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今週のリフレクション【急成長企業を襲う7つの罠(水谷健彦氏)】

今週は、水谷健彦さん著「急成長企業を襲う7つの罠」を振り返ります。ザックリ3点で要約すると・・

1.メンバーの業績拡大による満足感を高く見積もりすぎる。組織/ジョブ/キャリア/ミッションのどこにコミットしているか見極め、ミッションを策定する。社員数が増加して期待した役割が担えないメンバーが出ても、組織全体に甘えが生じる可能性があるため、成長の努力る要望し続ける。急成長による驕り(選民思想)は、一喝して正す姿勢を明確にする。

2.背伸びをしてオーバートークで優秀人材を採用するフェーズでは、管理職に全体最適/デメリット49%での決断/変化/自責/程度問題(グラデーション)を伝える。ヒラメ型管理職を見抜くため、管理職の目指す姿を明示し、360度調査を評価と切り離し継続的に実施する。有名企業出身者の中途採用では、価値観の共有に力を入れる等、採用戦略を明確に策定する。

3.人間が感情で動くことを踏まえルールを設計することが、急成長企業に必要な組織戦略。長期的な視点を持たざるを得ないルールを導入する。表彰や抜擢の基準を明確に運用してプラスの同調性を生む。外部の視点を定期的に取り入れる。早期離職防止のため、若手にポータブルスキルの重要性を伝え、支援する。葛藤を伴う決断の経験を増やし、リーダーを育成する。任せるべき案件の目利きが上司の役目。

急成長したスタートアップを襲う罠について勉強になりました。人数が少ないうちは価値観の近いメンバーと一緒に働いているので全く気になりませんが、急に従業員数を増やすタイミングでそれまでとは価値観の違うメンバーが増えてきて違和感を感じる、というのはよくある話かもしれません。

もちろん、幹であるミッション・バリュー・ビジョンといった法人としての価値観とのフィットを重視するのは前提ですが、それを徹底しても枝葉の部分では価値観は多様化してきます。それまでのように業績拡大だけではエンゲージメントを高められなくなってきます。

そこで、書籍では「長期的な視点を持たざるを得ないルールや制度の導入」を推奨しています。ビジネスモデルを実現するための長期的な視点を持つためのルールや制度です。ただし、その前提として、変化/安定×中央集権の組み合わせでカルチャーモデルのスタンスを決めないと、空回りする制度になってしまいます。

急成長企業が生き残るための死の谷を乗り越えた後で必要になることは、ビジネスモデルとカルチャーモデルを両輪で考えながら、経営者の考えていれ長期的な視点を人事制度で可視化することかもしれない、と思いました。

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