心配ないさ(ハクナ・マタタ)カーリングMD日本選手権開幕〜五輪チャレンジ生き残りかけ国内18チームが激突
カーリングのミックスダブルス(MD、男女ペアによる混合ダブルス)日本選手権が北海道稚内市で開幕(12月2日に公式練習と会見、競技は3日からで決勝は8日)、日本がまだ果たしたことのないこの種目での五輪出場に向け、2026年にイタリア、ミラノ・コルティナダンぺツォに挑戦できるチームが絞り込まれる。代表候補サバイバルに注目だ。
敦賀信人がアメリカと演じたタイブレークの激闘、映画「シムソンズ」と大人気アイドルグループになぞらえ生まれた「カー娘。」ブーム、ロコ・ソラーレの平昌銅、北京銀の2大会連続のメダル獲得。1998年の五輪初開催からカーリングはオリンピックごとに盛り上がりを見せてきた。
「カーリングをもっとメジャーに、もっと身近に」と願う関係者にとって〝4年ごとではだめだ〟との思いがあるが、それでも4年に1度であっても4人制のカーリングはまだ注目される時があるだけよいのかもしれない。2018年から五輪種目となったミックスダブルスでは日本はまだその舞台に立てていない。2023年の世界選手権で松村・谷田組が銀メダルの快挙を果たしても五輪のときのような熱狂には至らなかった。
男子も女子もミックスダブルスも揃って五輪の舞台に立つことを目指す日本カーリング界、JCA日本カーリング協会は2026年の五輪代表候補決定戦を2025年9月に開催する方針を決めている。MDにおける代表候補決定戦出場資格を満たすラストチャンスが今回のミックスダブルス日本選手権で、世界選手権銀メダルチーム、世界ランク上位チームであっても五輪レースから脱落する残酷なケースが起こらないとも限らない。
前回大会の優勝で代表決定戦への出場資格を満たしているSC軽井沢クラブの山口剛史にとっても日本の五輪出場枠獲得、そして、代表候補決定戦に向けても思いは強い。〝心配性〟だという山口は今回の自分自身へのテーマを「ハクナ・マタタ」と打ち明けた。ミュージカル「ライオンキング」の楽曲、スワヒリ語で「クヨクヨするな」といった意味の「ハクナ・マタタ」。そう日本語歌詞で「心配ないさ」と歌われるあの曲だ。不安に打ち勝ち五輪の舞台に近づくのはどんなチームなのか見逃せない。
ミックスダブルス五輪代表選出方法
日本カーリング協会(JCA)が定めた五輪代表に推薦するチーム選出方法は次の通り。
1)以下のi)〜v)のいずれかを満たすチームが1チームしかない場合、そのチームをカーリング日本代表候補とする。
ⅰ)第17回日本ミックスダブルスカーリング選手権大会優勝
ⅱ)世界ミックスダブルスカーリング選手権大会2024出場
ⅲ)第18回日本ミックスダブルスカーリング選手権大会優勝
ⅳ)世界ミックスダブルスカーリング選手権大会2025出場
ⅴ)第18回日本ミックスダブルスカーリング選手権大会直前(決勝戦開催日の3日前時点)のWCFチームランキング最上位、かつ第17回または第18回日本ミックスダブルスカーリング選手権大会のいずれかにおいて3位以内
2)1)のi)〜v)のいずれかを満たすチームが複数ある場合、2025年9月末までに代表候補決定戦を開催する。出場資格は1)のi)〜v)のいずれかを満たすこととする。
3)不測の事態により評価対象となる日本カーリング選手権大会および世界カーリング選手権大会が開催されなかった場合には、選考方法の見直しを行う。
4)WCFチームランキングの評価方法が変更された場合には、選考方法の見直しを行う。
5)メンバーの変更があった場合には、同一のチームとは認めない。
参)代表候補決定戦出場資格獲得ペア
上野・山口組 ⅰ)およびⅱ)
小穴・青木組 ⅴ)※第17回大会で3位、WCF世界チームランキング4位(日本勢最上位)
【タイトル画像】第18回日本ミックスダブルスカーリング選手権を前に会見の臨んだ前回優勝のSC軽井沢クラブの山口剛史、上野美優、前回準優勝の前田拓海、小野寺佳歩(上手から)。リモート参加者向け画面より