見出し画像

マラソンは〝おもしろい〟〜第44回大阪国際女子マラソン

エデサ2年連続優勝

 第44回大阪国際女子マラソンは2025年1月26日、大阪・ヤンマースタジアム長居発着の42.195キロで行われ前回大会優勝のウェルケネシュ エデサ(エチオピア)が2時間21分00秒で2年連続優勝。2位は中間点過ぎに遅れながら35キロから残り7.195キロを参加選手最速の24分22秒でまとめた小林香菜(23歳、大塚製薬)が自己記録を大幅に更新する2時間21分19秒でフィニッシュに飛び込んだ。3位は昨夏のパリ五輪6位から約6ヶ月の間隔で出場した鈴木優花(25歳、第一生命グループ)で2時間21分33秒だった。

8位入賞者と記録

【結果・入賞者】
1)2:21:00 ウェルケネシュ エデサ (エチオピア)
2)2:21:19 小林 香菜 (大塚製薬)
3)2:21:33 鈴木 優花 (第一生命G)
4)2:24:03 ロナチェムタイ サルピーター (イスラエル)
5)2:26:04 松下 菜摘 (天満屋)
6)2:26:41 鈴木 千晴 (日立)
7)2:27:11 松田 瑞生 (ダイハツ)
8)2:29:28 伊澤 菜々花 (スターツ)

上位3選手のフィニッシュ

2連覇のフィニッシュに駆け込むウェルケネシュ エデサ2時間21分00秒
2位の小林香菜は2時間21分19秒
鈴木優花は2時間21分33秒で3位 目標の自己記録更新は果たしたが…

関連記事〜スポーツ・ウォッチャーnote archives リンク

【関連記事】

上位3選手のコメント〜レース後会見・インタビューから

【上位3選手のコメント】
 優勝したウェルケネシュ エデサ:
 「きょうのレースは良かったと思う。風があったのでタイムは出せなかったが良いレースだった」。
 2位の小林香菜:
 「今回はハーフまで先頭についていくと決めていて、その言葉通りハーフで離れてしまったが、そこから自分のペースで前を見て走っていたら、気がついたら鈴木さんの背中が大きくなっていてラスト1キロで沿道から『いけるよ』と言ってもらえた。その言葉を信じてラストスパートがんばって、思いもしていなかった結果になってとてもうれしい。(この結果については)わけがわからない。実感がわかない」。
 3位の鈴木優花:
 「自己ベストを狙ってこのレースに挑んだ。自分の中では攻めたレースをしたつもりだったが最後の方で足がもたずに崩れてしまって日本人1番でゴールすることもできず非常に悔しい結果だったかなと思う。マイナスには捉えていない。たくさん収穫のある結果だとも思っている。悔しさと体感したスピード感をしっかり練習で活かして、さらに(2時間)19分台だったり、日本新記録に近づけるように精いっぱい頑張りたい」。

※詳細は大会公式YouTubeチャンネルで視聴可能↓

〝おもしろさ〟挑戦する姿勢への考察〜ウォッチャーの感想

【おもしろさをもった中で】

 LIVE配信された会見にもある通り、鈴木優花は五輪から6ヶ月でのマラソン出場の経緯を次のように話した。

 「(最初は五輪後のレースをどうするか決めかねていたが2028年の)ロスに向かう途中で『挑戦してみるのはいいんじゃないか』と山下さん(山下佐知子特任コーチ)の方から声をかけてもらい、マラソンを甘く見ているわけではないが〝おもしろさを持った中で〟レースに挑戦する経験も必要だからというので出場する運びになった」。

 スポーツウォッチャーが感じた鈴木優花の言う「おもしろさ」とはこのあとの質問に答えた「のびのびと記録を狙う」点ばかりではなく、準備期間を含めて「この状況ならどうなるのだろう」とか「今の自分なら何ができるのだろう」だとかガチガチに〝結果こそ全て〟といったものを取り除いたなかで実験的な要素までも含めておもしろがることができることなのかなと読み取った。

 山下氏の「がっつり時間をかけずに」というのも(特に問題を抱えてさえいなければ)早く次の一歩を踏み出したほうがマラソンをむずかしくしてしまうのを防げると考えたのかもしれない。

 小林香菜の無欲の躍進もまたマラソンをおもしろがるとろこにあるのかなと感じた大阪だった。

小林香菜 こばやし・かな プロフィール マラソン全成績

【小林香菜 こばやし・かな プロフィール】
2001年生まれ23歳 群馬県前橋市出身 早稲田大学ー大塚製薬1年目
早稲田大学では体育会競走部ではなくサークルの「早稲田ホノルルマラソン完走会」。

11月の東日本女子駅伝では群馬アンカーで6人抜き区間賞 不破亜莉珠らの声援を受け2位のフィニッシュへ

【マラソン全成績】※スポーツ・ウォッチャー調べ
2021.11.28 富士山マラソン 5) 3:29:12
2022.11.27 富士山マラソン 1) 2:39:54
2023.01.29 大阪国際女子マラソン 21) 2:36:54
2023.08.27 北海道マラソン 11) 2:54:45
2023.11.26 富士山マラソン 1) 2:37:33
2024.01.28 大阪国際女子マラソン 12) 2:29:44
2024.12.01 防府読売マラソン 1) 2:24:59
2025.01.26 大阪国際女子マラソン 2) 2:21:19

追記・関連note 6位鈴木千晴(日立)

【6位鈴木千晴選手のnote】

【掲載・更新履歴・備考】
2025年2月12日…誤字脱字、レイアウト変更、見出など追記
2025年2月13日…残り12.195とあったのを35キロから残り7.195キロに訂正。日本記録新を日本新記録に訂正。ほかに欠落文字、スペースなど修正。
※ペース変化など分析記事追加予定

いいなと思ったら応援しよう!