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UIデザイナーが産休・育休をとって、仕事復帰した話

こんにちは! デザインチームの久保です。
私には最近2歳になった娘がいて、デザイナーチームの中で唯一の子持ちであり、チーム内では初の産休・育休取得者でした(会社では3人目)。

仕事復帰して1年が経過し、webサービスの正社員UIデザイナーが産休育休を経て出産・育児しながら仕事をするのは可能なのか、ワーキングマザーとして日々をどうやって回しているかなど、あくまで私個人のケースではありますが、少しでも参考になれば幸いです。

そもそも妊娠中は働けるのか

妊婦の体調は個人差が激しいため、妊娠してみるまでわかりません。すごく元気な人もいれば、体調が悪すぎて何も出来ず横たわっているだけでも精一杯という人もいます。1人目は平気だったのに2人目はつわりが酷かったという話も聞くので、こればかりは体質と運だと思います。

私自身はラッキーなことにつわりがほとんどなく、なんとなく気持ちが悪いと思うことは何度もありましたが、つわりで嘔吐したことは一度もありませんでした。ただし、もともと貧血気味の体質に拍車がかかってしまい、しょっちゅう通勤中に倒れていました……。
座ってさえいれば問題なかったので、貧血が辛い日は自宅勤務に切り替えさせていただくなどチームの皆様には柔軟な対応をしていただきました。

デザイナーが所属しているプロダクト開発部は毎週水曜日がリモート勤務日で各々好きな場所で仕事が出来る文化があったため、自宅で仕事が出来る環境は整っていましたし、リモートの会議にも慣れていたので、自宅勤務をしていても不便がなかったのも大きかったです。

また、妊婦だからといって良い意味で遠慮されることもなく、妊娠前と変わらず新規案件を担当していました。当時はAndroidアプリの立ち上げで、今まで作ったことがなかったAndroidのデザイン・XMLのコーディングと身重ではありましたがチャレンジは出来ていたなあと思います。

仕事で特別扱いされることはありませんでしたが、体調が悪くて動けないときなど上述のとおり配慮して頂きました。スペースマーケットではパパ・ママが多く在籍していて、妊娠時の体調不良に理解があり、非常に優しく接してくださって本当に嬉しかったです。
偶然にも奥様が妊娠している状況だったプレパパが多くいたため、比較的元気に過ごしていて全然吐かなかった私に驚いていました。本当につわりには個人差がありますね……。

1年ちょっとのブランクを経てデザイナーとして復帰

育休に入ってからはPCの電源さえほとんど入れないような生活を送っていたのと、日々赤ちゃんと接していたため語彙が貧弱になり、デザイナー以前に社会人としても怪しいレベルになっていました……。そんな状態なのに、進化のスピードが速いWeb業界に何の準備もせずいきなり復帰してもついていけるのか? とすごく心配だったのですが、意外と大丈夫でした。

スペースマーケットではメリットが大きければ新しい技術を取り入れることに躊躇はしないため、育休で不在だった1年ちょっとの間で使用するツールや技術など、大きく変わっていました。デザインツールはSketch がメインになっていましたし(現在はFigma ですが2018年4月当時の話。それまではPhotoshop でした)、デザインの基盤にはAtomic Design(復帰直後は聞いたこともなかった)が採用されていて、Storybookによる管理に変わっている(Styled-Componentsって何?!)などなど。

驚くことはありましたが、新しく変わったことは覚えていけばいいだけなので、特に困ることはありませんでした。それよりも私自身は新しいものが好きなので、純粋に学習するのが楽しかったです。また、復帰直後にいきなり大きな案件から取り組むのではなく、小さい案件からちまちまこなしていたので、ゆっくりデザイナーとしてのカンを取り戻す時間をいただけたのもありがたかったです。

出産後の働き方の変化と、仕事の内容は変わったのか

復帰後の働き方は要相談で、本人が望むならフルタイムでも時短勤務でも選択できますし、個々の生活スタイルによって柔軟に対応してくれます。
私自身は生活のバランスを考えて、6時間の時短勤務として復帰しました。チームのメンバーは大体11時頃出社、私だけ9時半には会社に出社し夕方には帰らなければならないので周囲との時間差が不安でしたが、しっかりコミュニケーションを取ることで特に問題にはなりませんでした。ミーティング等日中に参加できるようにして頂いたりと配慮をして頂いており、たとえ娘が体調を崩して自宅勤務になったとしてもリモート会議で対応出来るのでこちらも問題にはなりませんでした。

