今週のリフレクション【元気なチームはリズムで作る(金井 壽宏/橋田“ペッカー”正人/加藤 恭子氏)】
今週は、金井 壽宏/橋田“ペッカー”正人/加藤 恭子さん共著「元気なチームはリズムで作る」を振り返ります。ざっくり3点でまとめると・・
1.戦後〜1990年は作れば売れる時代のため、コストにフォーカス。1990年〜は高付加価値で勝負する時代。日本では、制度ではなく心理的な障壁でイノベーションが起こりにくい。イノベーションとは新結合であり、破壊的イノベーションに直面しており、知の探索と知の深化が必要。イノベーティブな人物は、疑問を持ち、観察し、アイデアを試し、ネットワークを作る。
2.強いチームとは、いろいろな個性を持つメンバーが、チーム内に流れるひとつのリズムで結びついているチーム。一人ひとりが軸を持ち「個」として確立していることが大切。弱い紐帯のほうが、可能性は広がる。お互いのリズムを感じ、チームのグルーヴ感が生まれると、安心感や幸福感からポジティブなアウトカムが生まれる。成果ではなく価値を認め合う、助け合えるチームこそが最強。休み(間)がないチームは疲弊する。
3.リズムとビジネスをつなぐキーワード。①チーム力、②健康、③レジリエンス、④ファシリテーション・マインド、⑤ポジティブ・シンキング、⑥フロー体験。リズムは人を元気にする=アンサンブルがもたらす、ソーシャル・グルーミング。生活にもリズムがあり、リズムを崩すと体調にも影響する。鼓動のリズムを知り、鼓動に合わせて生きる。笑顔はチームにリズムを作る。リズムは見えない大切な資源。
チームに関する体系化されたセオリーや理論があります。これは、再現性を持たせるためのマクロな視点として非常に重要だし、チームとして成果を出すために(失敗を減らすために?)構造として理解する視点はとても大事だと思います。
ただ、チームが人間の集まりである以上、チームの今の状態を「感じる」ということも、等しく大切な気がします。同じチームでも昨日と今日では状態が違うし、朝と夜でも違うかもしれません。それを「観察する」と言われたりします。観察と言われると、チームメンバーの言葉を気にしたり、表情を見たり、行動を確認したりします。こういったミクロの視点は、チームの状況を分析するのにとても大事だと思います。
しかし、その1歩手前に、チームの雰囲気を「感じる」というプロセスが大切なように思います。今朝はなんだか明るい雰囲気だな!今はちょっと緊張感が前面に出ているな・・といった場の雰囲気を身体で感じ、好ましくないのであれば1人1人を観察して、必要な人に必要なコミュニケーションをとっていく。そんなプロセスが良いチームでは回っているのかもしれません。
頭(思考)ではなく、身体(感性)でチームの今の状態を感じる。これが良いリズムのチームをつくる1歩目なのかもしれない、と改めて感じました。