「ドロヘドロ」キャラクター強さランキング

　林田球による漫画、「ドロヘドロ」。みんな読んでますよね。自分の顔をトカゲに変えた魔法使いを探す男、カイマンの冒険を描くスチームパンクファンタジー漫画です。そんな「ドロヘドロ」に出てくるキャラクターの強さをランキングにしました。お楽しみください。

　なお、悪魔やホールくんを入れ始めると彼らがランキングを独占してしまうので、対象は悪魔とホールくん以外としています。

　

※注意　このnoteは「ドロヘドロ」のネタバレを多分に含んでいます。

10位　福山

　魔法使い世界にあるレストラン丹波で働く魔法使いが10位となりました。小柄な優男で見た目通り喧嘩も弱く、ブルーナイトに参加してもパートナーが見つからず、杖の補助がないと魔法が出せない冴えない男ですが、その魔法の内容がランクインたるゆえんです。

　その魔法とは煙をかけた相手を「ミートパイにする」です。一見大したことなさそうですが、煙をかけられたが最後、抵抗する暇もなく頭から体が真っ二つに裂けてミンチになった後、どこからともなく現れたパイ生地に包まれてしまう恐ろしい魔法です。

　一応、修復系の魔法をかければもとに戻るので、パイになる＝死というわけではないようですが、そのパイがつぶれる＝死であり、パイになると身動きが取れなくなるため生殺与奪の権は福山が握ることになります。

　相手を抵抗不可能なパイにするという凶悪な魔法を有していますが、本人のフィジカルとメンタルの弱さは無秩序な「ドロヘドロ」世界では致命的な弱点であり、複数に囲まれて杖を奪われると何もできないという欠点も抱えているため10位となりました。

9位　カイマン(人間)

　本作の主人公である顔がトカゲの大男が9位となりました。サバイバルナイフや包丁など中サイズの刃物の扱いに長けており、片手で人体を豆腐のように切り落とすことができます。また、トカゲ頭で相手の首にかみつきそのままかみ殺すといった粗削りながらもシンプルな攻撃も得意としています。

　既に恵比寿のトカゲに変化させる魔法を浴びているため、他の魔法が重複して効かないといった副産物的な能力も有しています。この能力のおかげで魔法頼りでフィジカルに欠ける魔法使いに対してはほぼ無敵です。

　ただ、得意なナイフ捌きも心にあっさり止められたり、ジョンソンを振り払えないとあっさち負けてしまう場面も多くあります。腕力も決して弱いわけではありませんが、後述の化け物たちに比べると弱め。相手を見たら正面から突っ込んでいくおつむの弱さも欠点の1つです。

　魔法を使うこともできないため、この順位に留まりました。

8位　栗鼠

　十字目組織に出入りしていたチンピラが8位となりました。全身に仕込んだ杭を武器にしており、会川の素早いナイフ捌きを杭で止めたりと身体能力も高め。また、作中の中でもかなり大柄な体格でフィジカルの強さもあります。

　そして、栗鼠といえばなんといっても希少かつ強力な魔法である「カース」が最大の武器です。「カース」は栗鼠が「殺される」もしくは「殺意をもって攻撃される」ことで初めて発動し、発動すると栗鼠を殺した、殺意をもって攻撃した相手に対して反撃する強力なカウンター系の魔法です。

　特に栗鼠が実際に殺された際に発動した「カース」は非常に強力で、心や能井を瞬時に半殺しにし、煙でさえ勝つことができなかった十字目組織のリーダーを殺害一歩手前まで追い詰めています。

　ただ、発動条件が栗鼠自身が「殺される」もしくは「殺意をもって攻撃される」であるため、一度栗鼠が死ななければならない、殺すつもりなく適度にしばかれると無力であるという致命的な弱点を抱えています。また、実際に殺されないと「カース」の攻撃力も上がらないためこの順位に留まりました。

7位　消

　煙の組織の中では一番の古株で、心からの信頼も厚い魔法使いが7位となりました。名前の通り煙をかけた「相手を消す」魔法を使います。どこまで消すかは消の匙加減で、かなり柔軟に操作することができます。
　
　肉体を透明にする魔法であれば、かけた相手を数週間透明のままにすることができ、魔法の持続性は作中でもトップクラスです。自身にかければ暗殺もお手の物で、作中では直接的な描写はありませんでした、煙組織の一員としてそのような汚れ仕事も引き受けていたようです。

