米国中間選挙の政治分断化に見える、「情報の偏食化」
こんにちは。昨日は、
世界も注目していたトランプ政治の是非を問う審判とも言える、米国中間選挙がありました。結果は順当に下院を民主党が多数派となりました。
しかし獲得議席数としては、当初の予想よりも共和党が健闘したとも取れる内容であり、米国の世論は共和党と民主党で分断対立が更に深まっているという印象です。
最近の関連報道を見ていても、有権者の不満を煽るポピュリズム的な態度、行動を見せる事で人々の心をグリップして、対立が加速していっているように思います。
特にトランプ大統領は70歳という高齢にもかかわらず、ツイッターを頻繁に更新するSNS使いです。そしてトランプ支持者もまた本人と同じく、既存の主要メディアに対して不信感を持ち、同じ支持者が展開しているポッドキャストなどをメディアで活用しているのだとか。
これは我々がツイッターでも利用するだろう、タイムラインの浄化と同じ寸法ですね。自身にとって気分を害するようなツイートやアカウントはミュートなりで整理して、気持ち良くタイムラインを見れるようにするというものですね。
1か100か、世界各国のポピュリズム、右傾化とやらの傾向を見ても「中道」といったものが無くなり、違う立場を「クレイジー」として攻撃してしまうような傾向を感じますね。
世界がこのように感情的に脆くなって来ている原因の一つは文明の利器であるスマホとSNSが大きく関与しているように思えて仕方がないのです。
日本でも最近よく炎上というものが流行っていますが、SNSのようなコミュニティツールの存在によって逆に感情を扇動させられてしまう、使う側の人間が逆に操られてしまうような状態に陥る危険があります。
実際、トランプ大統領が当選した2017年の大統領選挙ではFaceBookが票の獲得に貢献したという分析も米国ではあると聞きます。
SNS始め、ネットでは情報の質は玉石混淆。中には「ふざけんな!」とむしゃくしゃするようなメッセージもあるでしょう。そして自分に都合の悪い情報源はシャットしようとします。勿論そのような取捨選択によって自身の生活をより良いものにする工夫は必要です。
しかし、自分に都合の悪いものを「フェイクニュースだ!」と、全て断罪してしまうような事が続くと、それこそが今の米国みたいに「自分は普通。それ以外はクレイジー」という分断化を生んでしまう源になるのだと思います。
実はそのような「情報の偏食」がそもそもいつでもSNSにアクセス出来るスマホによって人間がマインドコントロールされた状態にあるのではと思ったりします。
偏った食事を取れば人間の体が破滅するのと同じように、「情報の偏食」もまた同じように避けなければいけないものであり、スマホに「使われる」状態であってはならないと肝に銘じたい次第です。
政治ジャーナリストの田原総一郎氏が以前、「民主主義とは異なる考え、主義を認める事」という趣旨の事を仰っていました。思想や情報に限らず、人間には適度なストレスが必要だと思います。SNSによって思想や情報が全て浄化されてしまい、異なる価値観に触れる事のストレスに耐えられないようになってしまったら、偏見と対立が生まれるのは自明であり、その結果が昨今の世界の分断にも左右しているのかも知れないと考えております。
食事以外でも、何でも偏食をしないように気を付けたいものですね。