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第5回Splatoon甲子園決勝をチーム編成という戦略観点で見てみよう

本記事は2020年8月16日に開催された第5回Splatoon甲子園決勝トーナメントを記録したものです。

チーム編成にスポットを当ててどのように対応してどこが勝ち上がってきてるのかをまとめます。こういう風に見ている人がいるんだ、こういう見方があるんだ面白いなと思ってくれれば幸いです。

なるべく起きたことをそのまま事実としてまとめてますが、出場者の目線では実情は違うなど他の人の意見や主観を否定するものではないことは最初に断っておきます。

こういう風に見えたんだなーぐらいの緩い気持ちで参考にしてください。


前提知識としてのこれまでのSplatoon甲子園でのテンプレ編成

・塗りも対面もできる前衛3名+中後衛1名

・予選で最適解と見られた編成はL3、L3D、バケデコ、エクカス

→予選後、L3系で擬似確しにくくなる、イカスフィアが弱体化などの環境の動きが起きていた

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決勝トーナメント表

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決勝のチーム編成で注目のポイントは

・王道の最適解と思われている編成が中心になるのか
・最適解編成にメタ対応をしてきた編成はあるか(特にL3とL3Dに対して)
・ver2.2.Xでイカスフィア弱体化など環境がやや変わったが、甲子園編成に影響はあるか


準々決勝第1試合 たぴおかよもぎあいす VS 〆る者達

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両チームともL3やL3Dにメタ対応しやすい防御が堅牢なキャンソレを採用。

王道の最適解編成に対するメタ対応編成同士が激突する形に。

キルではたぴおかよもぎあいすチームが押していたが、〆る者達チームが残り30秒の駆け引きでキルからの人数差を生み出したり、スペシャル発動(カーリングボムピッチャーなど)でタイミング良く塗り返したりなど試合巧者ぶりを発揮し勝利。


準々決勝第2試合 GGBoyz VS Another

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王道の最適解編成を世界王者GGBoyzチームは採用。

対するAnotherチームは塗りが得意な前衛1名+自由編成1名+キルが得意な中後衛2名の変則的なチームを中心に採用

王道の最適解編成と塗りが得意な前衛1名+自由編成1名+キル専念中後衛2名の変則編成の対決となった。

コンブ戦ではAnotherチームのバケソーダやスプスピが刺さり、GGBoyzチームの対面の射程の長さでやや劣るシマネ2枚構成が裏目に出たか。

アンチョビット戦ではGGBoyzチームのジェットパック封じにスココラがマークしてジェットパックを撃ち落とす役割を担う。L3Dに対してスココラでメタ対応をする形に。

GGBoyチームの編成を読んで対応しやすい編成へと戦略的に対応したAnotherチームが勝利する形となった。(Anotherチームがチャージャーを選んだのもこの試合のみ。)


準々決勝第3試合 四神乱舞 VS Crown Hunt

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四神乱舞チームは独創性のある前衛3名中後衛1名のチーム編成を選択。

Crown Huntチームは王道の最適解編成に近いものを選択。

チョウザメ戦ではCrown Huntチームがキルでは押していたが、残り30秒の駆け引きでスペシャル発動(マルチミサイル、スーパーチャクチ)を合わせ瞬間的に大量に塗り返した四神乱舞チームが勝利。

海女美戦では中盤まではCrown Huntチームがキルで押していたが、四神乱舞チームのシマネのキューバンボムピッチャーを契機に押し返し、そのままの勢いで四神乱舞チームが逆転勝ち。

キルなど対面では王道の最適解編成の方が押していたが、試合中の戦術の妙で四神乱舞チームが勝利を引き寄せた例だった。


準々決勝第4試合 えびチリソース VS どんぐりーず

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両チームとも王道の最適解編成チームを少しだけアレンジした前衛3名中後衛1名のチーム編成を選択。

チョウザメ戦は押されていたどんぐりーずチームが諦めずに残り30秒で3キルで一気に覆し逆転勝ちを収める。

ザトウ戦では中盤からキルで押して優勢だったえびチリソースチームが残り30秒で4キルを与え、そのまま押し切って勝利。

海女美戦ではジェットパックの優劣の差が勝敗に繋がり、よりジェットパックで打開できたえびチリソースチームが押し切って勝利。

この試合では両チームの編成が王道の最適解編成に近いものを採用してたため、チーム編成からの戦略の影響はあまりないものとなったと考えられる。


準々決勝が終わった時点で勝ち上がってきたチームの編成は

・最適解編成に対するメタ対応編成チーム
・塗りが得意な前衛1名+自由編成1名+キルが得意な中後衛2名の変則的なチーム
・独創性のある前衛3名中後衛1名のチーム
・王道の最適解編成チームを少しだけアレンジした前衛3名中後衛1名のチーム

という構成になり、勝ち上がってきたチームでは王道の最適解編成は少なくなった。

また、イカスフィア持ちを使うチームがやや減り、特にバケデコを使うチームが激減した。バケデコの代わりなのかパブロ系やバケソーダ、ヒッセンを使うチームが出ている。

残り30秒の終盤で塗り返し・押し返しをボムピッチャーやスーパーチャクチなどスペシャルで行うチームが出ており、以前よりイカスフィアの存在感が薄くなった傾向。


準決勝第1試合 〆る者達 VS Another

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〆る者達チームはL3やL3Dにメタ対応しやすい防御が堅牢なキャンソレを採用。

Anotherチームは塗りが得意な前衛1名+自由編成1名+キルが得意な中後衛2名の変則的なチームを中心に採用。

コンブ戦、〆る者達チームはシマネ2枚編成を選択。これが裏目となったか、射程で上回るバケソーダやスプスピを相手とした対面が不利となる。そのままAnotherチームが優勢で勝利。