仕事の内容も時短勤務だからといって特別扱いされるわけではなく、産前と同様に新規案件にも携わりますし、今までやったことがなかった新しいチャレンジもたくさんしました。俗にいうマミートラックのようなものは存在していませんので(本人が望めばそういった働き方も可能だと思いますが、私自身は希望していないため)、出産後も良い意味で遠慮されることなく働くことが出来て、非常にありがたいです。
とはいえ産前のように時間をたくさん使えるわけではないので、自分自身の時間の管理は厳しくなりました。当たり前のことなのですが、時間は有限だということを、出産してからしみじみと感じています。

復帰後に困ったこと

上述のとおり会社には非常に柔軟に対応して頂いたので、ありがたいことに仕事をする上で困ったことはありませんでした。
ただし、仕事と家事と育児とすべてこなす生活を回すことと、娘の頻繁な病気にはすごく困りました。今はもう慣れてしまったのと娘の身体が強くなったため何も不便はありませんが、最初はやっぱり大変でしたね。

仕事・家事・育児、本当に全部出来るのか

親族が近くに住んでいて手助けが可能であればある程度は全てこなせると思いますが、私の場合は親族が遠方で夫以外誰にも頼れないため、絶対無理だと判断して最初から備えていました。時短家電(ルンバ・ブラーバ・食洗機・ドラム式洗濯機)の導入です。

しかしこれだけでは人手が絶対必用な水回りの掃除や料理などは賄えず、最終的には家事代行(水回りの掃除を週1)へ依頼することで解決しました。
核家族の場合はすべて自分たちでなんとかする以外方法はありませんので、家事の効率化はお金をかけるべきところだと割り切っています。おかげで平日はほとんど家事をする必要がなくて快適です!

ちなみに家事は頑張れば出来ますが、夫婦ともに労力を割くところではないと思っているので、家電と家事代行にお金をかけることに異論はなかったです。ネックなのが料理で、この1年間は週末に作り置きをして対処していますが、もっと楽に出来る方法がないか模索中です。たまに家事代行に依頼していますが、毎週となるとさすがにコストがかかりすぎるので。
基本的には家事をどうするかが仕事復帰の際の大きなポイントだと思います。

保育園に通い始めの子どもは頻繁に熱を出す

保育園の洗礼という言葉をご存知でしょうか。保育園に無事受かったものの、通いはじめた頃は噂に違わぬ発熱ぶりでドタバタしていました。通い始めて2ヶ月経った6月がピークで毎週熱を出してしまい、熱が下がってやっと落ち着いたと思って保育園に通わせたら数日経たないうちに「娘ちゃん38度のお熱です」とお呼び出し。この時期は本当に大変でした。

我が家の場合は夫も自宅勤務が可能なので、娘が体調を崩したら夫婦二人で自宅勤務をしつつ、順番に娘を看ながら仕事をする、という形で乗り切っています。一人だと娘の世話をしながら仕事をするのはかなり困難ですが、二人いればなんとでもなります。

私にも夫にも病気が移ってしまいてんやわんやで日々をギリギリで回していた時もありましたが、夏が終わる頃には娘の体調不良の頻度がぐっと減って、10月は初めて保育園皆勤になり、気がつけば健康がデフォルトになりました。
保育園に通い始めて1年ちょっとですが、現在はもう5ヶ月近く熱を出していません。毎週熱が出ていたことがあったなんて嘘みたいですね…!

単純に運良く病気をもらっていないというのもあるのですが、免疫がついて身体が強くなったというのもあり、病気ばっかりで大変という時期はとりあえず終わったかなと感じています。もちろん突発的に体調を崩すことはありますが、それは大人でも同じことですしね。
ただ周囲を見ているとまだまだ突発的に熱を出す回数が多いという子もいますので、こればかりは個人差と体質、運もあると思います……。

復帰後の1年間を振り返って

思い返してみると、娘が体調不良の連続だった時が心身ともに一番つらかったです……!
1年経って娘の体調も落ち着き、生活にも慣れてきたので、夫に協力してもらって今年から働く時間を少し伸ばすことが出来ました。

仕事と育児の両立は決して簡単ではありませんが、常に仕事にも家庭にもフルコミットしてくれている夫と、元気で保育園に通ってくれている娘、柔軟な対応をしてくれている会社、全力でサポートしてくれているチームの皆様がいてくださり、産前と変わらず楽しく働くことが出来ています。本当に感謝しています。

限られた時間の中ではありますが、私自身子どもがいるからといって自分がやりたかったことを簡単に諦めるつもりはないので、これからも全力で取り組んでいきたいと思っています。

株式会社スペースマーケット
デザインチーム 久保