トルコ人ピアニストのファジル・サイ編曲版「トルコ行進曲」ジャズ

初めて聴いたのは十年以上も前のことなのですが、耳コピして楽譜に起こしてくれた動画を見て、改めてこのジャズ風編曲、素晴らしいと思いました。

左手はほとんど原曲そのまま。モーツァルトオリジナルのコード進行は変えないで、右手のメロディやリズムを半音階のジャズにするという試み、他の曲でも使える汎用性があり、鬼才と呼ばれるファジルサイ、やっぱりすごいと思いました。

このジャズ版は大人気で、数多くのピアニストたちにも「サイ編曲版」として愛奏されているのです。

サイはトルコ出身のピアニスト、「トルコ」行進曲を弾くにまことに相応しいとも言えます。ヨーロッパを侵略した異教徒オスマントルコ帝国の軍楽隊の音楽がトルコ行進曲。異国趣味の音楽として、トルコ風は18世紀には大流行でした。19世紀以来のピアノ版では冒頭の音の跳ねるリズムが強調されませんが、ジャズ版は18世紀のモーツァルトの原曲に立ち返った演奏だともいえます。

天才ピアニスト・ファジル・サイはクラシックとトルコの伝統的音楽とのクロスオーヴァ―なども積極的に取り組んでいますが、今回はジャズというわけです。
まだ聴いたことないと言われる方は、是非ご視聴ください。

モーツァルトってやっぱりすごい。誰でも知ってるトルコ行進曲がこんな風になるんだから。誰もが知っているモーツァルトの見事な原曲があるからこそ、このジャズが生まれたのです。

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Logophile
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