事前情報の確認不足が招く無意味な対立:ドラクエ3リメイクとロマサガ2リメイクの比較論
巷では、『ドラゴンクエスト3』リメイクと『ロマンシング サガ2』リメイクが対比されている。多くの意見では、『ロマサガ2』リメイクが非常に秀逸である一方、『ドラクエ3』リメイクは期待外れだという論調が目立つ。その主張には理解できるが、率直に言えばこう思う。「そんなこと、遊ぶ前に分かるだろう。バカではないか」と。
まず、『ロマサガ2』リメイクについて見てみる。この作品は、すべてが3Dに一新されている。ダンジョン、街、フィールドまで完全に3D化されており、原作にはなかったアビリティや連携といった新しいシステム要素も追加されている。これにより、システム面での大幅な改変がなされ、原作以上に意欲的な試みが行われているのは明らかである。そして、この革新の上で、ナラティブなストーリー展開という原作の魅力がそのまま楽しめるわけだから、面白いのは当然と言える。
一方で、『ドラクエ3』リメイクを見てみる。見た目は「2DHD」と称される美しいグラフィックに進化しているが、ダンジョンや街、フィールドの表現は2DHD仕様に整えられただけであり、3Dへの大幅な変更とまでは言えない。ここだけでも、『ロマサガ2』リメイクの方がより大きな進化を遂げているのが分かる。
次に、『ドラクエ3』リメイクにおけるシステム的な改変を考えてみる。新しい職業の追加や、戦士や武闘家に特技が増えた点が挙げられるが、それだけである。これらは既存のシステムの枠組みに新要素を加えた程度であり、システムそのものを改変したとは言えない。一方、『ロマサガ2』リメイクはシステム全体を刷新しており、こちらが意欲的な試みであることは明白である。
さらに重要なのは、これらの情報が発売前からすでに公表されていたという点である。つまり、発売前に情報をチェックしていれば、『ロマサガ2』リメイクがどれほど新しくなっているか、『ドラクエ3』リメイクがどのような追加要素を持つかを把握できたはずである。この情報を基に、どちらがより楽しめそうかを判断するのは自明の理ではないだろうか。
それにもかかわらず、発売後になってから「どちらが面白い」と騒ぎ立てるのは、自分が事前情報を確認せず、的確な期待値を設定できなかったことを露呈しているに過ぎない。要するに、自分が「判断力のないバカタレです」と自己紹介しているようなものだ。
この『ドラクエ3』リメイクと『ロマサガ2』リメイクを巡る議論は、事前に情報をしっかり確認しなかった人による無駄な対立である。ゲームが面白いかどうか、面白そうかどうかを判断するためには、事前に情報をチェックし、期待値を適切に設定することが重要である。それを怠った人々が、いまさら声を荒げているだけである。この対比が示しているのは、そうした状況に過ぎないということを、ぜひ理解してほしい。