【奈良クラブ通信】「アグレッシブなプレーを見せてみんな付いてきてくれたら」田村亮介 4/13試合後コメント
GAME REVIEW
2024明治安田J3リーグ第10節。1-2で敗れた9節盛岡戦から中2日でホーム・ロートフィールド奈良に松本山雅FCを迎えた奈良クラブ。過密日程に加え、連敗の悪い流れを断ち切るためか、ムードメーカーのベテラン・都並優太、地元出身の新加入・田村亮介が今季初めてベンチ入りを果たした。
奈良は前半4分に西田恵のゴールで幸先よく先制。後半早々には、右サイドからのクロスを、ハーフタイムに投入されたばかりの岡田優希が押し込み2点をリードした。しかし後半30分に松本に見事なミドルシュートを決められると、その4分後には左コーナーキックから頭で合わせられ、同点に追いつかれた。勝ち点3を目指す奈良クラブは、後半から途中出場した田村や都並が、再三アグレッシブなプレーを見せるが、結局スコアは動かず。今季5度目の引き分けとなった。
10節を終えて、課題を感じるのは失点時間とセットプレー守備の二点。総失点数16のうち、この日の2失点を含め後半30分以降の失点は7(うちアディショナルタイムでの失点は3)と約半数を占めている。リードした展開で終盤を迎えた時の、試合の終わらせ方については、「自分達自身が意識しすぎているのかもしれない」と選手も漏らす様に、メンタルや運の問題でもある。成功・失敗の両方を経験しながら、チーム内で意識を統一していく事が重要だ。一方、セットプレーからの失点は5。こちらに関してはフリアン監督が「セットプレーを強化することはこのカテゴリーで戦うには不可欠。引き続きリーグで戦っていくためには解決策を出さなくてはいけない」と述べるように、個人ではなくチームとして解決していく問題だ。幸いこのタイミングでリーグは1週間の中断に入った。チームとしては様々な課題を洗いだし、選手には心身共にリセットする時間にあててほしいと思う。
PICK UP PLAYER 田村亮介
ファンが首を長くして出場を待ち望んだ男がついに本拠地デビューを果たした。後半31分に西田に代わって右ウイングに投入された田村亮介は、意表を突くヒールパスや推進力のあるドリブルからのスルーパスなど「らしさ」を随所に見せたが、「怪我もあって出遅れたので、チャンスをもらったら結果を残さないといけないと思っていた。そういう意味では足りなかったかなと」と悔しさを滲ませた。
それでも途中出場からひたむきに前を向くプレーは、見るものを勇気づけた。「(同点にされて)みんなガンと落ちてる感じだったので、アグレッシブなプレーを見せて、みんな付いてきてくれたらと思ってプレーしていました」と、自らも役割を自覚している。
地元・奈良市の出身で、幼少期から奈良YMCAに所属していた。「ここ(ロートフィールド奈良)は、小学校のサッカーフェスティバルとかで使ってた所なんで、ここにこれだけ人が集まって、Jリーグの試合をやっているのは熱いですよね…嬉しかったです」と感慨深げに、初の故郷凱旋を振り返った。
チームは勝ち星から遠ざかる中で、自身もようやく今季初出場を果たした。チームとしても個人としても正念場が続くが、「とりあえず(出場は)一歩なんで。これからどう使って貰えるかわからないですけど、いつでも準備は出来ています」と前向きな田村。時に笑いを交えながら、ひたすら前を向く姿は、結果が出ずもがくチームにどういった変化をもたらすか。そして来る日のヒーローインタビューで、ファン待望のフレーズ「田村ですぅ」は飛び出すのか。注目していきたい。
画像提供:株式会社 奈良クラブ