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コロナを乗り越え自信に。キーワードは「コミュニティ」【実践!スポーツビジネス道場#31】

←第30話

ポッドキャスト番組「実践!スポーツビジネス道場」の文字起こし記事です。

実践!スポーツビジネス道場」は一般社団法人スポーツビジネスアカデミ(SBA)の公式オンラインサロン「THE BASE」が毎週木曜日に配信しているポッドキャスト番組です。
スポーツビジネス界で奮闘する若手ビジネスパーソン、酒井翼さん(東京都社会人リーグ1部所属のサッカークラブ「SHIBUYA CITY FC」でスポンサー営業を担当)が日ごろの業務での葛藤や悩み、アイディアをスポーツビジネス界の第一線で活躍し、SBA代表理事を務める荒木重雄さんに壁打ちし、成長していく様子をお届けしています。


酒井)今までスポンサーシップの話とかグッズに関しての話とか結構テーマに特化してお話をさせていただいたかと思うんですけれども、今回は放送が2021年年明けということになりますので、荒木さんともう…半年ちょっとくらいですかね、色々お話をさせていただく中で、この半年間の会社全体としての振り返りで良かったことまたは改善点とか、僕個人としての改善点などのお話をさせていただきたいなと思っております。

荒木)いいですね!ぜひぜひ。

酒井)その中で荒木さんからぜひフィードバックだとか、もうちょっとこうした方がいいんじゃないか?とかお伺いできればいいなと思っております。

荒木)ぜひ聞かせてください

酒井)まず会社全体からの振り返りから。やはり大きかったのはコロナ禍だったということはスポーツチームに限らずどこの会社もそうだと思うんですが、そのピンチを会社一体となって乗り越えられたということが、良かったことかなと思っております。僕らも当初の事業計画に対してそれこそ4月~5月ぐらいはかなり下がって。あと2ヶ月間売り上げが何もなかったらキャッシュアウトする状況だったので…。かなり大変だったんですけれども、その中でも荒木さんとも結構お話をさせて頂いていた、スポンサードに限らずtoB のところで、僕らのアセットだったりリソースをうまく使ってどうマネタイズしていくかというところで、to B のマーケティングだとかクリエイティブとかで事業の幅を広げて何とかこのピンチを乗り越えていくっていうことができました。
ただ乗り越えただけではなく、乗り越えた経験そのものが会社全体として自信になったかなと思っています。そこはまず今年の一番良かった部分ではあるかなと思います。

荒木)素晴らしいですね。具体的にはマーケティング支援だとかクリエイティブだとかの部分がマネタイズできたっていうことかな?

酒井)そうですね。全体の収支で見るとそこが半分ぐらい占めているので。

荒木)そうだよね。本業以外の所の今言ったようなところって、マーケティングやクリエイティブだって、今後サッカーという本業が伸びていくにあたって持っている経営資源とかに直結するノウハウになってくるからとてもいいですよね。

酒井)僕らとしても J 7に上がったとはいえ、興行で、サッカーチームの運営っていう本丸のところでのマネタイズはすぐにできないかなって思うので、来年度もより広げていけたらなと思っております。

荒木)でも確実に、口で言っているだけではなくて、結果としてJ9からJ8、J8からJ7って夢に描いたものが実現していくっていうこと自体を、いかに見える化して、ストーリー化していくかっていうところが大事かなと思うよね。またすぐ次の目標ですね。

酒井)そうですね。あともう一つやはり大きかったなと思ってるのは、去年からの積み上げで渋谷区内での地場での認知やネットワークはかなり拡大できた中で「SHIBUYA CITY FC」への改称を発表できたこと。また渋谷のまちづくりに関わる方々からポジティブな反応をいただけて、そこから僕らに対する認知だとが広がったこととかは、非常に今年の中では良かったことかなと思っております。
一方で来年に向けての改善点としては、大きく事業面のところで見ると今年が大体粗利の目標で5000万円ぐらいだったんですけれども、あともう少しで到達であと2週間勝負!というところなんですけども。それを来年は倍の1億円を目標に設定しています。目標を1億円にすることに対して考えた時に、今年の5000万円に対して、僕らの動き方とかも相当手一杯になっているのはやっている中でかなり感じるので、その中でどう収益性を持ってきちんと売り上げを立てるかって言うところと、効率性を高めてどうリソースの中でやりくりしていくかっていうところはすごく大きな改善点になっていくのかなと思っています。その中でtoB のマーケティングだとかクリエイティブだとかってところを横展開していくための実績だとか信頼だとか、この辺りはまだまだクオリティの面で僕個人の反省としてでもあるんですけれども、正直やりきれなかった部分もあるなと思っているので、よりクオリティ高く事業の、そもそもちゃんと toB のマーケティングとかクリエイティブのところを実績を作って、そこから紹介してもらえるようにというところが一つを大きくあるかなと思っています。

荒木)逆にそこってクライアントの数が増えてもさばける状態にあるの?

