今週のリフレクション【仕事に関する9つの嘘(マーカス・バッキンガム氏/アシュリー・グッドール氏)】
今週は、読書会に参加をしたマーカス・バッキンガム、アシュリー・グッドール共著「仕事に関する9つの嘘」を振り返ります。ザックリ3点で要約すると・・
1.①どの会社で働くかが大事ではなく、どのチームで働くかが大事。チームが実際に仕事が行われる場であり、会社は虚構。②最高の計画ではなく、最高の情報があれば勝てる。計画は世界の動きについていけない。複雑さを取り除くのではなく、現場に直視させる。③最高の企業は目標を落とし込まず、意味を落とし込む。価値観を表明し、儀式と物語を通じて落とし込む。集団としての価値観を誰もが知りたい。
2.④最高の人材はオールラウンダーではなく、尖りが必要。個性はバグではなく仕様。尖りに合わせた運転席をつくる。コンピテンシーは測れない。⑤人はフィードバックではなく注目を求めている。意見せず、感想を伝える。⑥他人の評価はできず、自分の経験しか評価できない。客観性の追求がバグで、主観的評価のほうが的確。
3.⑦ポテンシャルではなくモメンタム(人となり×実績)がある。ポテンシャルは、単にリーダーに似ているかどうか。⑧仕事は悪で生活が善ではなく、仕事に愛を見つける(勤務時間の20%)。世界はn=1。⑨人はリーダーシップではなく、尖りについていく。尖りが未来観を変え、確実性をくれる。
ビジネスにおける9つの定説に対して、アンチテーゼを提唱する構成になっていて、もちろんそれぞれが「なるほど!」な内容なのですが、個人的に一番の気付きは「アンチテーゼ」を考えることの大切さです。
例えば、「ワークライフバランスが何より大切だ」という定説ですが、うっかりすると疑いもせずに受け入れてしまいます。そこには世論によって作り出された大きな流れがあり、大きな流れには異を唱えない日本人の気質もあるのだと思います(私も典型的な日本人気質です)。
しかし、書籍ではワークライフバランスの定説には「ワークが悪」という前提が隠れており、それはおかしいのではないか?まずはワークを善にするのが先ではないか?というアンチテーゼが書かれています。これを読んで、なるほど!と思いました。
しかししかし、このアンチテーゼは労働環境が努力で変えられる前提が隠れており、日本はさておき、欧州(フランス等)のような努力で労働環境が変えにくい仕組みがある場合は、「なるほど!」とはならないかもしれません。
そこから感じることは、全ての意見には発信者の文脈があり、その文脈に親和性が高ければ納得できるし、自分に引き寄せても効果はあると思います。もちろん、ラスト1マイルは自分の文脈への変換は必要になりますが。しかし、発信者の文脈が自分から遠い場合は、かなり遠い地点から自分の文脈への変換が必要なのだと思います。
万人に通用する定説は存在しないので、何かの意見に触れる時は鵜呑みにせず、発信者の文脈を冷静に捉え、自分で溝を埋めながら吸収するマインドセットを持ちたいと思えた書籍と読書会でした。
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