今週のリフレクション【だから僕たちは、組織を変えていける(斉藤徹氏)】
今週は、斉藤徹さん著「だから僕たちは、組織を変えていける」を振り返ります。ザックリ3点で要約すると・・
1.社会は工業社会から知識社会に変わり、①デジタルシフト、②ソーシャルシフト、③ライフシフト、の3つのパラダイムシフトが起きた。組織はお金視点から幸せ視点にシフトし、①顧客の幸せを探求し、常に新しい価値を生み出す「学習する組織」、②社会の幸せを探求し、持続可能な繁栄をわかちあう「共感する組織」、③社員の幸せを探求し、多様な人が自走して協働する「自走する組織」、へのパラダイムシフトが必要。
2.学習する組織のキーワードは「顧客の幸せ」と「心理的安全性」。共感のデザイン=①ホールネス、②他者の尊重、③相互の理解、価値のデザイン=①パーパスの共有、②第三案の共創、③安心感の醸成、で実現。共感する組織のキーワードは「社会の幸せ」と「パーパス・ドリブン」。組織は北極星=パーパスで仕事を意味づけ、個人はコーリング(天職)として仕事を意味づける。パフォーマンスは、他者志向型ギバー>テイカー>マッチャー>自己犠牲型ギバー。
3.自走する組織のキーワードは「社員の幸せ」と「内発的動機付け」。①自律性=自己決定。組織分業と成果圧力からシンプル化を目指す、②有能感=フロー体験。最適な難易度の課題を設定する、③関係性=他者との結びつき。自律性とのバランスをとる。学習する組織では「サーバント・リーダーシップ(支援/コラボ)」、共感する組織では「オーセンティック・リーダーシップ(正直/信念)」、自走する組織では「シェアド・リーダーシップ(自然発生/循環)」が効果的。
新型コロナ等の影響もあり、国内の人材流動性は微増に留まっていますが、転職したい人(=転職予備軍)は水面下で非常に増えている、という話を聞きました。なぜ増えているのか?という問いには、リンクトイン日本代表の村上さんが「リモートワークの増加等で、個人が働く意味を考える時間が増えたからではないか」と仰っていました。
書籍に書かれているような大きなシフトは以前から確実に起きていましたが、外部環境の変化によって立ち止まる機会を得て、多くの人が「あれ?このままでいいんだっけ?」と疑問を持ち始めた、というのが現状なのかもしれません。
言い換えると、今までは社内だけを見ている人がマジョリティだったのが、社外に目を向けて自社を社会の中で相対的に見る人がマジョリティになりつつある、ということなのだと思います。相対的に見るということは、視野が広がりメタ認知が進むということになります。そうなると、組織と働く人の関係性も大きく変化していくのが自然ではないでしょうか。
そんな中で、私が大切なキーワードだと思ったのは「自己決定」です。働く人の1人1人が自分で意思決定できる範囲をいかに広げられるか?それが大切なイシューになってくると思います。そのための土台として、組織のパーパス・心理的安全性・OODAループ、そんな概念が必要になってくるように感じました。
人材育成も、①目指す方向を決めるサポートをし、 ②本人の状況を見える化し、③必要なトレーニングを個別に提供する、そんなステップが必要なのかもしれません。①をどのようにやるか?が難しいですが、私は「越境」による相対比較から得られるゆらぎ、がキーワードになるように現状では思っています。まだまだ思考中ですので、継続して考え続けたいテーマです。