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世界のバレーボールリーグについて
2023年9月から10月にかけて開催されたワールドカップバレー2023。男女ともに日本代表が世界の強豪を打ち破り、多くの国民に感動を与えたことは記憶に新しいと思います。男子はこの大会でパリ五輪への切符を手にし、女子は残り5枠の世界ランキングでの争い次第で、出場となります。非常に盛り上がったこの大会に加え、国内ではVリーグからS-V.LEAGUEへと変貌を遂げようとする日本のバレーボールリーグについて、他国とのレギュレーションと比較しながらまとめてみます。
S-V.LEAGUEについて
2023年4月、一般社団法人日本バレーボールリーグ機構はS-V.LEAGUE構想を発表しました。
【お知らせ】
— Vリーグ公式 (@vleague_or_jp) April 26, 2023
2024-25シーズンからの
新リーグ構想の発表について
Vリーグは「S-V. LEAGUE」を新設し、ミッションである「強く・広く・社会とつなぐ」を掲げ、2030年までに「世界最高峰のバレーボールリーグ」を目指します。
詳細はこちらhttps://t.co/DcqChtoK2v#Vリーグ #VLEAGUE #バレーボール
発表された構想の参入ライセンス制度については下記の通りです。
![](https://assets.st-note.com/img/1706259603771-js0Tu5cnBB.png?width=1200)
昨年末の会見では、男子14チーム、女子15チームの計29チームがクラブライセンス申請を実施したと発表がありました。
上記ライセンス項目を見ると、現状V.LEAGUEでプレーするチームは企業チーム、クラブチームの両方があり、企業チームについては、将来的に法人化することが条件となります。また、ライセンス条件として、アリーナ要件、売上要件もあり、S-V.LEAGUE参入チームには事業面の強化が求められます。
世界最高峰のリーグとは
S-V.LEAGUEでは事業面の改革はもちろん、大前提にあるビジョンとして、『世界最高峰のリーグ~GO FOR 2030~』を掲げています。
➀世界トップ選手が集まる最高品質のゲームの提供
➁社会課題解決型価値の創造
➂地域・社会とつながるバレーボールコミュニティの創出
上記3つを掲げており、特に競技面で世界最高峰を名乗るためには➀が必須条件になります。
世界最高峰の選手を集めるには、収入面の強化はもちろん、リーグ全体が高い競技レベルであることが求められます。また、チームとしては毎年開催されている世界クラブ選手権で優勝するチームになることも一つの評価指標になるかもしれません。
現在この大会で日本チームの最高順位は、2023年大会のサントリーサンバーズの3位となります。
【 Men's Club World Championship 2023 】
— サントリーサンバーズ (@sun_SUNBIRDS) December 10, 2023
🕛12/10(日)
🆚#ハルクバンクスポーツクラブ 🇹🇷
セットカウント 3-2🔥
世界クラブ選手権において
日本バレーボール史上初のメダル獲得🥉✨✨
たくさんのご声援本当にありがとうございました!!#世界クラブ選手権#サントリーサンバーズ#SUNTORYSUNBIRDS pic.twitter.com/oTzsN1o3Q2
世界のバレーボールリーグについて
現在の世界におけるバレーボールリーグの中心はヨーロッパとされています。特にイタリアのセリエAやトルコバレーボールリーグは世界クラブ選手権でも男女共にトップに君臨しており、ブラジルのスーパーリーガがトップ3に加わることが多くなっています。
日本代表の選手達もヨーロッパでプレーする選手が多く、石川祐希選手はイタリアセリエAのアリアンツ・ミラノに所属しています。
GAME DAY 🔥
— Powervolley Milano (@PowervolleyMI) December 30, 2023
🆚 Valsa Group Modena
🏟️ Mediolanum Forum, Assago
📆 30/12/2023
⌚ 18:00
📺 RAI Sport e https://t.co/E25Q73oSEA#Superlega #MilanoModena#AllianzMilano #ForzaMilano #Pallavolo #Volley #volleyball pic.twitter.com/ZkTv5aoYKC
さらに、インドでも新たにプロリーグが発足する等、今後の世界のリーグ情勢にも動きがみられます。S-V.LEAGUEが世界最高峰と言われるためには、上記のリーグに勝ることが求められるでしょう。
各国のリーグレギュレーションについて
S-V.LEAGUEでは世界最高峰のリーグを目指す上で、外国籍選手登録数、プレー人数(オンザコートルール)の改善、アジア枠を設定することやアジア提携国からの選手については日本人と同様の取扱にする等、日本人プレーヤーを大切にしつつも、世界中から選手が集まり、可能な限り競技力レベルを向上させようとするレギュレーションが設計されています。
今回はイタリアセリエA、韓国Vリーグ、ブラジルスーパーリーガの3つのリーグとS-V.LEAGUEの競技レギュレーションの設計を比較してみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1706259505047-DsauKBoFng.png?width=1200)
➀試合数
開催シーズンや期間は大きな差はなく、どのリーグも基本的には同じです。試合数についてはチーム数が最も多いことが影響していると思いますが、S-V.LEAGUEが44試合と他リーグの中で最も多くなっています。
※構想資料では、今後試合数については更に増加させることが謳われていました。
➁昇降格
強豪リーグであるセリエA、スーパーリーガは昇降格が男女共にあり、開放型のリーグ設計になっています。昇降格の有無についてはそれぞれに善し悪しがありますが、S-V.LEAGUEは昇降格がない設計を選択しており、今後はドラフトやFA等、閉鎖型リーグによく見られる制度が取り入れられることも予想されます。
➂選手登録・出場ルール
S-V.LEAGUEは外国籍選手の出場選手数を26-27シーズンまでは2人、27-28シーズンより3人とする予定になっています。他国のリーグでオンザコートルールがあるのはセリエAで、外国籍選手の人数制限ではなく、自国が選手何人以上という形でルールが設計されています。
S-V.LEAGUEはアジア枠やアジア提携国との連携を進める構想はありますが、セリエAにそこまでのレギュレーションはないようです。
まとめ
世界最高峰のリーグを目指すS-V.LEAGUEですが、レギュレーションを見る限りでは、参加チーム数では他国のリーグと比較しても一番の規模になります。競技設計についても、アジアを次のマーケットに考え、競技力向上を目指すレギュレーションとして、他国より広い視野で見ることができていると感じました。
S-V.LEAGUEは今後各チームにライセンス交付が発表され、正式な参加チームが決定、またそれに伴い選手の移籍なども進むと思われます。各国でのリーグの発展や今後のバレーボール界の動きについても注目していきます。