今週のリフレクション【20字に削ぎ落とせ(リップシャッツ信元夏代氏)】
今週は、リップシャッツ信元夏代さん著「20字に削ぎ落とせ」を振り返ります。ざっくり3点で要約すると・・
1.情報過多では重要な情報の印象が薄れるので、ワンビッグメッセージを20字で語る。自分目線から聞き手目線へ転換するとこで、聞き手は自分事になる。聞き手視点で情報を整理し、エトス・パトス・ロゴスで相手を動かすのがゴール。本当に売るべきは、商品ではなく未来予想図。シンプルかつ具体的を心掛け、簡単・簡潔・簡明にする。成功談ばかりではなく、失敗・不満・初めての体験・欠点を話す。正しさよりも、聞き手の心に寄り添うことが大切。聞き手は誰?聞き手のメリットは?聞き手になぜ自分が話すのか?聞き手にどう行動して欲しいのか?
2.①オープニング(バーン!プロミス、ロードマップ)、②第1ポイントへの移行、③第1のメインポイント、④第2ポイントへの移行、⑤第2のメインポイント、⑥第3ポイントへの移行、⑦第3のメインポイント、⑧終わりへの移行(シグナル、Q&A)、⑨クロージング、の9段階構成。ポイントは3つに絞り、So What?Why So?で確認。ビジネスプレゼンのストーリーは三幕構成。①ストーリーの状況設定、②危機・コンフリクト、③変化の結果得られた新たな状況。人間は感情が先に来て、つぎに理性で判断する。
3.印象は7秒、おもしろさは30秒。オープニングは①ストーリーで始める、②パワフルな質問、③驚きの事実、④引用、が効果的。クロージングは①ストーリー、②引用、③行動喚起、④質問でオープニングと対比させると効果的。相手とつながって感情のキャッチボールをする。ボディランゲージはオープン、目線はスキャン&ストップ。話し言葉で語りかけ、10分を目安に変化をつける。ページングはNG。動きには意味を持たせ、Filler wordはなくす。
研修やセミナーをやっていて、伝えたいことを盛り込みすぎて、結果的に情報がぼやけてしまう反省がよくあります。良かれと思って発信するのですが、情報が多すぎて記憶には具体的なことが何も残っていない・・という悲劇です。
なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょう?
おそらく、①メッセージを伝えたい相手、②その相手の困り事、③相手にとって欲しい行動、がクリアになっていないからだと思い当たりました。「若手ビジネスパーソン」「大企業のマネージャー」くらいの粒度だと、色々と想定が広がって全部乗せみたいな内容になってしまうのだと思います。
書籍にある通り、ワンビッグメッセージに削ぎ落とすには、大前提として聞き手のことを生々しくイメージできており、困り事をリアルに想定できていることが必要なのだと思います。
これは研修やセミナーだけではなく、コミュニケーション全般に言えるのではないでしょうか。小手先のテクニックではなく、相手のことを少しでも理解する努力を怠らないこと。カテゴリーで括ってステレオタイプで思考停止して理解した気にならないこと。そんな当たり前のことを考えさせられました。