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【野球展示場】なぜ阿南駅? 桑野駅前では?

阿南駅前展示場

 市は、平成30年(2018年)3月に阿南駅前展示場「キラキラあなん」を設置した。

 平成28年(2016年)に閉店し、2年間空きスペースとなっていた阿南駅キヨスクの跡地利用策であり、メインは「野球のまち」のグッズ展示。(徳島新聞2018/3/9、同2018/3/16)。

 オープンからわずか1ヵ月で問題視する報道が出た。

 「キラキラあなん 来場者が低迷 野球のまちPRの駅前展示場」(徳島新聞2018/4/26)記事によると、「閑散としている」、「訪れる駅利用者はほとんどいない」、「開館直後は立ち寄る人もいたが、最近はほとんど見掛けない」、市商工観光労政課は「休憩場所として利用できることをもっと周知し、『野球のまち』ならではの企画で楽しませたい」とする。

 その後、同展示場は4年後に改装され、「野球のまち」の展示場の意味合いは縮小した印象だ。

 ”休憩場所代わりに”――そこまでして野球展示場が富岡である必要がどこにあるのか

 文化がある地が中心となるべきだ。”市の中心”だから、役所があるから、市内の遠い地域がいくら素敵な文化を作っても、その中心の座には富岡が居座るべきであり、代表で象徴となるべきだ、というのは筋が通らない。それは行政の横暴だ。

 先の投稿で論評したとおり、「野球のまち」の中心部は新野・桑野・那賀川である。そのなかでも、観光客を歓迎し迎え入れるべき中心核は、アグリあなんスタジアムがある桑野地域であろう。

「野球のまち」は、桑野が栄えるためのものだ

 そもそも「野球のまち」絡みの観光客らを、富岡の駅で下車させ、展示場に足を運ばせる必要性がどこにあるのか。阿南駅前への展示場設置は、円滑な野球文化の成長の障害になっていないか。

 甲子園球場が本拠地の阪神タイガースの公式グッズショップ「アルプス」は、甲子園球場の最寄り駅の目の前にある。阿南駅前に野球展示場を設けることは、西宮市内のほかの駅前にこのタイガースの看板ショップがあるようなものだ。

 阿南の野球展示場は、桑野駅前か、あるいは桑野駅からアグリあなんスタジアムまでのルート上のどこかに設置すればよいだけではないのか。そこでなぜ富岡という発想が出てくるのか

 アグリあなんスタジアムへのアクセスに最も利用されているだろう車利用を考えれば、県道24号羽ノ浦福井線の沿道や、インターチェンジの設けられる長生町や下大野町のほうが、富岡よりもまだマシだ。

 先述のとおり、新野地域や桑野地域にとっては、富岡地域は遠い。彼らは通常、富岡を通過する必要がなく、市の中心が富岡である必要性すら感じているか疑問だ。富岡が全市から心理的一体感や基本的価値観を共有されているといえるかどうかは、慎重にみなければならない。

 今後の高速道路の延伸に伴い、新野地域や桑野地域自身や、あるいは市外からの観光客にとって、 ”富岡スルー” の傾向は加速こそすれど、減ることはないだろう。
 当事者の桑野や新野が、富岡にそれほど縁を感じていないのに、富岡側からの片思いだけで、その文化を都合よく富岡の成長のために活用してはならない。
 阿南の発展は好ましいが、それが富岡である必要はどこにもない

桑野駅から JAアグリあなんスタジアム方面

 「野球のまち」事業は、桑野を栄えさせるためのツールであるべきだ。そうでなければ、桑野地域にとっては何のための運動公園誘致なのかが分からないだろう。野球関係のあらゆる事業は桑野に新たに中心を作っていく前提で展開するべきだ。

 野球グッズ展示場は、「野球のまち」中心地である桑野駅前に移転すべきではないか。


 本稿は以下からの抜粋記事です。長いため独立化。


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