地域クラブの活性化とは何か。
コロナの緊急事態が緩和されたこの3週間で、下記のクラブ・球団・スタジアム・アリーナ・スポーツコンテンツをアウティング(MSBS独自の現地体験リサーチ)・訪問・エンジョイ体験した。その多くは、MSBS(ミッションスポーツビジネススクール)のゼミ生が、職員・スタッフ・幹部として、働いているチームでもある。ミッションスポーツとしては、スポーツビジネスの課題領域を30(下記、ベースとなる課題設定と3つの軸・参照)設定し、今回の「地域クラブ活性化」は課題14である。
この3週間でアウティング・実証体験・訪問リサーチしたクラブ・チーム・コンテンツ
B3・長崎ヴェルカ(ホーム開幕戦・新チームスタート)
オリックス・バファローズ(京セラドーム大阪)
ラクロス・NeOクラブ(今回は、訪問アウティングではなくMSBS第4期で価値向上施策演習)
横浜Fマリノス(日産スタジアム・ホスピタリティ)
阪神・甲子園(リノベーション)
千葉ロッテ(プロ野球の優位性・特徴を活かしたコンテンツ)
PGA・ZOZOチャンピオンシップ(日本唯一のPGAツアー・今年はアジア唯一PGA開催・習志野カントリー)
(日本ハム)・エスコンフィールド・北海道ボールパークFヴィレッジ
V2・ヴォレアス北海道(旭川をホームとした、理念一貫型のベンチャークラブ)
アイスホッケー・レッドイーグルス北海道(地域の圧倒的アイコンを目指す苫小牧拠点のチーム)
福山シティFC(今回のアウティング訪問ではないですが、アドバイザーとして)
何を見て、何を体験し、何を提案しようとしているか
理念・ビジョン(独自性・ポジションニング)
成長・拡張戦略
大きな課題/可能性・個別の課題/可能性
顧客(地域・ファン・パートナー企業)への提供価値・具体的な施策
ベースとなる課題設定と3つの軸
課題・ビジネス領域別(MSBS独自設定)
レイヤー別(MSBS独自設定)
競技・スポーツ別(MSBS独自設定)
さらに確認・リサーチしている視点・ポイント・切り口
集客
スポンサーシップ・パートナーシップ
(スタジアム・アリーナー内)アクティベーション・プロモーション
(スタジアム・アリーナ外)プロモーション
(スタジアム・アリーナ外)スポンサーシップアクティベーション
メディア・放映
自治体(との連携)
SNS・ウェブ
ファンエンゲージメント
スタジアム・アリーナ
マーチャンダイジング
XX教室・普及活動
アウトソーシング(生産性・外部の力・アイディア)
ホスピタリティ・VIP
長崎ヴェルカ(B3・バスケット:課題14、レイヤー7&9、競技スポーツ3)
記念すべきホーム開幕戦へ。B3チームのスタートとしては、破格の盛り上がり、チームの強さ、地元への波及である。責任企業のジャパネットの準備、リソース投資が素晴らしいものがある。大きな特徴・特筆すべきこと、印象に残ったこと、学べたことは下記4点
地元メディア・地域メディアとの(破格の)連携:
B3チームがスタートした段階で、地元地上波で専門番組「ダンク・ダンク・ヴェルカ」(ちなみに、番組の最後に、なんと、ヴェルカのスポンサー一覧がテロップで流れる。さらに、V・ファーレン長崎も、地上波専門番組(もちろん各地にJクラブやプロ野球の応援番組はあるが)があり、そこでも最後にクラブスポンサー一覧がテロップで流れる)。今回、日曜日のヴェルカ試合は、地上波で生放送した。放送局としては、地元スポーツコンテンツを育てたいが、メディア枠費用・製作費・採算性が求められる。ジャパネットと地元企業やジャパネットの取引先企業が、番組提供することで、番組や中継が成立している。
一等地・ショッピングセンター「みらい長崎ココウォーク」にマーチャンダイジングショップ
クラブの大きな未来像:長崎駅前に建設予定のアリーナ・スタジアム・ホテルなどの複合施設。駅前で、かつ、新幹線延伸予定の好立地での、スタジアム・アリーナを起点とした街づくり。
Jリーグ、V・ファーレン長崎との連携・共同価値向上
サッカーのV・ファーレン長崎も、責任企業がジャパネットということもあり、共同で盛り上げる姿勢・連携が感じられる。「みらい長崎ココウォーク」のスタッフも、ヴェルカの試合日にはヴェルカのユニフォーム、V・ファーレンの試合日には、V・ファーレンのユニフォームを着るとのこと。
試合日には、副知事も挨拶されていた。自治体との連携も好感触。ショーとして、長崎らしい、龍踊りも披露されていた。
ヴォレアス北海道(V2・バレーボール:課題14、レイヤー7&9、競技スポーツ9)
池田社長が掲げる理念・ビジョン・フィロソフィーと一貫性のある施策