酒井)まさにおっしゃる通りで、今のままだと正直捌けないなと思っています。なので外部のパートナーを巻き込むとか社員を増やすみたいなカタチなのかはわからないですけれども、そこのリソースの確保は同時にやっていかないといけないかなと思っています。
あともう一つはtoCの興行の部分が僕ら今はメインの収益にはならないので、とはいえ、やっぱりスポーツチームとしてどれだけ熱狂的なファンコミュニティを作れるかというところです。僕らのテーマとしてはただ単にサッカーの試合を見る人・僕らのチームをただ応援するっていう人だけでなく、僕らのチームをハブとしていろんなスポーツのアクティビティに参加できたり・一緒にフットサルをやったりだとか、ヨガをやったりだとかそれが渋谷のいたるところで参加できて、それに対しての参加費の収入だとか、それをサブスク型にしたりだとか、それに対してのスポンサードをつけるだとか、そういった形でよりtoC を中心にしつつ積み上がっていく事業っていうのを作っていかなければいけないなと思っています。今あるリソース+誰かしら仲間に入っていただきつつやる形になるかなと思ってるんですけども。そのtoCのコミュニティーをまず作っていくっていうところは来年の課題になってくるのかなと思っています。

荒木)今回のコロナ禍を受けて完全にこれからはよりコミュニティビジネスと言うかコミュニティがキーワードになってくるので、そこの知恵の絞りどこだとほんとに思いますよね。メジャー/マイナーの世界じゃなくなってきてる。元々コロナ禍前からそうだったかもしれないけれど、それがより色濃くなってきているから、逆に誤解を恐れずに言うと、マイナーであればあるほどコミュニティに適していると言うか、上にいけばいくほどライトな人が過半数だけども下に行けば行くほど数は少ないけれども濃度は濃いっていうのがあるので。それをいかに増やすかというところがコミュニティビジネスの観点からいくと、マイナーチームの方が実はやりやすいという側面もある。サッカーそのものを J 1と比べたら、サッカーのレベル低いじゃんって、そこで勝負しても勝てるわけない。でも世の中的にはそんなことは無くて、例えば野球で言えば高校野球はなんであんな人気あるの?って。プロ野球と比べたら全然ダメじゃんっていうのも当然あるし。音楽とかもそうだよねドームツアーするようなアーティストはもちろんすごいけど、全国のライブハウスをツアーしてめちゃくちゃコアなファンがついているインディーズバンドとかもあるし。必ずしもTHEメジャーだからすごいってことじゃなくて、いかにコミュニティビジネスを成立させるかというところで、しかもそれをメインコンテンツでしなくてもいいし。渋谷なので大学とか想像すると分かりやすくて体育会を作るというよりもむしろサークル作るというイメージが強くて、別にテニスサークルってみんながテニスやりたいわけではないじゃん。むしろテニスという名目が必要なだけで実際には集まった人間でいろんなとこ遊びに行ったり合宿したりとかってところに楽しみを見出しているっていうところがあるから。いかにSHIBUYA CITY FC が渋谷の街の中でどうコミュニティのアイコンになっていくかっていうところを演出していくか、それをどうストーリー立てていくかっていうところがポイントになってくるんでしょうね。

酒井)まさにおっしゃる通りかなと思っていて、僕らも2020年にtoCへのフットサル事業を実はかなりやっていて。渋谷の駅すぐのところにフットサルコートがあるのでそこ利用させて頂いていて、週1~週2のペースで割と20代~30代で渋谷で勤務の若い人向けで、仕事後にフットサルしましょうみたいな感じで。結構20人くらい集まってLINE のグループに300人ぐらい入ってくれてっていう感じのコミュニティになっていて。そのコミュニティー自体も単体として価値あるかなと思いますし、そのコミュニティに入っているメンバーの方々がそれこそ先日の優勝決定戦の試合見てくれて、応援してくれて、僕らのSHIBUYA CITY FCを知って応援してくれるっていう送客装置みたいになっている。これを今はそういった若い人や渋谷勤務の人向けでやらせて頂いてますが、もう少しそれを地域の小学生や、ママさん、もしくは高齢者の方がだったりとかもっともっと幅を広げていける可能性があるかなと思っています。

≪第31話 終わり≫

■登場人物
➤荒木 重雄 Shigeo ARAKI

一般社団法人スポーツビジネスアカデミー(SBA)代表理事。
株式会社SPOLABo、株式会社スポカレ代表取締役。2005年に千葉ロッテ球団の執行役員・事業本部長、パシフィックリーグマーケティングの取締役執行役員を歴任。日本サッカー協会(JFA)の広報委員をはじめ、官公庁のスポーツ関連プロジェクトなどにも多数参画。
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➤酒井 翼 Tsubasa SAKAI
2021シーズンから改称&昇格しJ1から数えて7部相当の、東京都社会人リーグ1部に所属するサッカークラブ「SHIBUYA CITY FC」(元TOKYO CITY FC)にてスポンサー営業などを担当。
スポーツクラブで働きながら、1000万円プレイヤーになることを目指し、日々奮闘中。
SHIBUYA CITY FC 公式サイトはコチラ

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日米英に拠点を置き、スポーツビジネス界の第一線で活躍する理事4人が世界の最新スポーツビジネストピックスを発信する「理事会」や、スポーツビジネスの各専門分野に長けたゲストをお招きし、担当理事とのトークディスカッションをお届けする「サロン」など、スポビズパーソン注目のコンテンツを定期的に発信しています。昨今のコロナ禍を経て、オンラインでのコンテンツを強化し、直近のサロンはほぼアーカイブにて配信中!(いつでも何度でもご視聴可能!)
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