Steam Deck発表で思い出す、ATARI LYNXの魅力
先日、Steamに関するハードが発表され、大きな話題となっている。
Steam Deck(Steam公式ページ)
ITmediaのニュース記事
Steamを運営するValveから発表された、Steam専用の携帯ゲーム機『Steam Deck』。
今や、Steamに登録されているゲームは数万本とも言われるが、その多くを携帯端末でプレイできるのは大きな魅力だ。
ただ、携帯機でSteamを楽しむコンセプトとしては、小型Windowsマシン『GPD WIN』などすでに存在する。私もGPD WINを一時期所有していたが、Windowsマシンの携帯機は「ヘビーで扱いにくい」という印象で、ゲーム機として最適とは言い難いものだった。
当時の日記⇒GPD WINを手放した日: Blog - 19XX
でも今回は『Steam OS』という専用OSを採用するそうなので、扱いやすくなるのだろうかという期待はある。
携帯だから楽しめるゲーム
また、公式サイト内に記載の本体仕様を見ると、コントロールデバイスとしてボタンと方向キー、2本のアナログレバーに加え、グリップ部のボタンとタッチパネル、ジャイロセンサーも搭載されている。
これは、Valveから発売されている『Steam Controller』と同等(もしくは更に改良されたもの)と思われる。
このような携帯デバイスでSteamのゲームをそのまま楽しめるのは魅力の一つだが、これから、携帯機て遊ぶからこそ楽しめるゲームは出るだろうかという期待はある。
と思っていたら、すでに存在していた。
GyroShooter
STGを作り続けている日本のデベロッパー「トライアングルサービス」が2018年に発売したゲームで、携帯型PCのジャイロ操作で「ショットを撃たないSTG」という新しい試み。これが今こそ評価されるのかもしれない。
トライアングルサービスについて、過去の記事で書いているので、詳しくはそちらを参照。
ハードの発売予定は12月、日本での発売はまだ未定だが、これから楽しみではある。
本体は大きい?
そんな期待と共に、Steam Deckは発表当初からSNS等で「本体がデカい」という声が多く聞かれる。
その大きさについて、発表当初の記事によると、
寸法は298×117×49mm(横×縦×厚さ)、重量約669g。
それに対してNintendo Switchは239×102×13.9mm、重量約297gなので、確かに大きい。
でも数字だけではピンとこないので、比較画像を作ってTwitterにアップしていた。
本体の横寸法を元に画像を調整・合成して作成したが、Steam Deck、Nintendo Switchと共に置かれているのが、『ATARI LYNX』。
共通する「大きいなら持ちやすく」
ATARI LYNXとは、アメリカのアタリ社が1989年に発売した携帯ゲーム機で、初期型とサイズを小さくした「ATARI LYNX II」も存在するが、写真は初期型。
このハードは日本でも一時期発売されていたので、コアなゲーマーで所有していた人も少なくない。
このゲーム機も発売当初「本体がデカすぎて携帯できない」とやたらネタにされた。本体寸法は270×105×40mm、重量約700g(電池含む)と確かにデカい。
ただし、これに使用する電池は単3電池6本。1本は約23gなので、ACアダプターを使えば約562gと、寸法も重量もSteam Deckより遙かに小さい。
また、デカいことは「持ちにくい、遊びにくい」というものではない。LYNXの端は少し膨らんでグリップ状になっており、持ちやすく遊びやすい。
Steam Deckも同じくグリップ形状なので、困難ではないと思われる。つまり「デカいなら持ちやすくすればいい」という思想だ。
これはATARI LYNXから引き継がれている、といったら大げさだが、共通するものがある。
ATARI LYNXの魅力
このATARI LYNXはもともと、アメリカのゲームメーカーである「Epyx」社が開発していたもので、ゲームもEpyx社開発が多い。ATARIはその開発協力と販売元という位置づけとなる。
またATARI社発売のアーケードゲーム『KLAX』や、テクモからのライセンスを受けて発売された『RYGAR(アルゴスの戦士)』などもある。
私は過去に、その映像をYouTubeにアップしている
また、ATARI LYNXのゲームはプレイリストに登録しているので、それを見ていただきたい。
余談ではあるが、当時の液晶画面は性能が高いものでもなかったため、カメラで撮影するにも角度が少しずれただけで映らなくなって困難だったのを覚えている。
ハードが発売された1989年と言えば、日本ではゲームボーイが発売され、携帯ゲーム機が普及し始めていた時期。でもファミコンやセガマークIII、PCエンジンなど当時の据置機に比べて性能が劣る。
その中で、バックライト付きカラー液晶画面を採用し、映像は拡大・縮小や回転もできるなど、高スペックなマシンとして発売された。
オリジナルのゲームとして、フライトSTG『Blue Lightning』の3D映像や、横STG『Gates of Zendocon』では破壊の演出など、その機能を発揮したゲームが多かった。
中でも、3Dアクションゲーム『Electrocop』は映像演出だけでなく、音楽が最高に格好いい。
ただし、前述したとおり本体は大きく、電源は単3電池6本で連続稼働2~3時間しか持たないなど、携帯機で高性能は魅力であると共にデメリットでもあった。
ちなみに、私は本体を購入した当初、乾電池で遊んでいたら1時間ほどで電池切れになったので、すぐにACアダプターを買いに走ったのも良い思い出。
ATARI LYNXの感動を再び
高性能を携帯する、ATARI LYNXはそんな魅力が詰め込まれたマシンだった。その魅力と感動を今、Steam Deckでまた味わうことができるかもしれない。私は、この2機種に共通するものがあると感じているので、その意味でも楽しみではある。
ちなみに、途中からATARI LYNXについて延々書いているので、もしかしてこれを語りたいためにSteam Deckの記事を書いたのか?と思われるだろうが、その通りだ。
私にとってATARI LYNXは、最もパワフルで思い出のゲーム機。だから、この機会に魅力を語るのが、1ファンとしてやるべきことだと思い、書いてみた。
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