームは、主にこのようなカセットテープ媒体で供給されていた。
80年代前半の頃から、このようなホビーパソコンは数多く発売され、ゲームソフトも各社から毎月数十本のペースで製作されていた。その中の1本に過ぎないので、実際に触れたという人はあまり多くないと思う。
内容は3D迷路脱出ゲーム。制限時間以内に迷路のどこかに置かれているダイヤモンドを拾って、出口まで向かうのが目的。
画面右下には、自分とダイヤモンドの位置がレーダーで表示されているので、これを頼りに進んでいく。
だが、そこには「コブラ」という敵が存在して行く手を阻む。各ステージに30匹、迷路の至る所に潜んでいるので、出くわしたらすかさず銃を撃って倒さねばならない。
撃つのが遅れるとミス。3人ミスかタイムオーバーでゲームオーバー。全10ステージでクリアとなる。
つまり、ダイヤモンドとコブラが出てくるから『ダイヤモンドコブラ』と、実にシンプルなネーミングである。
シンプルの中に見える「優しさ」
各ステージでは、スタート時にマップが一瞬だけ表示される。
これを見ても分かるように、迷路は行き止まりが少ないので、ダイヤモンド見つけるのも出口を目指すのも実に簡単。コブラも出会う手前で影が出るので、落ち着いて進めばミスすることはまずなく、10ステージノーミスクリアも容易だった。
ちなみに、動画を撮るために20年ぶりくらいにプレイしたが、簡単にクリアできた。ノーミスだと映像として面白くないので、わざと1ミスだけ…のつもりが2ミスしたが。
それに当時のパソコンで、3D迷路の中で敵を倒す内容のゲームはいくつも存在したので、特に新しいものでは無かった。
でもその中で、レーダーとコンパスで自分の位置と方向が把握できる、コブラ出現時の影は警告となってくれるなど、プレイヤーに対する「優しさ」が随所に見えた。
それが手軽で遊びやすさに繋がる。私が当時、このゲームに夢中になって遊んでいたが、それが理由だったように思う。
歴史の一片
また、先に掲載した写真を改めて見ると、パッケージには作者の名前「M.UEYAMA」が確認できるが、恐らくハドソンで多くのゲームに関わっていた「植山幹郎」氏と思われる。ゲーム製作の第一線で活躍されていた方達は、この頃から製作に関わっていたことがうかがえる。
そんなハドソンの歴史、そしてパソコンゲームにおける歴史の一片でもあり、私にとって思い出の一つでもある。
追記
この記事は、過去にブログで書いたものを再編集してnoteにアップしたものです。