【奈良クラブ通信】「チームを勢いづけるのが自分の存在価値だと思っているので、それを変わらずやっていく」小谷祐喜 6/8試合後コメント
GAME REVIEW
2024明治安田J3リーグ第16節。前週にFC大阪との「生駒山ダービー」を0-0のスコアレスドローで終えた奈良クラブは、カップ戦も含めて3連勝中のホーム・ロートフィールド奈良に、3位と上位につけるSC相模原を迎えた。CB小谷祐喜が、4/27のYS横浜戦以来となるスタメン起用。また吉村弦が5/3の今治戦以来約1か月ぶりにベンチに名を連ねた。
リーグ戦初開催となる18時キックオフのナイターゲームで、スコアが動いたのは前半開始早々の6分。ゴール正面右よりからのフリーキックをファーサイドの鈴木大誠が折り返し、最後は小谷祐喜が胸で押し込んで先制。前半30分にはDFのクリアミスから同点ゴールを奪われたものの、後半9分に右サイドでボールを持った嫁阪翔太の絶妙なスルーパスを走りこんだ岡田優希が合わせて勝ち越しゴール。この1点を小谷・鈴木のCBコンビを中心に守り切り、リーグ戦ホーム3連勝(公式戦4連勝)を飾った。
PICK UP PLAYER 小谷祐喜
セットプレーから値千金の先制点をもぎとった小谷祐喜か喜びを爆発させると、それに呼応するかのようにスタジアム全体が熱狂的な歓喜の渦に包まれた。それは選手・関係者・そして何よりサポーターが最も信頼を寄せる「カピタン(スペイン語でキャプテン)」のゴールだったからに違いない。
「大誠が絶対折り返すと思って中に入った。最後は触るだけでしたし、本当にいい折り返しでした」
試合後に開口一番、アシストの鈴木を称えたのも実に「らしい」振舞いだろう。フリアン監督をして「プロの鏡となる選手」と称される男。常に周りに気を配り、例えベンチ外でも腐ることなくチームを鼓舞し続ける姿勢は、チームの若手・中堅選手たちに大きな影響を与えている。「試合に出てもベンチにいる時も、そして日々の練習でも常に厳しく取り組んでくれていて、それが我々のお手本になっている」と、指揮官からの信頼も絶大だ。
久々の先発起用で結果を出した形だが、本人は反省を忘れない。
「先制点は大きかったと思うけど、失点のところは個人的には反省するところが多い。ただ今年のチームはあそこ(追い付かれて)から点を取れるチームなので、出来るだけ最少失点でとは思っていました」と、冷静に試合を振り返った。
ここまでリーグ戦で3度先発出場した一方で、試合終盤のクローザー的な役割での出場も多い。前節FC大阪戦は終了間際の投入で、プレータイムは1分(+アディショナルタイム)。チーム内で負う役割は決して簡単なものではない。
「確かに簡単な仕事ではないと思う。スタメンでずっと出ている方がもちろんコンディションも維持できるし。ただ、まず僕自身が練習から(スタメン奪取に向け)アピールするのは前提として、90分出させてもらっても先週の試合(FC大阪戦)のように最後に数分でるとしても、やることは変わらないと思う。チームを勢いづけるのが自分の存在価値だと思っているので、それを変わらずやっていく。いつ出てもそれを出来る準備はしなきゃいけないなと思ってます」
淡々とした語り口の中に、プロとしての矜持とチームキャプテンとしての責任が見え隠れする。そんな小谷が笑顔で言及したのが、この日リーグ戦初開催となったロートFでのナイターゲームについて。
「やっぱりJリーグの夏ってナイターだと思うので、Jリーグの舞台でこうやってホームでナイターが出来るのはいいよなぁと。ウォーミングアップの時からめちゃ良い雰囲気で、ここから夏休みに入って子供たちも増えていく中で、ここで勝ってる奈良クラブを見せたい」
と、迫りくる夏に向けての意気込みを語った。次戦は天皇杯にてJ1の強豪・鹿島アントラーズに挑む。鹿島のポポビッチ監督は、セレッソ大阪時代の恩師で、小谷にとってはプロになって初めての監督だ。
「右も左も分からない中プロに飛び込んだ時の監督なんで、ちょっとでも成長した姿を見てもらえたらなと思って戦ってきます。成長したなって言わせたいですね」
自然体で話す姿に、周りの報道陣も自然と笑顔になる。奈良クラブのカピタンのピッチ内外での存在感の大きさをヒシヒシと感じた夜となった。
記事が面白いと思ったら、お気持ちいただけると嬉しいです。
たくさんいただければアウェイ取材も出来るかも?
もちろんいいねやフォローしてもらえるだけで嬉しいです。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?