文型を学ぶと、英文は予想できる!

 突然ですが、以下の文をみてください。

 $${「彼は私にケーキを奉る。」}$$

 この文の意味は何となく読み取れますか?
 「彼は私にケーキをあげる」のように予想できますよね。実際に「奉る」という個所の意味は「与える」の敬語です。なので、予想通り「彼は私にケーキを与える」という意味となります。

文型によって予想できるのは動詞!

 

 なぜこのように予想できたのでしょうか。その理由は「AにBを~」というフレーズが混じっているからです。
 「私ケーキ」という形になっていますね。
 (ちなみに、「AにBを~」につながる動詞は「授与動詞」と呼ばれます。)

 このように動詞の単語そのものは意味が分からなくても文の内容が理解できてしまうのは、日本語に限らないのです。
 
 英語にもこれは適応できるのです!!

 文型を使って!!


第4文型(SVOO)

 SVOOの文を見ていきましょう。結論から言うと、「とりあえず何か与えたんだな」と予想ができます。
 見やすくするためにSVO$${_1}$$O$${_2}$$と、ここでは表記します。

  • They gave me a present.(彼らは私にプレゼントをくれた。)                                                  S  V  O$${_{1}}$$ O$${_{2}}$$ 

  • My mom bought me a new phone.(母は私に新しい携帯電話を買ってくれた。)                                S    V   O$${_{1}}$$ O$${_{2}}$$

 この2文に共通する点を考えましょう。
 どちらも「O$${_1}$$にO$${_2}$$を与えた」という文意が含まれていることが分かります。
 
 ・私(O$${_1}$$)にプレゼント(O$${_2}$$)をくれた(与えた
 ・私(O$${_1}$$)に携帯電話(O$${_2}$$)を買ってくれた(与えた

 このように第4文型(SVOO)は冒頭の話と直結していますね。
 なので、文構造がSVOOと確定したら、「とりあえず何か与えたんだな」と予想を付けて英文が読みやすくなるのです!


第3文型(SVO)

 残念ながら、SVOは英文の中で、一番よく見かける文型ですが、これといった予想できるものはありません、、、


第1文型(SV)

 結論を言うとSVの文は「~がある状態」と推測できます。

 SVの文を見ていきましょう。

  • The cat sleeps.(その猫は眠っています。)                 S   V

  • She sings.(彼女は歌います。)                            S  V

  • He runs.(彼は走ります。)
    S V

 ここから見える共通点は何でしょうか。
 どれも「自動詞」を使っていることが分かります。
 自動詞とは、主語が動作や状態を行うだけです。他の人や物に影響を与える必要がないということです。
 イメージとしては、主語が自分自身に対して何かを行うかんじです。




 ・・・といっても、だから何?って話です。SVはSVOOほど、文型による力は小さいと思います。その理由は、動詞があまりにも簡単なものが多いからです。 

 もっと具体的に解説します。そもそも、動詞には大きく2つに分類されます。動作動詞状態動詞です。
 第一文型を取る動詞で、この動作動詞は簡単なものが多いのです。(sleep,sing,runなど) 

 逆に、状態動詞に関しては簡単でない動詞も含まれるのです。そこで文型の恩恵を受けられることがあります。それが「~がある状態」と推測することなのです。

  • They reside in a small apartment. (彼らは小さなアパートに住んでいます。)    

 reside(住む)という動詞の意味が分からない時を想定しましょう。動作動詞ではなく、状態動詞だと考えます。
 「彼はアパートの中にいるという状態」と考えるとアパートに住むという訳が予想できるのではないでしょうか!

 こう考えると、状態動詞の恩恵は大きいですね。

 そのため、SVという文型では、困ったときは「~がある状態」と予想すると何かいいことがあるかもしれません!


第2文型(SVC)

 SVCの文を見ていきましょう

  • He is happy.(彼は幸せです。)                               S   V  C

  • The man seems happy.(その男は幸せそうに見えます。)                          S              V        C

  • The flowers smelled sweet.(花は甘く匂いました。)                                  S                  V           C


 結論から言うと、SVCの文はS=Cが成り立ちます
 
 なので、文構造をとってSVCを見つければ、S=Cと予想がつけるのです!


