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「澤乃井」への旅:日本酒の伝統と魅力

小澤酒造の「澤乃井」酒蔵見学に行って来ました


日本酒を愛する私は、その製造工程を実際に見てみたいという長年の夢を叶えるため、6月23日に東京都心から少し離れた沢井駅近くの酒造所を訪れました。駅に降り立つと、澄んだ空気と共に歴史の重みを感じさせる酒蔵が出迎えてくれました。

駅名標に酒蔵のマークが入っています

新宿から電車で一時間半ほどにある沢井駅の近くに酒造所があります。駅名標に酒蔵のマークが入っているのを見て、地域全体がこの酒造所と深く関わっていることを感じました。

道路から坂道を登って行くと
澤乃井さんの看板が掛かっている蔵が見えてきました

この蔵の前に見学者が集合します。当日は20人程、見学者がいました。
ここで簡単な説明を受けたあと、酒造見学が始まります。
この酒蔵の正式名称は小澤酒造株式会社ですが、銘柄である「澤乃井」の名前の方が広く知られています。そのため、多くの人々に「澤乃井」と呼ばれることが多いのです。酒蔵の歴史は古く、元禄15年(1702年)創業。伝統と技術は代々受け継がれ、地域に根付いています。見学の最初に、蔵のひさしの下にある茶色い杉玉の説明を受け、その深い意味と美しさに感動しました。この杉玉はここでは杉林と呼ばれ、かつて新酒ができたことを知らせるための挨拶として門前にぶら下げられていたもので、その風習が現代にも息づいています

蔵の扉、上に神棚があります

蔵の中に足を踏み入れると、冷たく澄んだ空気と共に日本酒のほのかな香りが鼻をくすぐります。ほとんど光源が無い中、暗闇に包まれた瞬間、盲目になったかのような錯覚に陥りました。しかし、その闇の中でこそ、日本酒の熟成が静かに進むことを知り、神秘的な感覚を覚えました。

創業当時に建てられた蔵を改修し使っています

元禄時代に建てられた元禄蔵は、夏でも22〜25度、冬は0度ほどに保たれています。天井が高く、窓がないため日差しが入らず、日本酒を紫外線から守る役割を果たしています。この蔵では主にろ過と貯蔵が行われ、春先に作られた新酒が静かに熟成されるのです。そして、その熟成された「ひやおろし」は9月になると出荷されます。

見学が進むにつれ、タンクに保存された日本酒や、米の種類、精米の過程についての詳しい説明が続きました。特に、山田錦の精米にかかる時間と工程の複雑さには驚かされました。また、蔵の一角にある日本酒専用のセラー(貯蔵庫)では、適切な温度と湿度が保たれた中で、時間をかけてじっくりと熟成される酒の姿が見られました。

200本以上のタンクがあり、それぞれに番号と内容量が記されています。
山田錦の方が大粒なのがわかります
多くの日本酒が熟成されていました

澤乃井の敷地内には、澄んだ地下水が湧き出る井戸もありました。この水は酒造りに欠かせないもので、蔵の命とも言える存在です。清らかな水が酒にどのように影響を与えるのか、その重要性を実感しました。

蔵の裏手にある井戸に続く洞窟です
パネルの向こうで地下水が湧き出しています

見学後に、利き酒処で様々な種類の日本酒を試飲しました。それぞれの味わいと香りの違いを楽しむ中で、特に大吟醸の滑らかさと深い味わいが心に残りました。

利き酒処
10種類以上の利き酒が出来る

酒造りの職人たちの努力と情熱、そして伝統を守り続ける姿勢に触れ、非常に感銘を受けました。この体験を通じて、日本酒への理解が一層深まりました。これからも様々な酒造所を訪れて理解を深めたいと思います。

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