【奈良クラブ通信】「勝ちきれないのが何より悔しい。もっと突き詰めていかないといけない」生駒稀生 3/24試合後コメント
GAME REVIEW
2024明治安田J3リーグ第6節。5節八戸戦で初白星をあげた勢いそのままに、アウェイでの讃岐戦に挑んだ奈良クラブ。1週間に3試合を行う過密日程の中、前節よりスタメンを4名変更。中盤に入った山本宗太朗は今季初スタメンとなった。
先制点をあげたのは奈良。前半21分に左サイドからのクロスのこぼれ球を中島賢星がバックパス。後方から走りこんだ生駒稀生が、ペナルティエリア外から豪快なミドルシュートを叩き込んだ。しかし勝利目前の後半アディッショナルタイム(AT)に、讃岐に同点となるPKを決められて試合終了。1-1で、勝ち点1を分け合う結果となった。
今季ここまで、奈良が先制点を奪った試合は4試合。そのうち、勝利した八戸戦を除く3試合全てで、相手に失点を許し、同点に持ち込まれる結果となっている。リーグ最少失点を記録した昨シーズンは、全38試合中、先制点を奪いながら追いつかれた試合は6試合のみ(うち同点で終わった試合は3試合)だった事を考えると、歯がゆい展開が続いている事が分かる。しかし苦しい試合内容は生みの苦しみだと思いたい。内容は決して悪くないだけに、しっかりと追加点を奪う、しっかりと守り切るという展開に持ち込めれば、自然と勝ち点は上積みされていくはずだ。
PICK UP PLAYER 生駒稀生
寒空を吹っ飛ばすような豪快なミドルシュートだった。今シーズン初得点をあげた生駒稀生は「年に1回あるかないか(のゴール)です。(中島)賢星くんが、綺麗に落としてくれたんで後は打つだけでした」と、満面の笑みを浮かべた。
昨夏にティアモ枚方から期限付き移籍で加わると、シーズン終盤には右サイドバックのレギュラーを奪取。レンタルを1年延長した今季は、ここまで全試合でスタメン出場を果たしている。元来は粘り強い守備や果敢なオーバーラップが持ち味だが、今季はポジショニングへの意識を高めている。最終ラインで組み立てに積極的に関与したり、こぼれ球への反応を意識した攻め上がりや、相手に縦への突破を意識させてのインナーラップなど、オリオールコーチらと相談しながら、意識的に取り組んでいるという。その結果が今節の得点につながったといえるが「大宮戦でもセカンドボールを狙っていた。今年は守備をしっかりした上で、ゴールやアシストの数字も残していきたいと思っている」と、本人も攻撃面での手ごたえと決意を口にする。
一方で最終ラインの一角として、追いつかれた展開には責任を感じている。「勝ちきれないのが何より悔しい。昨年よりも相手に分析されているように感じる。エリアにいれない、エリア内で負けないというのをもっと突き詰めていかないといけない」と唇をかんだ。
昨年は大阪から練習に通っていたが、今年からは奈良に移住した。「最近はカフェ巡りしてます。今年は去年以上に『奈良のために』という気持ちが強くなった」という生駒。攻守に進化を遂げる「薩摩のボルケーノ」が、チーム再浮上のカギを握っている。
画像提供:株式会社 奈良クラブ