　そして、消の魔法の真骨頂は「質量の消滅」です。最大限に煙を人体に吹きかけると肉体が質量を失い魂だけの存在となり、永久に自由落下していくことになります。ホールくんからの体内の脱出方法としてこの魔法が使用されましたが、相手に攻撃の意図を持って煙をかければ殺すよりも残酷な方法で相手を戦闘不能にすることができる強力な魔法です。

　他にも、頭の中に煙を入れれば記憶も消すことができ、汎用性の高さも兼ね備えています。

　前記の福山と異なり肝っ玉が据わっており、常に冷静で状況を理解する能力にも長けていますが、本体が小柄な中年でフィジカルはカスカベ博士やバウクス先生、なんなら13よりも劣っている可能性があるため、強力な魔法を持ちながらも8位に留まりました。

6位　ジョンソン

　ホールに溜まった魔法使いの煙が溶け込んだ排水の影響で巨大化したゴキブリが6位になりました。もとは魔法被害者を誘拐する男のペットでしたが、その男がカイマンによって殺された後はカスカベ博士の改造手術を受け博士の忠実な僕となりました。

　直立した際の身長は悪魔を除けば作中ではトップで、カイマンでさえもジョンソンの前にはなす術なく逃げ回るしかないほどの怪力を有しています。

　また、ゴキブリの基本性能として羽根で空中を飛び回ることができ、六足歩行になった際は、一瞬で一塁から三塁に到達できるほどのスピードを出すこともできます。大きく発達した顎はいとも簡単に人肉を噛みちぎり、部位によっては致命的なダメージを与えることもできます。ゴキブリなので、普通のサイズのゴキブリとの意思疎通も可能です。

　意外にも手先は器用でバウクス先生の誕生日ケーキも作っていました。また、「ショッキング」以外の言語を発することはできませんが、わがままで他人の指示を聞こうとしないカイマンよりも物分かりがよく素直な一面があるため、作戦遂行という点では扱いやすい点も順位を押し上げる要因となりました。

　魔法を出す煙が溶け込んだ排水を浴びたというかなり間接的な影響で姿を変えたため、カイマンのように魔法に耐性があるわけではなく、一定量煙を出すことができる魔法使いには滅法弱いところが弱点です。

5位　能井

　煙の従弟であり、組織の掃除屋で、悪魔試験の受験経験もある怪力女が5位となりました。腕っぷしの強さは悪魔を除けばおそらく作中で最強。いじめっ子をチョップで真っ二つに裂いたりと素手による人体破壊は当たり前。前記の通り、巨大化したゴキブリであるジョンソンを羽交い絞めにして身動きを取れなくするといった芸当も見せており、魔法使い/人間といった枠を超えた怪力を有しています。

　扱う魔法は「修復」であり、それ自体で攻撃することはできません。しかし、この魔法を出す煙が常に自身の体に充満しているため脳天を銃弾で打ち抜かれようが、爆風で半身が焼けただれようが数秒もすれば完治することができます。出すことができる煙の量も非常に多く、正確には分かりませんが、一日中多量の煙を吐き出していた煙にある程度付き合えるほどの煙を吐き続けていました。

　この治癒能力と怪力のコンビネーションを使い、真正面から相手の攻撃を受けながら圧倒的な腕力で制圧する作戦とも言えない作戦で数々の修羅場を潜り抜けています。

　弱点は戦闘狂すぎて上述のように作戦など一切持たずに啖呵きって真正面から突っ込んでしまうところ。この単細胞が災いして何度もピンチに陥っては自分の煙で回復して反撃する、という回りくどいことをするはめになっています。

4位　心

　ホール出身の人間と魔法使いのハーフで煙の掃除屋であり、前記の能井のパートナーが4位となりました。ネイルハンマーというかなりの際物を武器にしていますが、肉弾戦での戦闘能力は非常に高いです。カイマンのナイフ捌きをネイルハンマーでさばき切り、釘抜き部分を首に差し込み片腕の膂力のみでそのまま胴体から切り離すといった離れ業も披露しています。

