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ネタバレ:ストレイチルドレンの深いメッセージ

こんにちは。
onion gamesのストレイチルドレンをクリアしました。
まずは”とりあえずクリアした”という段階での感想です。
ゲーム内で収集要素があり、その全てをコンプした上でクリアはできてません。
巷では、収集要素を全てコンプすると真のエンディングが見れるのではないかという噂が出ています。
あくまで1週目の普通にプレイした上での感想です。
必要な情報を全て集めて完璧に考察できているわけでもないです。

ネタバレ要素がどうしてもあるため、私と同じように”とりあえずクリアした”人やonion gamesの開発者などがこの記事を読んでほしいと思います。
まだネタバレしたくない人はここで引き返してください。















はい。ではネタバレしたくない人は離脱したということで、本記事を開始します。


『ストレイチルドレン』 - 死と別れ

序章: ゲームの骨格と哲学的なテーマ

『ストレイチルドレン』は、表面上は一見、異世界を舞台にした冒険ゲームとして広がる物語です。序盤は異色RPG『moon』の精神的な続編、繋がりがあるように進みます。

しかし、物語が進むとその深層には死、再構築、そして別れといった普遍的なテーマが深く刻まれていると感じます。ゲームを進める中でこの世界の仕組みを知り、目の前に立ちはだかる試練に挑みながら、常に「人生」「別れ」を意識させられることになります。このテーマは、ゲームの根底に流れる意識的なメッセージであり、プレイヤーを感情的に揺さぶります。

物語の構造: ループする世界と別れ

『ストレイチルドレン』の物語は、父親の不在からスタートし、敵モンスターとしてのオトナたちの「人生」を軸に構築されており、物語を進める中で徐々にその真実が明らかになります。

ゲームの舞台である「コドモの国」や「牢獄の国」などなど、各地を巡りながら、プレイヤーはこの様々な国に足を踏み入れることになります。

物語が進むとこの異世界が実は何度もループが繰り返されるものであると気付かされます。その中で、プレイヤーは何度もオトナたちの成仏を通じて「別れ」を迎え、最終的に主人公が父親との再会を果たす場面が描かれます。この別れのテーマが、物語の根幹にあることがプレイヤーに強く印象付けられます。

コドモとオトナの関係: 社会的な問題を反映した象徴性

ゲームの中で描かれる「コドモ」と「オトナ」の関係は、非常に象徴的です。コドモたちは、搾取される存在として描かれており、オトナたちはそのコドモを犠牲になんらかのエネルギーを吸い取ったりする存在となっています。この構図は、現実社会の問題を反映したメタファーとも言えるでしょう。しかし、この世界では、単にコドモが犠牲になるだけではなく、オトナたちもまた、死後の世界で成仏できずにさまよい続ける存在として描かれています。彼らは、自分の死を受け入れられず、無意識のうちにその後悔や思想が物語の中で反映されることになります。

この構成は非常に深遠で、死というテーマが物語を支配していますが、その中でループし続ける世界の中で、登場人物たちは死と別れにどう向き合うのかが描かれています。この「死後の世界での迷い」や「社会的な隔離」という側面は、プレイヤーに強い印象を残す要素となっています。

父親の存在とその役割: 死と向き合い、ループを止めようとする苦悩

物語の中心となるのは、主人公の父親です。父親は、ゲームの最初で行方不明となっており、その後、プレイヤーが進んでいく中で徐々にその存在が明らかになっていきます。しかし、驚くべきことに、父親は既に死亡している可能性が高く、ゲームの世界に囚われた成仏できない存在となっていました。彼の記憶の中では、自分が死んだことすら把握しておらず、無意識的にループする世界を止めようとしていたことを覚えているだけでした。

最終的に父親は変貌した姿、双頭のドラゴンとして登場し、主人公と邂逅することになります。父親は、何度も勇者によって命を奪われるドラゴンというループに悩み、世界が再構築されるたびにその痛みを繰り返すことを余儀なくされていました。彼の苦しみと苦悩は、プレイヤーに対して「死後の世界での迷い」や「自分の死を受け入れられない」というテーマを強く意識させます。

父親の死後の姿、そして彼の持つ未練や後悔は、ゲームを通じてプレイヤーに深く響きます。この父親との邂逅を通じて、プレイヤーは物語が伝えようとしている深いテーマに直面することになるのです。

終章: 「お別れ」のメッセージ

『ストレイチルドレン』は、非常に感情的で深いテーマが込められたゲームであると感じました。物語を進める中で、プレイヤーは死や別れ、未練を感じながら、登場人物たちと共に成長していきます。このテーマは、ゲームの進行と共に強く意識させられるものであり、その影響を強く受けることになります。

ゲームが送る「別れ」というメッセージは、ただの物語の結末ではなく、開発者からプレイヤーへの深い想いを感じさせるものです。

結論: 死後の世界、そして「お別れ」のテーマ

『ストレイチルドレン』を通じて伝えられるのは、単なる冒険やバトルではなく、死後の世界と向き合い、別れの重要性を描くテーマです。ゲームが描く「コドモ」と「オトナ」の関係、そして物語の結末は、プレイヤーにとって深いテーマを考えさせるものとなります。収集要素や高難易度がある中で、ゲームが伝えようとするメッセージは非常に強力です。

また、真のエンディングに関する噂も広がっていますが、通常のエンディングですら強いメッセージが込められており、ゲームを通じて開発者からの「さようなら」のメッセージを受け取ったことが、私にとって最も鮮烈でした。『ストレイチルドレン』は、ただのゲームではなく、開発者の何らかの想いが込められた作品であり、物語の進行を通じて、死後の世界における成仏できない存在や別れが深く描かれています。そして、最終的にはプレイヤーに深い余韻を残す作品だと感じます。

以上です。

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