USで再エネ発電所見学
帰国前にロサンゼルスに一泊している。
仕事でコロラドに行く予定だったのだが、急遽アメリカに来てからアポが飛んでしまって遊びに来ただけになってしまうので、少しは仕事の糧になるようなことをしようと考えた。
USの再エネ発電所見たい
日本は、再エネソース(エネルギー源)として太陽光が主力になっているが適地は少ない。法律の問題で実現難易度が高いが、むしろ風力の方が潜在的なソースがある。
一方でUSは国土が広いことからどのソースも日本よりスケールが大きい。
それを生で見てみたいと思った。
今回の滞在はLas Vegasだったこともあったので、NevadaやArizona、Calforniaには荒野が広がっているのでおそらく巨大な太陽光くらいはあるであろう、と思ってレンタカーで3つの州の境を目指す。
近づけなかったけど遠くにあってもそのスケールがわかるソーラー
Las VegasでRoute15というHighwayに乗って南を目指す。
Mojave砂漠に入るとすぐに見えてきたのは巨大なメガソーラー。
調べるとIvanpah Solarという名の熱交換発電とソーラーのハイブリッド発電所で、約400MWサイズとのこと。稼働10年目で熱交換発電所としては世界最大だそう。
しかし、砂漠の中では横方向の拡がりはわかるが奥行きがわからない。
そこで、地図を見てみたら驚きの形であった。
私は純粋なメガソーラーしか関わったことがないので、熱交換の仕組みがどうなっているのかよくわからないが、どうやら真ん中に塔があって反射鏡が設置されていて、太陽の反射光を地上のパネルに当てているらしい。
熱エネルギーの電力への変換効率って良いのだろうか。。。
帰国後勉強してみたいと思うが、日本だとそれほど馴染みがない熱交換発電所をみれて、しかもそれが世界一というのはとても良い経験であった。
Palm Springsのオバケ風車
メガソーラーの次は風車が見たいと思って、Palm Springsに向かう。
Las Vegasから車で3時間ほど行ったカリフォルニアの南部にある街である。
ここでは一般向けの発電所案内ツアーもあるらしいのだが、今回は移動途中ということもあって、通過だけ。
風車の数がとんでもない数である。
景色としての圧力が強い。
一説によれば3000本以上あるともいう。
しかも、40年間も稼働させ続けてきたらしい。
日本では考えられないし、こんな景色は作るべきではないと思うが、
日米のスケールのあまりの違いに声が出ない。
これに加えてシェールガスも石油も出るアメリカ。
国家安全保障上、エネルギーマネジメントは完璧なわけで、自給率は約95%を超えているわけで、それはパリ協定から外れて独自のクリーン政策をやりたがるわけである。
車もTeslaもFordやChevroletも韓国のKIAもHyundaiのEVが走っている。
アメリカはもう独自の脱炭素戦略を歩み始めているのである。
現地に来てようやくそれが理解できた。
日本は日本ができることを一生懸命やるべき
エネルギー政策は国ごとに比較しても詮なきことである。
地政学的なバックグラウンドが異なるので、一様に評価できない。
しかし、日本が今やるべきエネルギー政策上の脱炭素化のアクションは
やはり 発電、送電、消費の3つの柱で脱酸素化できるものを同時並行して進めるべきなのだと思う。
脱炭素電源を増やし、系統(電線網)を大容量送電できるようにして、無駄な再エネ電力を捨てないように蓄電池を設置して、IHやEV、PHVの導入を進める。
こういうことは机上ですでに多くの専門家が語っていることではあるが、アメリカに来れば日本より先に進んでいる分、未来の日本の姿をより強く感じることができるのである。
再エネ産業に従事するものとして、今回の訪米はとても刺激的で視座を高める経験になった。