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都市と農村の高齢者の比較:作業バランスと生活の質の比較

Urban versus rural older adults: occupational balance and quality of life comparison

Emel Pekçetin 1, Serkan Pekçetin 2, Emine Sağlamoğlu 3, Gamze Ekici 3

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論文の内容

都市部と農村部に住む高齢者の作業バランスと生活の質の比較

この論文は、トルコの都市部と農村部に住む高齢者の作業バランスと生活の質を比較した研究である。  


研究結果

  • 都市部に住む高齢者は、農村部に住む高齢者よりも作業バランスと生活の質が高い傾向があった。  

  • 都市部に住む高齢者は、週に十分な活動量があり、義務的な作業を行うのに十分な時間があり、休息、回復、睡眠に費やす時間に満足していると感じている割合が高かった。  

  • 農村部に住む高齢者は、感覚能力と自律性に関する項目で低いスコアを示した。  

考察

  • 都市部と農村部の環境や社会的な違いが高齢者の作業バランスと生活の質に影響を与えている可能性がある。  

  • 都市部では、医療サービス、レジャー活動、社会的な支援システムが充実しているため、高齢者はより多くの活動機会を得て、社会参加や役割遂行を促進できる可能性がある。  

  • 農村部では、活動機会が限られており、レクリエーション活動が不足し、社会的な孤立感が高まっている可能性がある。  

作業療法士への示唆

  • 農村部に住む高齢者の作業バランスと生活の質を向上させるために、作業療法士は、医療サービスへのアクセス改善、社会参加の促進、時間管理スキルの向上、レジャー活動への参加促進など、特別なニーズを考慮した介入を検討する必要がある。  

  • 作業療法士は、都市部と農村部の高齢者の作業バランスと生活の質の格差を理解し、それぞれの状況に応じた適切な支援を提供することが重要である。  

今後の研究

  • 都市部と農村部の高齢者の作業参加や経験を調査する質的研究や、作業バランスと生活の質の変化を長期間にわたって追跡する縦断的研究が求められる。  

論文の限界

  • この研究はトルコの1つの都市とその周辺地域で行われたため、結果を一般化するには注意が必要。  

  • 疾患の重症度や併存疾患の評価が行われていないため、これらの要因が作業バランスと生活の質に与える影響については明らかではない。  

  • 横断的な研究デザインであるため、経時的な変化を捉えることができない。

PICO形式でのまとめ
P (対象者):都市部および農村部に住む高齢者  

I (介入):居住地の違い(都市部 vs 農村部)  

C (比較):都市部と農村部の比較  

O (アウトカム):作業バランス、生活の質  

研究デザイン: 横断研究  

主な結果:

  • 都市部に住む高齢者は、農村部に住む高齢者よりも作業バランスと生活の質が高い  

  • 作業バランスは、都市部に住む高齢者の方が、活動量、義務的な作業を行う時間、休息・回復・睡眠への満足度が高い  

  • 生活の質は、都市部に住む高齢者の方が、感覚能力と自律性が高い  

結論:

居住地は、高齢者の作業バランスと生活の質に影響を与える重要な要素であり、農村部に住む高齢者に対する作業療法介入の必要性が示唆される  


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