ベアトリーチェ・ラナの「火の鳥」

今朝は音を聴くだけではなく、ぜひとも映像を見ていただきたい動画です。

ワーナークラシックスと専属契約を結んでいる南イタリア出身のベアトリーチェ・ラナ。1993年生まれなので、まだ31歳の新進ピアニストですが、18歳の時にモントリオール国際ピアノコンクールで優勝。

その後は確実にキャリアを積んできて、このような目も覚めるようなストラヴィンスキーを披露してくれるまでになりました。

この動画、ミュージックビデオとして秀逸だと思います。クラシック系のミュージックビデオには面白いものがあまり多くないので、こういう見応えのある映像を見つけると嬉しいです。

彼女は9歳のときにバッハのピアノ協奏曲でデビューしたという神童でした。

わたしはコンクールで優勝したくらいだけの人に特に関心を払いませんが、バッハからキャリアを始めた点に注目しています。最近は素晴らしい「ゴルトベルク変奏曲」の演奏も披露してくれて、「ピアノのバッハ」演奏家としての彼女から目が離せません。バッハは彼女の大切なレパートリー。全てのピアニストがバッハをレパートリーにはしないので、バッハ弾きの彼女は注目に値します。

21世紀のバッハ演奏を語るに欠かせない人になりそうなベアトリーチェさん、この超絶技巧を駆使してどんなバッハをこれから奏でてくれるのでしょうか。

彼女の演奏するバッハの協奏曲ニ短調を聴いて、ゴツゴツとデコボコ感を強調するピアノに、理想的な「ピアノのバッハ」だと感動しました。

このゴツゴツタッチの延長の考え方が、ピアノは打楽器。

「ペトルーシュカ」でも「春の祭典」でも、叩きまくるピアノを「見る」快感を味わわせてくれるのがストラヴィンスキー。自分はこんな風に弾きたいとは思わないけれども、見てて面白いピアノ。魅せるピアノです!

また映像の中のたくさんの笑顔、癒されます。世界中に笑顔が溢れるピアノって最高です。

ベアトリーチェさんはもちろんバッハやストラヴィンスキー以外にも、ラヴェルやラフマニノフもショパンも演奏されるので、彼女が気に入ったといわれる方は探して聴いてみてください。

彼女の弾いているイタリア製ファツィオリ・ピアノもよい響きですね。

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