スポーツにとってのユートピアとは何か|理想郷を作り出すうえで大事な考え

スポーツにとってのユートピアとは何か?

ユートピアとは、理想郷という意味である。

なにがスポーツにとっての理想郷となりうるのか考えてみたい。

ここで大事になってくるのは、「混ぜるな危険」という考えだと僕は思う。

スポーツの世界は基本的に混ぜるな危険

スポーツの世界は基本的に、「混ぜるな危険」となっている

選手の実力で考えるとわかりやすい。

圧倒的な実力差で試合をするとどうなるのか。

ボコボコにやられて負けるだけならまだ良いが、怪我のリスクが高まったり、大敗によりそのスポーツに大きな劣等感をもったり、挫折を助長する結果にもなりうる。

混ぜるな危険の原則を破ることによって起きる典型的な現象だろう

スポーツが好きな人と嫌いな人も決して混ざり合わない。

多くの人は、自分がやっているスポーツに自信を持っている。

何に自信を持っているのかというと、「そのスポーツについての素晴らしさ」だ

自分がやっているスポーツは至高のものであり、誇り高きものである、と疑わない。

僕自身もそう思ってるような気がする。ラグビーの素晴らしさや面白さは何にも代えがたいと思っている。

そう考えてしまうのは、そのスポーツに関わっているのなら至極当然であり、真っ当な感情である。

ただ、そのスポーツに関わりのない人々はどうだろうか。

抱く感情はただ一つだろう。

「知ったこっちゃない」

恐らく、これ以外何も出てこない。興味もなければ関心もない。

この両者を混ぜてしまうとどうなるのか。

僕のやっているラグビーでよく起こる現象なのでラグビーで例えてみようと思う。

ラグビーで例える混ぜるな危険

「試合後に相手を称えあうノーサイドの精神」

「身体をぶつかり合い限界まで挑戦する」

これら二つを僕たちラガーマンは誇りに思っている。

ただ、そこに誇りを持つあまりに、これこそがスポーツの至高であると疑わなくなってしまう。

その中の一部の人は、他のスポーツを見下すようになった。

それを見て「相手を称えあう精神はどこへ行った」と僕は思ってしまう。

貴方にとっての称え合いの精神はラグビーの中だけなのか、ととても残念な気持ちになる

サッカーはすぐ倒れるスポーツ(笑)

こんな声を聞いた人はたくさんいると思う。これを聞いてサッカーをやっている人はどう思うのか。

サッカーをプレーしている人たちも、僕たちがラグビーに抱いてる感情と同じような誇りを持っているはずだ。

つまり、聖域に土足で踏み込むのと同じだ。

相手は干渉しようとしていない。それは「知ったこっちゃない」状態であるふところに、ずかずか入り込む行為。

これも混ぜるな危険の、典型的な現象だろう。

これは他のスポーツでもいえることであろう。

僕は小学校時代に野球をやっていた。

野球ほど面白いスポーツはないと思っていた。

このせいで何人の同級生は、野球を嫌いになっていたと思う。好きな思いが強すぎて、「知ったこっちゃない」という人々のふところに、ずかずかと入り続けた。

あなたの周りでもそういった人を見たことはあるのでは?

それかこういった人々のせいで嫌いになった経験があるのではないか。

これも混ぜるな危険の原則を破ってしまったから起きてしまうことだろう。

混ぜるな危険を破ると正当な競争ができなくなる

混ぜるな危険は、正当な競争を阻害することにもなる

「順位のつけない運動会」というのが一時期話題になった。

あらゆる競争をなくし、徒競走も手をつないでゴールする。

なぜこんなことが起こるのか。

「競争を望むもの」と「望まないもの」

そして

「運動が得意な人」と「苦手な人」を混ぜた結果だろう。

以前までなら、競争を望むものの声に勝つことはなかった。ただ近年はオンリーワンの考えなどの広まりによって、競争を望まないものの声も大きくなってきた。

その結果だろうと僕は思う。

これは混ぜるな危険の最悪の結末だ。

混ぜ合わせてはいけないものを混ぜた結果、「競争を望むもの」のは物足りないイベントに「競争を望まないもの」には、ここまでしてする必要はあるのかとなるだけ。

混ぜるな危険を破った結果、スポーツが生む楽しさや競争性まで奪ってしまう。

本当に危ないことだ。

逆に言えば「混ぜるな危険」を守ればスポーツにとっての、「ユートピア」が作れるのではないのか。

お互いが干渉することなく、それぞれが自分の好きなスポーツをおこない、同じようなレベルの人たちと競い合い、自分のレベルを上げていく。挑戦したければ上のレベルに飛び込んでいくこともできる

考えただけで理想的な世界だと思う。

ユートピアとは、現実にはありえない理想的な世界のことを指すという。

「混ぜるな危険」を遂行するのは現実的にはあり得ない。世界にはたくさんのスポーツがある。それぞれの想いが交差するのは当たり前で、そのスポーツこそが一番となるのは当然だ。競技人口にも限りはあるし、自分の想いだけじゃ進まないことだってある。

普及のためには、混ぜるな危険のリスクを背負ってでもやらなければいけないことだってある。

ただ、「混ぜるな危険」の意識を持つだけでもスポーツはもっとより良いものになるのでは、という期待もある。

最後まで読んでいただきありがとうございました

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