減らせるリスクと変えられないリスク。リスクを見直す!【Dr. Tのスポーツエクササイズ医学】
こんにちは、DoctorTです。今日はスポーツやエクササイズだけでなくその他にも共通するリスクの考え方についてです。
日常診療の中で、患者さんの「年だから腰が痛いのはしょうがない」といった発言をよく耳にします。年齢や職場環境など自分では変えられないもの、もしくは変えるのが難しいものを体調の悪さの理由に挙げる人は少なくありません。
私はそれで体調を良くしようとすることを諦めてしまうのはもったいないと思っています。それ以外に出来ることがあるのに、それもまとめて諦めてしまっているからです。
リスクファクターとは
病気やケガの原因となる要素をリスクファクターといいます。これにはいくつかの分類があります。内的要因(自分の体のこと)と外的要因(外界から自分の体が受ける影響)、変えられる要因と変えられない要因などです。今回注目したいのは後者です。
変えられるリスクと変えられないリスク
ほとんどのケガや病気の原因リスクには、私達の努力で減らせるもの(modifiable)と、どうしようもないもの(non-modifiable)があります。冷静に考えればわかるのですが、つい混同してしまっているときがあります。
変えられないリスク
年齢、生物学的性別、人種、手足の長さなどの体型、けがをした経歴、持病の有無などです。職場環境は変えられないことはありませんが容易ではありません。
変えられるリスク
体の使い方、トレーニングメニュー、食事、体を動かす生活、体重、喫煙などがあります。また持病も悪化しないように工夫すれば修正可能なリスクの仲間に入れられますね。
修正可能なことに注目しよう!
何かが出来なくなった時、若い時の自分や若い人と今の自分を比べていませんか?過ぎたことは変えられません。
これからの自分に注目しよう!
「何もしなかった場合のこれからの自分と、健康を意識して行動を起こしたこれからの自分」を比べてみたらどうでしょう?
加齢による筋肉の衰え(サルコペニア)
身体が弱ったと諦めて、うちにこもっていませんか?
人との交流もなくなると、ますます脳神経や筋肉の衰えをスピードアップさせてしまいます。本来の加齢による衰えに加え、自分でも動かない環境を作り出して衰弱を加速させてしまっているかもしれません。
でも朗報があります!超高齢者がたった3ヶ月間の適切な筋力トレーニングで筋肉量を増加させたというデータがあります↓
変形性膝関節症
リスクに年齢、女性、肥満、筋肉などの支えが相対的に低い、先天的な奇形などがあります。肥満や筋肉作りが変えられるリスクですね。足が痛いから運動できないと諦めていませんか?水泳もいいですし、椅子に座って上半身の運動もできます。立たない運動でも体重は減らせます!そして座りながら下半身の筋トレをすれば膝への負担を抑えながら必要な筋肉もつけることができます。
腰痛
腰痛は実は複雑で、もちろん体に痛くなるきっかけはあるのですが、さらに心理的なストレスが痛みの感じ方を悪化させることがわかっています。ストレスの原因を減らそうとすることも大切ですが不可抗力なことが多いので、発散する方法に注目してみてはどうでしょう?これは自分でできますよね!
リスクは良くも悪くも単純ではない
人の体は単純ではありません。何か一つすれば問題が一気に解決するわけではありません。でも考え方を変えてみましょう!一発が当たらなくても、いくつかの良いことをこつこつと行えば効果に繋がるのです。
まとめ
リスクには自分の力で変えられるものと変えられないものがある。
変えられないものに執着せず、変えられるものを探そう。
いくつかの出来ることを積み上げると大きなリスク削減になる!
どんなことでもリスクをゼロにすることはほぼ不可能です。それでクヨクヨするより、できることをコツコツ積み上げてリスクの合計を減らしてみてはどうでしょう。変えられないリスクを怖がるのではなく、「その分他のリスクをより多く減らそう」と考えられれば、賢く慎重になれます。リスクを考えて不安になったら、落ち着いて変えられるものがないかを探してみましょう!
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