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〈後編〉sprayerメンバーが選んだ2024年ベストリリース
本記事では、そんなsprayerの運営スタッフたちが心を掴まれた2024年のベストリリース(アルバム・EPまたは楽曲)3選を紹介。さらに、2024年にsprayerでリリースされた注目作品も1つずつピックアップしてご紹介します。
前編後編の2本立てでお届け。年末年始のお休み中、新たな音楽と出会うきっかけになれば幸いです。
前編はこちら
プレイリスト
森P
sprayer プロデューサー(「naresome編成」)
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年間ベスト
FONTAINES D.C.『Romance』
北宇治カルテット "音色の彼方"
fishbowl "一雨 feat.諭吉佳作/men"
FONTAINES D.C.『Romance』
ダブリン出身バンドの結成10年目4枚目のアルバム。輝きはそのままにポストパンクの枠からはみ出たのが好感触。この辺りblurの最新作と同じプロデューサーなのも頷けるでしょう。DIIVの新譜と悩んだけど今年チョコザップに通い始めたのもあってヤル気でるこっちにします。特に筋トレに合うラップ調のM2はバンドサウンドにオーケストレーションが絡む生々しいトラックで落ちサビの恍惚感が半端ない。
北宇治カルテット "音色の彼方"
今年一番聴いた曲。(過去曲だと一番聴いたのは川本真琴「1/2」だった)共通するのはメロ良すぎ。そしてベースも良すぎ。9年かけ高校生活3年分を描いて完結したテレビアニメ「『響け!ユーフォニアム」ED。シリーズごとに毎回ZAQがEDを書き下ろされてきたことも含め感動。生まれ変わるなら吹奏楽部に入りたい。
fishbowl "一雨 feat.諭吉佳作/men"
ヤマモトショウが手掛ける静岡ご当地アイドルfishbowlの楽曲なんだけど、fishbowlが歌っておらず諭吉佳作/men歌唱バージョンを先行でリリースしたもの。だけどfishbowlのページに並ぶという...サブスク時代の新しいリリース展開がこういう仕事していると一際カッコよく見えます。芯をもって真っ直ぐ歌う諭吉佳作/menの声、彼女自身の曲を歌う時とまた違った側面を魅せてくれます。
sprayer Pick Up :水平線 『NEW HORIZON』
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京都のバンド水平線がリリースした1st Full Album。サウンドは90sのインディーロック黄金期を感じさせながら、M6"かすみ草"のような新しいのに懐かしい「赤ん坊の頃から聞いてるっけ?」と思わせる普遍的なメロディにぶっ飛びました。他にも、オートコードやAkane Streaking Crowd、Mama Ragといった京都のロックバンドのソングライティングに痺れる年でした。
S
ディレクター、コーディネーター
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年間ベスト
Adrianne Lenker 『Bright Future』
Jungle "Let’s Go Back"
The Smile 『cutouts』
Adrianne Lenker 『Bright Future』
Big ThiefのヴォーカルAdrianne Lenkerのソロアルバム。寄り添って落ち着かせてくれるような楽曲が多く、夜に仕事しながらよく聴いていました。使用されている楽器は少ないと思うのですが、表現力が豊かで暖かい気持ちになります。
Jungle "Let’s Go Back"
MVがワンテイクで撮影されていて、すごく面白いです。曲も昔のソウルを感じさせつつ、現代的な雰囲気もあり最高です。
The Smile "cutouts"
レディオヘッドのトム・ヨークとジョニー・グリーンウッド、サンズ・オブ・ケメットのドラマーであるトム・スキナーによって結成されたバンド。特に「Zero Sum」は駆け上りなだれ込むようなギターフレーズが気持ちいい曲ですが、どこか不穏さが滲み出るような感じがあり好きです。
sprayer Pick Up :モレ乃 "On your mark"
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心地よくループするトラック、落ち着く歌声と聞きやすいメロディーに惹かれました。初リリースとはおもえないです。次作も楽しみです。
多摩のファーブル
チーフディレクター(「naresome」編成)
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年間ベスト
The Lemon Twigs 『A Dream is All We Know』
Kit Sebastian 『New Internationale』
中田裕二 『ARCHAIC SMILE』
The Lemon Twigs 『A Dream is All We Know』
イギーポップとトッドラングレンのちょうど真ん中くらいのルックスがイカすNYのダダリオ兄弟を中心としたバンドで、1曲目からBeach Boysを彷彿とさせる重厚美麗なコーラスワークに心を掴まれる。全編通して古き良きアメリカンポップスのテイストがありながら、ポップスに振り切らずちゃんと(荒いという意味だけではない)ロックバンドマナーも垣間見せるバランス感覚は相変わらずで、カッコイイのにどこかほっこりできるアルバムです。信頼と実績のUSインディ・レーベル”Captured Tracks”からのリリース。年始の来日公演が楽しみ!
