Splarate リリース5日目のご報告
Splarateの開発者です。今回のnoteでは、個人向けとして再スタートしたSplatoon3向け外部レーティングサービス「Splarate」について、いただいたご意見への回答や現状の報告、そして今後の展望をお伝えします。内容が長くなりますので、ご興味のある部分を選んでお読みください。
最初にご報告
多くの皆様にご利用いただいたおかげで、5日目の本日ユーザー数が10,000に到達しました!遊んでいただきありがとうございます!
その他の数字も掲載しておきます。(2024/08/23 21時前後時点での情報です)
総マッチング数…4,248回
一度以上対戦に参加した人数…6,666人
開発の経緯 - 2年前と何が変わったか
2年前、Splarateを初めてSplatoon3向けの外部レーティングサービスとしてリリースしました。当時はSplatoon2のガチマッチの仕様を踏まえ、「固定チームでのレーティング」を提供しましたが、参加者の減少により運用を終了しました。(参考: https://note.com/splarate/n/nf2e5f2664ad3)
Splatoon3では、Xマッチ(ガチマッチ)の仕様が大きく変更されました。多くの方がご存知の通り、編成は武器グループで分けられ、3-2で勝ち越せばレートが減ることはないというシステムです。
これらの変更を受けて、個人向けのレーティングシステムの必要性を感じ、現在のSplarateの開発に至りました。
想定よりうまくいっていること
まず第一に、皆様のおかげで想定よりも早い段階で、多くの方に利用していただいていることが挙げられます。この点については感謝の気持ちでいっぱいですが、同時に現在の規模は遅かれ早かれ到達すべき地点であり、想定よりも早く到達できたに過ぎないと考えています。つまり、まだ道半ばだと捉えています。
それとは別に、この項で触れたかったのは、マッチングと対戦の体験についてです。正直なところ、私はユーザー同士をマッチングさせる仕組みの専門家ではありません。様々な反応を見ながら修正を行い、随時調整を行なっているひよっこです。そんな未熟なマッチングシステムだとしても、「同じ8人で敵味方を変えながら」「味方の武器を見て武器を選んで」対戦するだけで、こんなに白熱する試合の回数が増えるということが一番の驚きでした。振り返ってみると、Splatoon3発売時点で個人向けにしていたほうが良かったかもしれません。
今後の方針
様々な方から多くの要望やご意見を頂戴しており、中にはどうしても両立ができないものもあります。そんな中で、どの意見を尊重し、どういった機能を実装していくのかは非常に判断が難しいと感じています。
皆様から見えているSplarateの現状と、開発者としての捉え方に乖離がある可能性もあります。今後もずっと同じ方針で進めるというわけでは全くないのですが、現時点での機能実装の判断基準や、目指す方向性をお伝えします。
方針
第一の方針は、アクティブユーザー数を増やすことです。現状、21-23時などのゴールデンタイムは比較的人が多く、短い時間である程度良いマッチングを行えていると捉えています。しかし、他の時間帯も含めるとまだまだマッチングに課題があります。どれだけ優れた仕組みがあっても、プレイしてくれる人がいなければ良いマッチングは組めません。そして、良いマッチングによる白熱した試合機会の提供ができなければ、このサービスの価値は大きく失われると考えています。
腕前に関わらず、真面目に、マナーを守ってプレーしてくれる方は大歓迎です。「あと一人近い実力の人がマッチングにいれば、劇的に良いマッチングになっているだろうな」という場面も少なくありません。よって、最優先の方針として、既存ユーザーの定着と新規ユーザーの獲得を目指しています。
機能要望について
まずは、要望をいただいてリリース後に実際に行なった適用済みの改修を簡単におさらいします。
近いうちに実装を検討している機能
以下の2点は近いうちに実装を検討しています(確約ではありません。ベータ期間に間に合うか間に合わないか、というくらいです)
対戦中止をした時に、それまでの記録を残してほしい
実装を躊躇っている理由として、これが常態化すると、「同じプレイヤーと敵味方を入れ替えて対戦する」というコンセプトが失われ、一試合で終わりにできてしまう仕組みになってしまう懸念があります。また、レートの計算全体にも悪影響があるため、なるべく発生しないようにしつつ、発生してしまった場合に記録を残せるようにする方法を検討中です。
好きなブキなどを設定できるようにしてほしい
こちらは近いうちに実装したいと考えています。課題としては、画面をごちゃごちゃさせずにうまく表示する方法と、ブキのアイコン画像などの扱い方があります。この機能によって解決される課題は、後述の「チーム内チャットが欲しい」という要望に近く、ブキ選択時のコミュニケーションに利用できる情報が増えることと、プロフィールがより充実することにあります。
実装を躊躇っている機能
このセクションでは、いただいている機能要望に対する回答を記載します。多数のお問い合わせを受けており、また並行して機能開発を行なっているため、全てのメッセージにお返事をすることができていません。申し訳ありませんが、その点ご理解いただけますと幸いです。本投稿の中で、拾いきれていない要望もあるかもしれません。
機能要望全般について、以下のような判断基準で優先度を決めています。
A. ユーザー数が増える(または、すでにプレイしてくれている人たちを定着させる)変更か