ムツゴ楼戦、フィールド真ん中に陣取った〆る者達チームのキャンソレがAnotherチームのL3D2枚を引きつけつつ要所でカーリングボムピッチャーで爆発的に塗っていくムーブ。そのままの勢いで〆る者達チームが勝利。L3系はキャンソレにうまく対応しにくいという結果になった。

エンガワ戦、Anotherチームが金モデ2枚、銀ノーチラ&クーヒューの変則的な編成を採用。フィールド中央に陣取った銀ノーチラ&クーヒューとの対面に苦戦する〆る者達チームがそのまま押され、Anotherチームが勝利を収める。

バッテラ戦、Anotherチームがスプスピ&クーヒューのキルが強いスピナー編成を採用。フィールド中央を陣取ったスプスピ&クーヒューを中心にキルを取って優勢に押していったAnotherチームがそのまま勝利。

結果的には高い対面性能を持ったブキを中心としたAnotherチームが編成からの戦略面も含めた統合的なところで優勢を作り出した試合となった。

最適解編成に対するメタ対応編成を採用した〆る者達チームはAnotherチームがL3やL3Dを中心にしないチームだったため、あまり刺さらなかった形となった。


準決勝第2試合 四神乱舞 VS えびチリソース

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海女美戦は中盤にえびチリソースチームが3キルで打開に成功、押し返す。残り30秒で四神乱舞チームがクイックボムとタンサンボムの連携で中央を陣取っていたエクカスを1キルすると一気に塗り返し、逆転勝ち。パーマパブロがジェットパックの注意を引いてその隙に他の味方が塗り返すという状況が起きていた。

アンチョビット戦は両チーム拮抗した状況となり、残り30秒の段階でえびチリソースチームが中央をうまく牽制、押し込みに成功し、そのままえびチリソースチームが勝利。地形を利用しながら攻められるバケスロとエクカスのスロッシャー構成が効いた形となった。

エンガワ戦は四神乱舞チームが優勢のまま進み、残り30秒で3キルを達成した四神乱舞チームがそのまま勝利。

チョウザメ戦は四神乱舞チームが優勢のまま進み、残り30秒で3キルを達成した四神乱舞チームがそのまま勝利。

四神乱舞チームの黒スクスロとパブロ系が刺さり、えびチリソースチーム側は直線的な射線の前衛と撃ち合いやすいパラソレが対面上のミスマッチを起こし、あまり目立てないという状況が起きたのが違いとなったか。


準々決勝が終わった時点で勝ち上がってきたチームの編成は

・塗りが得意な前衛1名+自由編成1名+キルが得意な中後衛2名の変則的なチーム
・独創性のある前衛3名中後衛1名のチーム

と王道最適解編成に近い編成は姿を消す。

圧倒的なキル性能を持つスピナーで中央を制するチームと、独創性のある編成で対面のミスマッチを産み終盤で強かに爆発力を出すチームが勝ち上がった。


決勝 Another VS 四神乱舞

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ザトウ戦は強力なスピナーとバケソーダで相手に有効な打開策を与えず押し込んだ形でAnotherチームが勝利。

コンブ戦は四神乱舞チームが序盤を制する。アーマー付与されたバケソーダとスプスピの攻勢でAnotherチームが奪い返す。そのまま優勢を譲らずにAnotherチームが勝利。

バッテラ戦は互いに譲らない拮抗した状況が続いたが残り30秒で相手陣地へ抜けたバケソーダが決め手となり、Anotherチームが勝利。

結果的には射程で上回るAnotherチームが戦略的に優勢に立ち、そのまま押し切った形となった。

Anotherチームが第5回Splatoon甲子園の覇者となる。

また甲子園優勝チームで初めて塗りサポートを得意とする短射程のわかばがいる編成となった。

チーム編成の観点でも塗りが得意な前衛1名+自由編成1名+キルが得意な中後衛2名の変則的なチームと、今後の甲子園の編成の可能性が広がった一枚上手の編成だった。


第5回Splatoon甲子園決勝のチーム編成という戦略はどういうものだったのか?

・王道の最適化編成は古い情報だった。
・環境が変わったことを受け止め、チーム編成の進歩を進めたチームが勝ち上がってきた。
・前衛3名+中後衛1名のスタンダードを破って、新しい編成の可能性を生み出したチームが優勝した。
・王道の最適化編成へのメタ対応編成はあまり発揮される場がなく、全体的には環境に合わせた新しいチーム編成が活躍した。
・個性的な編成を採用するチームが多く戦略観点では非常に見応えのある大会となった。
・Ver2.2.Xで環境が代わり、イカスフィアの存在感が薄くなり、残り30秒で死なないスペシャルよりも残り30秒で状況を覆す・押し切るスペシャルの方が結果的に目立った。(マルチミサイルやボムピッチャー、スーパーチャクチなど)


まとめ

チーム編成という戦略は終わってみれば違いを生み出す重要なものとなった。

ハイレベルな練度・実力を持つ者同士の戦いでは、ブキ性能と環境を理解・利用したチーム編成の優劣や相性が結果的には大きな影響となったように見える。

常に歩みを止めず、環境に対して最適な戦略を模索し続けるのは重要だと示された大会となった。

新型コロナの影響があり、いろいろ大変だった出場者や関係者もいたかもしれない。みなさんお疲れ様でした。お体に気をつけて。


見方の一例としてチーム編成という軸で戦略がどうなっているかどう違いが出たか分かる・参考になった、面白かったなどの影響を与えられたら、筆者冥利につきます。

ここまで読んでいただきどうもありがとうございました。

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