　魔法自体の攻撃力も高く、煙をかけた「物/人をバラバラにする」ことができます。物にかければそのまま不規則に複数の破片となり、人体にかければ生きたまま体を複数のパーツに分けてしまうことができます。前記の福山の魔法と異なり、煙をかけられた相手はバラバラになった後も意思疎通を図ることができるため、拷問/尋問にも使える汎用性があります。

　ただ、元々煙を出す器官が体の奥の方にあり、カスカベ博士の手術によりようやく指先から出せるようになったため、煙の量自体はそれほど多い方ではありません。

　臓物を引きずりながら元々大柄であるにも関わらず恵比寿の魔法によってさらに巨大化した能井を背負って運ぶ、自分の腕を自ら切り刻んでも顔色一つ変えない等々、雇い主の煙からも気味悪がられるほどの頑丈な体を有しており、防御力/耐久性も非常に高いです。

3位　煙

　煙組織のリーダーであり、魔法使い世界におけるカリスマが3位となりました。その武器は圧倒的な煙の量。一夜にして街ごとキノコに変えるほどの量の煙を出したり、部下を守るため一日中多量の煙を吐き続けたりと例を挙げればキリがありません。

　フィジカルについては描写があまりなく、おそらく平均的な成人男性より少し上程度と思われますが、どんな怪力であろうがどんなスピードを持っていようが瞬時に周囲を埋め尽くしてしまうほどの煙を出すことができるため、明確な弱点とはなっていません。実際に煙にフィジカルで勝るホールくんに操られた心に襲われそうになった時は、瞬時に多量の煙を吐き出し一瞬で心を無力化しました。

　その煙の魔法の内容は、煙をかけた相手を「キノコにする」です。前記の福山のように少し拍子抜けしますが、どんなものであろうと、どんな生き物であろうと無条件にキノコに変えて無力化してしまう強力な魔法であることには変わりありません。

　また、一度魔法をかけた相手の体から遠隔操作型のキノコ人形を作りだす、キノコ型のデバイスを出す、気管支に胞子を送り込んで体内からキノコを生やすとキノコを媒介すれば大抵のことはできる汎用性の高さもあります。

2位　二階堂

　ホールに住む魔法使いでカイマンの親友が2位となりました。後に自分の魔法をコントロールするために悪魔修行を積むことになりますが、それ以前から普通に怪力で、手刀で人体を切断する、ナイフを持っていないカイマンを格闘で圧倒する、能井と対等に喧嘩ができる等、能井と1,2を争うフィジカルを有しています。

　圧倒的なフィジカルの強さだけでなく、「過去に戻ることができる」魔法を使うという点が二階堂をこの順位に押し上げた最大の理由です。修行を積んで煙を最大限に出し切ることで出現した箱を使えば、任意の過去に戻ることができ、自分に不都合な現実を変えてしまうことができます。

　実際にこの魔法を使って最終決戦の結果を大きく塗り替えることに成功しており、まさに無敵の魔法です。ただ、回数に制限があるため1位とはなりませんでした。

1位　カイマン(魔法使い)

　ホールくんに対抗する最終手段として元悪魔たちの悪魔パワーによって魔法使いにされたカイマンが堂々の1位に輝きました。フィジカル等については9位の内容とほぼ同じですが、そのカイマンが魔法を使えるようになったことで作中最強になります。

　カイマンを作中最強にした魔法の内容は、「餃子魔王の杖を出す」です。この文字面だけではわけがわからないと思いますが、巨大な高熱の油に包まれた揚げ餃子を相手にぶつける、巨大な包丁で相手をミンチにするといった強力な攻撃に加え、餃子の皮で盾やヘルメットを作る、羽根つき餃子で空を飛ぶ、旨すぎる餃子で傷ついた肉体を再生させるといった防御/補助/回復も行えるまさしく万能の杖なのです。

　名だたる魔法使いが挑んで敗れたホールくんを相手に圧倒する強さはまさしく作中最強と言えるでしょう。

　「ドロヘドロ」最強キャラクターランキングいかがだったでしょうか。ちなみに壊はホール君と一部とみなして対象外としています。