ヴォレアスは、「健康的」で「クリーン」であるフィロソフィーに基づき、アリーナの施策や活動も行なっています。
理念との一貫性:応援ハリセンのリユースプロジェクト
街中に、ヴォレアスの、のぼり/バナー、のぼり/バナー、のぼり/バナー(集客・地域エンゲージメント)
理念との一貫性:アリーナで販売している食品も、白砂糖を使っていない、ヴィーガンスムージーなど。黒胡麻スムージー飲みました。お馴染みの蜂蜜も販売(ECでも)。蜂蜜も買いました。血糖値の上昇を抑える。
エスコンフィールド・北海道ボールパークFヴィレッジ(スタジアム:プロ野球・日本ハム:課題3、競技・スポーツ2)
強大な建造物。周辺に、駅、マンション、温泉などの設営し、スタジアムを軸とした街づくり。札幌市内からのアクセスもいい。新庄監督が、このスタジアムに立つのか。ただし、スポーツ関係者に注意したいのは、「やっとこれでアメリカ並みの球場ができる」といった、沖縄新アリーナでも「NBA並みだ」っといった痛いツイートはやめてほしいと思います(出ると思うけど)。このスタジアム建設地で書いてあるように、「世界を驚かすボールパーク」として、同時に、駅やマンションや温泉施設まで併設する、大型・独自プロジェクト。海外では、スタジアムで街づくりをするとか、地価が高騰しているとか、適当な評論家がいますが、ここまでのプロジェクトは稀有です。
レッドイーグルス北海道(アジアリーグ・アイスホッケー:課題14、レイヤー7&9、競技スポーツ15)
とにかく、かっこいいスポーツ。ど迫力のスポーツ。是非、会場で見てほしいスポーツ・アイスホッケー。苫小牧・白鳥アリーナを本拠地に、旧王子製紙グループから、チーム「レッドイーグルス北海道」へ。MSBSでも言い続けていますが、「圧倒的地域ナンバーワンコンテンツ」「地域のアイコン」へ。
地元のタウン誌・情報誌との連携
街中至る所に、ポスター、ポスター、ポスター(集客・地域エンゲージメント)
氷被りシート(独自の企画)
イーグルスのグルメ:E-グル(カレーラーメン、室蘭やきとり(なぜか豚肉))
京セラドーム大阪・オリックスバファローズ(NPB・プロ野球:課題3&14、レイヤー7&9、競技スポーツ2)
京セラドーム大阪・今年、25年ぶりにリーグ優勝したオリックス・バファローズ。京セラドームのアクセスの素晴らしさ(複数駅近く)とマーチャンダイジングを中心とした店舗の広さ、ホスピタリティ・VIP施設の多さ・クオリティが秀逸。
阪神タイガース・甲子園(NPB・プロ野球:課題3&14、レイヤー7&9、競技スポーツ2)
阪神甲子園の
マーチャンダイジングや周辺もリノベーションしたスタジアム・アクセスエリアチェック。スタジアム内以外に、駅からの道に大きなSHOPが二つ。本当に球場の周りが綺麗になってびっくり。
横浜Fマリノス(ホスピタリティ)(J1・サッカー:課題3&14、レイヤー7&9、競技スポーツ1)
トップJクラブのホスピタリティ。いままでは、ビュッフェ型式でしたが、コロナで、QRアプリでのオーダーシステム。日産スタジムのホスピタリティスペースとVIPシート。マネーフォワードデイ。
レイヤーによって、今できること、課題は違う
地域クラブで、チケットの有料化できない、看板もだせない状況のクラブと、J1・NPBなどでは、課題や状況も違います。一括りに、「スポンサーシップは看板とユニフォームだった」とか乱暴な議論かつ事実誤認はよくないです。
持続的に提案し続けていること:『圧倒的な地域のアイコン・地域の象徴コンテンツに』
ミッションスポーツとしても、MSBSとしても、「圧倒的な地域象徴コンテンツに」、「地域のアイコン」にということも言い続けています。もちろん地域に複数のスポーツコンテンツがあってもいい。
東京からの上から目線デジタル会社・コンサル・アクセレーターの”煽り”や”事例屋さん”
NBAのアリーナのVIPは香水スポンサーの香りを出してる、とか、沖縄の新アリーナのVIPルームは豪華だとか、スポンサーシップは露出型から課題解決へ、とか、ちょっと”煽り””評論””事例屋さん”のレベルが気になる。欧米事例の各論を、地域に、上から目線で、講釈しても、その場は、「すごいですね〜、参考になります」と地域クラブの人たちは感謝・敬意を表すが、実際は、「だからなんだったんだろ」のようなパターンが多い。実装には関係なかったりする。
提案1:
提案2:
基本課題設定:
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