Kit Sebastian 『New Internationale』
国/年代/ジャンル/影響/などのカテゴライズ全てを無に帰すロンドン拠点の男女ユニットKit Sebastianのアルバム。ヴィンテージの機材や民族楽器で奏でられる、あまり馴染みのない音階のメロディーが不思議なグルーヴ感を生み、何十種類ものスパイスを使った創作カレーのような複雑さで聴くたびに発見があり癖になる。トロピカルとかオリエンタルと言われればそうなのだけど、聴いていて想起されてくるこの風景はどこの国なんだろう、、、とまた堂々巡り。
中田裕二 『ARCHAIC SMILE』
元・椿屋四重奏のVo/Gt、中田裕二が作詞作曲のみならず全ての楽器パートを1人で製作した執念のソロアルバム。完全に同年代ということもあり、歌詞に描かれる世代感、日常生活における違和感や葛藤などに計らずもビンビンにシンパシーを覚えてしまった。シニカルで鋭利な表現を織り混ぜながらも押し付けがましくなくあくまでポップにまとめていて、タイトルに込めた菩薩のような”慈悲深い微笑み”を携えて社会に向き合っていこうと思わせてくれる作品でした。
sprayer Pick Up :Rip Van Cats 『ザ・ベストファイブ』
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海外から輸入された文化を日本人のフィルターを通して独自のカルチャーに昇華したものは多くあるが、歌謡曲もその一つだと思う。バンド名からは想像できなかった方向性の楽曲に驚き、その再現度の高さにさらに驚いた。今のレコーディング技術だと音質もクリアだし、楽器の音色や質感まで近づけるのは難しいはずなのによく研究してるなぁ。80’sならではの熱狂やキラキラ感、良い意味でのエグみは、平熱でカジュアルな今の音楽シーンに比べると、笑っちゃうほど大袈裟ですごく輝いて見えるのかもしれない。
古味噌
エンジニア
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年間ベスト
Creepy Nuts "Bling-Bang-Bang-Born"
Mamushi (feat. Yuki Chiba) "Megan Thee Stallion"
ROSÉ & Bruno Mar "APT. "
Creepy Nuts "Bling-Bang-Bang-Born"
R指定のラップが最高。子供の運動会でダンスも一緒に練習して、今年一番聞いた曲。
Megan Thee Stallion "Mamushi (feat. Yuki Chiba)"
今年、日本であった外人がみんな言える「お金稼ぐ私はスター」のフレーズが印象的。中毒性のある一曲
ROSÉ & Bruno Mar "APT."
年末にむけて、何度も聞いてしまった。飲み会ゲームワードだからか、『APT』はポップで、思わず口づさんでしまう。
sprayer Pick Up :Mill1 "三刀流"
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川崎を拠点に活動する18歳のビートメイカー。渋くかっこいい。クセになるサウンドがたまらない。
おとうさん
ジェネラルマネージャー、エンジニア
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年間ベスト
Creepy Nuts "Bling-Bang-Bang-Born"
Vaundy "風神"
Lay Bankz "Tell Ur Girlfriend"
Creepy Nuts "Bling-Bang-Bang-Born"
今年一番聴いた曲はこれでした。どこに行ってもこの曲を聴いたし、自分でもなんだかんだで聴いていました。かなりカバーされた楽曲でもあったかと思います。テンポよく気づいたら口ずさむ曲でよく車の中で歌っていました。
Vaundy "風神"
Vaundyって感じの曲ですごく好きです。まさかドラマの主題歌とは。MVも元乃木坂46の齋藤飛鳥さんが出演しているとはびっくりしました。疾走感あふれるメロディーが印象的で強弱もバッチリでした。まぁドラマは見ていないんですけどねぇ...
Lay Bankz "Tell Ur Girlfriend"
TikTokでバズってたらしい... 海外ではそうだったのかな? TikTok見てみたらたしかに踊ってた(笑) とにかく歌詞がやばいので聴いてほしい。1度聞けば癖になって何度も聴いちゃう曲だと思っています。
sprayer Pick Up:KAIKA "Smile"
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透き通った声が特徴で、軽快なテンポで優しい歌詞が印象的。アーティストキャッチコピー「たくさんの方を笑顔に、そして心にたくさんの花を咲かせます。」にあった楽曲で良き。他の楽曲もぜひ聴いて欲しいです。
しゃちょー
2024年7月からsprayerスタッフにも参加しました。これからもどうぞよろしく。
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年間ベスト
Fabiana Palladino "Stay With Me Through The Night"
°pbdb "qp"
Childish Gambino 『In The Night (feat.Jorga Smith & Amaarae)』
Fabiana Palladino "Stay With Me Through The Night"
FKJ周りも聴いてはいたけれど、この曲の哀愁感がおじさんには一番効いた。一番聴いた曲。
°pbdb "qp"
いろんな音楽聴いてるんだろうなーと思わせるデビュー作で今後が楽しみです。ユニットでのライブも見てみたい。
Childish Gambino 『In The Night (feat.Jorga Smith & Amaarae)』
ラストアルバムなんてさびしすぎます。。
sprayer Pick Up:ひぐらしず "喫茶"
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日暮里にある高校から今は東大でこの音が鳴ってるのはいいね!sprayerに登録してくれたアーティスト、どの曲も音楽に対する情熱を感じられて元気をもらえます。
いかがでしたでしょうか?多種多様なジャンルの作品が集まりましたが、本企画を通して少しでもsprayerメンバーの人となりが伝われば幸いです。
本年はsprayerとsprayer noteをご愛顧いただきありがとうございます。sprayer noteは、2025年もフレッシュなアーティストとの出会いをお届けできるように、編集部一同邁進してまいりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、よいお年を!
sprayer note 編集長
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