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好きな詩 高階杞一作『人生が1時間だとしたら』

高階杞一さんの詩『人生が1時間だとしたら』を斉藤倫さんが著書で紹介しています。

人生が1時間だとしたら
春は15分
その間に
ただしい箸の持ち方と
自転車の乗り方を覚え
世界中の町の名前と河の名前を覚え
さらに
たくさんの規律や言葉やお別れの仕方を覚え
それから
覚えたての自転車に乗って
どこか遠くの町で
恋をして
ふられて泣くんだ

人生が1時間だとしたら
残りの45分
きっとその
春の楽しかった思い出だけで生きられる

『高階杞一詩集』(砂子屋書房)

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