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【第29回奈良県サッカー選手権大会準決勝 飛鳥FCvs天理大学】「奈良クラブに勝って本戦に出場したい」飛鳥FC 堀野翔コメント【試合レポート】

 天皇杯代表を決める奈良県サッカー選手権大会の準決勝、第2シードの飛鳥FC(関西1部)と学生代表の天理大学(関西学生リーグ2部)との一戦が4月21日、奈良県フットボールセンターAコートにて開催された。試合は2年連続の決勝進出を狙う飛鳥FCが、1回戦で社会人代表のポルベニルカシハラNEXT(奈良県1部)を破って準決勝に挑んだ天理大学を2-0で下し、2年連続で第1シードの奈良クラブ(J3)が待つ決勝戦へと駒を進めた。

GAME REVIEW

 試合はが動いたのは試合開始直後の前半3分。コーナーキックから篠原和希が頭で落としたボールを、堀野翔が蹴りこんで飛鳥FCが先制点を挙げた。天理大学は、社会人相手のこの試合に向けて3バック+両ウイングバックが下がる5バック気味のシステムを導入。「立ち上がり10分は無失点でセーフティにしのごうと言っていたが、簡単にコーナーキックから点を与えてしまった」と天理大・高祖和弘監督が悔やむ開始早々の失点で、守備的に入るゲームプランが崩れてしまった。その後は試合の主導権を握った飛鳥FCが度々、天理大ゴールに迫る展開に。前半34分には、北田大亜のスルーパスに抜け出した金藏和仁がゴールネットを揺らし追加点。2-0と飛鳥FCリードで前半を終えた。後半はメンバー交代などを経て、カウンターから天理大学がゴールに迫る時間帯もあったが、終始ゲームをコントロールした飛鳥FCが前半のリードを守り切ってタイムアップ。2年連続の決勝進出を決めた。

 飛鳥FC・美濃部直彦監督は、「トーナメントということで0-0が続いても焦らないでやろうとは言っていたが、早い時間帯ですぐに先制点が取れて、落ち着きが出たのが良かった」。前週に関西リーグ開幕戦(守山侍を相手に1-3で敗戦)を落とした精神的なダメージはあったというが、「選手もほっとしたと思う」と、安堵の表情を浮かべた。決勝は2年連続でJ3奈良クラブに挑む形となるが、「Jのクラブにチャレンジできるというのは面白いなと思う。奈良の1番手・2番手のチームがやるということでたくさんの人に見に来てほしい」と決勝への意気込みを語った。
 一方の高祖監督は「完全に自分たちのミスからやられている。個人のレベルをあげていかないといけない」と渋い表情。今年昇格した関西学生リーグ2部では開幕2連敗と高い壁に阻まれているが、「ここから学生たちがどれだけ成長するか楽しみ」と、今季より本格的に指揮を執る事になった名将は前を見据えていた。

PICK UP PLAYER 堀野翔(飛鳥FC)

 今季より加入したアタッカーが移籍後公式戦初ゴールで、チームを勝利に導いた。前半開始早々のゴールを、「クロスがあがった時点で、こぼれてくるなと思って準備していたので、あとは落ち着いてシュートするだけでした」と冷静に振り返った。

 チームは前週の開幕戦で黒星スタート。堀野も先発フル出場したものの、シュート一本に終わった。「チームも自分も何も出来なかった。この試合に向けて一週間しっかりと準備してきたので、勝利に貢献出来て良かった」と本人も胸をなでおろす勝利は、チームにとってもプラスになるはずだ。

 追手門大学卒業後、2017年から昨季まで7年間、アルテリーヴォ和歌山一筋でプレー。社会人になって初めてチームを移籍してのプレーとなる。天皇杯予選についても「和歌山では天皇杯本戦に出て当たり前という状況だったので、奈良では予選からいい緊張感をもってやれた」と初めての経験に充実感を漂わせた。

 決勝はJ3奈良クラブとの対戦になる。「Jリーグのチームと公式戦が出来るのは天皇杯が最初で最後になると思うので、なんとか奈良クラブに勝って本戦に出場したい」と、ジャイアントキリングを誓った。

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