今週のリフレクション【任せるコツ（山本渉氏）】

今週は山本渉さん著「任せるコツ」を振り返ります。ざっくり3点で振り返ると・・

1.相手に達成感を与え人を育てる「丸投げ」と、配慮のない自分本位な人をつぶす「丸投げ」がある。任せ方は、①意欲創出（感謝/賞賛/特別感）、②目的の明確化（理由）、③欲求充足（利他的依頼）、④選択肢の提示（断る余白）、⑤負担の配慮（相談余地）がポイント。適性（何ができるか）×意欲（何がしたいか）を意識して、マッチする相手に任せる。

2.任せる前には、日頃から重要度が高く緊急度が低い話を聞いておく。雑談/冗談から相談を受ける。任せた後は、具体的な報告をする。失敗は投資。長い目で見れば、何倍もの成果になる。自分がやったほうが早いは今だけの話。チームの将来を考える。失敗を経験させることがマネジメントの役割。削る部分は削り、断るものは断り、任せるなら、最後まで任せ切る。

3.メンバーのリミッターを外すには、成功体験を見る→つくる→教える。プレッシャーが適度になっているかに細心の注意を払う。最終ゴールは自分が不要になること。育てると任せるがリンクすると最大の効果を発揮する。成長ループまみむめも＝任せる→見守る→報いる→目指す→目的提示。メンバーから教えてもらい、今いる世界から越境し、静かに成果と成長を眺める空気のようなリーダーを目指す。

任せることがなぜ難しいのか？その理由は、自分がやったほうが早い、任せられるメンバーがいない、失敗することができない案件、などなどの様々な理由が考えられます。ただ、これらの理由は全て「今」にフォーカスしています。

「今」にフォーカスすると、自分がやったほうが早いし、任せるメンバーがいないし、失敗することができません。でも、このスパイラルの中にいると、残念ながら、いつまで経っても任せられる状況になりません。

なぜ、いつまで任せられるようにならないか？

それは、人が育たないからです。「今」にフォーカスすると、メンバーに今できる仕事を当てはめることになります。つまり、メンバーを育成する意識が生まれません。繰り返しになりますが、人が育たない限り、任せられる状況には決して好転しません。

そして、人を育てる意識を持つということは、長期目線を持つということです。人は1年では育ちません。逆に言えば、長期目線を持てば、メンバーを育成する意識が生まれ、任せられる状況に向けて前進が始まります。

もちろん、最初は大変です。失敗はあるし、メンバーの理解も得られないかもしれません。それでも長期目線で意思決定をするのがリーダーではないでしょうか。長い目で見て成果を出せるチームに育てるためには、つまり、リーダーの覚悟が必要になるのだと思います。