 ・・・というのは有名ですが、be動詞以外にもSVCを取れる同士が存在するのは知らない人も多いのではないでしょうか?
 サラッとseemやsmellを例に挙げましたが、SVCがとれる、その他の動詞も紹介します!S=Cと予測を立てて読むと分かりやすくなります!

  • turn out(なる)・・・The party turned out to be a success.(パーティーは大成功でした。)

  • prove to be(証明する)・・・The theory proved to be correct.(その理論は正しいことが証明されました。)

  • become(なる)・・・He became a doctor.(彼は医者になった。)

  • look(見える)・・・The food looked delicious.(食べ物は美味しそうに見えました。)

  • feel(感じる)・・・The water felt cold.(水は冷たく感じました。)

  • taste(味わう)・・・The cake tasted delicious.(ケーキは美味しかったです。)


第5文型(SVOC)

  • They elected her the president.(彼らは彼女を大統領に選びました。)     S      V           O    C

  • We painted the house blue.(私たちは家を青く塗りました。)                  S     V           O              C

  • He forced his son to study.(彼は息子に勉強をさせました。)                   S   V         O         C

 こういったSVOCの文は 「O=C」 と言われることが多いと思いますが、第二文型とは異なり、意味が若干分かりずらくなることが多々あります。
 
 1,2つ目の例文はわかりやすいと思います。her (彼女)= the president (大統領)、the house (家)= blue (青色)と意味が直感的にわかると思います。

 しかし、3つ目の例文ではどうでしょうか。his son (息子)=to study(勉強すること)というものは意味が通るでしょうか?(そもそも、to不定詞がCになるの?!という疑問はさておき、、、)


 そこで以下のようにSVOCを把握すると、だいぶすっきりと理解できます!


 それは

主述の関係が存在すること

 
 です!


 つまり、「OがCである/をする」 と考えるのです! 
       (「OをCにする」 と考えるのではなく)


 her the president である (彼女大統領である)
 the house blue である  (青色である)
 
his sonto study をする     (息子勉強をする)


 このように主述の関係を意識すると、SVOCの文が非常にわかりやすくなると思います。

 これだけではありません。主述を意識することで、知覚動詞使役動詞をより分かりやすく理解できます!

  1. She saw him   crossing the street.              (彼女は彼道路を渡っている様子を見かけた。)           

  2. His mother made his son   cook his breakfast.     (母は息子朝食を作るようにさせた。)

1の知覚動詞は「OがCする」という表現にしますが、2の使役動詞でもこれが活用してみます。
 ふつう、2の訳は「母が息子に朝食を作らせた」となるはずです。
このふつうの訳「息子に作らせた」と2の訳「息子が作る」を見比べると、後者のほうが見やすいと思います。 


 ここまでやってみると、第五文型はOCがかなり文的に重要な意味を含んでいることが分かってはいただけたではないでしょうか。

  もう少し活用例を見ていきましょう

活用例

 英語学習を進めていくと

  • S V O to do

  • S V O that

の文に出会うことがあります。

 これらの形をよく見ると、SVOC(第五文型)にそっくりじゃないですか?!

  1. He enabled  his son  to eat tomato.(彼は息子にトマトを食べさせることを可能にした。)

  2. Her teacher adviced  her  that she should read books.(先生は彼女に本を読むようにアドバイスした。)

1の文では、が his son , が to eat tomato
2の文では、O が her, C が that she should read books
となります。

OCを主述の関係としてみると、こうなります。

1. 彼のおかげで、息子がトマトを食べれるようになった。
2.先生は、彼女が本を読むべきだとアドバイスした。

 どうでしょうか、OCを主述の関係と意識するだけで、同じ英文でも理解のしやすさが、かなり速くなると思います。

おわりに

 最後までお読みいただきありがとうございました。文型を意識すると、英文は予測どころか、かなり読みやすくなると思います。
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