B. 使い方が複雑になりすぎないか(よりシンプルな別の方法はないか)
C. 実装コストが見合うか(他により簡単に、効果の出るアップデートがないか)
X. Splarateのコンセプトを壊さないか(前提としてコンセプトを壊してしまう機能は追加できないので、あえてXとしています)
ここから、要望は多いものの、現状実装していない機能について回答を記載していきます。その際、上記の判断基準のうち、どこに引っ掛かっているかを併記していきます。
チーム内チャットが欲しい / 通話機能を実装してほしい(実装の優先度が低くなっている理由: B, C)
チーム内チャットに関しては、当面実装を行う予定はありません。チーム内チャットがあれば円滑に武器の持ち替えができ、より良い編成で対戦ができるというのは理解できます。しかし、ここには以下のような課題があると考えています。
利用のハードルが上がる
リクエスト数は多いのですが、傾向として比較的コアにSplatoonを遊んでいる方からの要望が多い印象を受けています。
ライト層のユーザーも取り込んでいかないと廃れていってしまうと考えており、より簡単に、安心して遊べる方向性を一旦は目指していこうと考えています。
必要以上の摩擦の発生
編成に対する考え方は人それぞれです。「このステージならエナスタ2がいいだろう」と良かれと思ってもったエナスタ武器に対して、「エナスタ被っているので変更してくれませんか?」などのやり取りが発生することが想定されます。
この摩擦を「必要以上」と表現したのは、現状でも「Xマッチと比べて良い編成で戦えている」「拮抗した試合が楽しめる」との意見を多くいただいているためです。
最後に別の観点で、説明を省略しますが、実装が少し大変で、画面もどうしても煩雑になってしまうので優先度を落としています。
ステージ選択をしたい(実装の優先度が低くなっている理由: B, C)
こちらも一つ前の要望同様、比較的コアなプレイヤー層による意見と捉えています。画面が煩雑になる他、ステージ選択を待機する時間が増える結果1マッチの時間が伸び、実質的な延べユーザー数が減少してマッチングに悪影響を与えることを懸念しています。
エリア以外のルールで遊びたい(実装の優先度が低くなっている理由: A)
現時点では一人でも多くの方にプレイしていただき、マッチングの精度を高めることでSplarate自身の価値を高めることを目的にしています。そこで、ルールとしてはガチエリアを選定しています。ユーザー数が増えてきて、どんなルールでも良いマッチングが組めるようになれば、他のルールへの対応も検討するかもしれません。
仮に対応する場合、プレイヤーの分散を避けるため、シーズンごとにルールを変える形を取ることを想定しています。
複数人で対戦したい(実装の優先度が低くなっている理由: A, C)
プレイヤー数自体が同じでも、1チーム4人で参加という形をとると、参加者(参加チーム)数は単純に計算しても1/4以下となってしまい、うまくマッチングが組めなくなる懸念が強いです。2年前のSplarateは4人固定チーム用でしたが、残念ながら廃れてしまいました。これは、この懸念が現実のものとなったことを示しています。Splarateが大規模プラットフォームになった暁には実装したいと考えています。個人的に固定チームは好きなので。
ホスト関係(実装の優先度が低くなっている理由: Bなど)
・ホストを挙手制にして欲しい
・「優先的にホストを行う」設定がほしい
・「ホストを評価する」機能が欲しい
・メンバーで合意の上、ホストの変更を行いたい
といった要望をいただいています。これに関しては何かしらの方法で改善を行っていきたいと考えています。
懸念点としては、使い方が複雑になってしまわないか、という点や、挙手制などにすると妨害を目的としたプレイヤーがホストになりやすくなってしまうことを考慮しています。
X(Twitter)連携を義務付けてほしい (実装の優先度が低くなっている理由: C)
実装コストが直接的な理由ではないのですが、昨今のXの仕様変更によって、大きな実装変更を強いられる可能性があると捉えています。Splatoonをプレイしている方であれば、Switchから画面写真をXに投稿できなくなってしまったことが記憶に新しいのではないでしょうか?同様に仕様変更によって不要な工数がかかる可能性を危惧しています。義務ではなく任意のプロフィールとしてXのIDを設定できる機能は今後実装しようと考えています。
初期レートを1500でなくしてほしい(実装の優先度が低くなっている理由: X)
レート計算アルゴリズムの仕様上、全員が同じレートからスタートする必要があります。
試合回数をこなしていくと近いレートの人同士で対戦できるようになりますので、どうか少し辛抱ください。
今後は初回の人は初回の人と当たりやすくすることや、初回の人のマッチング範囲を狭めることで対応を進めていく予定です。
また、次シーズン以降は今シーズンの実力をある程度反映した初期レートで開始できるようにしたいと考えています。
XPなどを反映した初期レートにしてほしい (実装の優先度が低くなっている理由: X)
これも、一つ前のものと同じでレーティング計算が崩れるため実装が難しいです。また、その他の理由として、妨害を目的としたプレイヤーが高いレートで始められるようになってしまうため、実装は難しいと考えています。
(主に英語の)翻訳が欲しい/逆に海外のプレイヤーを減らしてほしい(実装の優先度が低くなっている理由: C)
海外から利用するプレイヤーの扱いについてもこちらに合わせて記載します。
現状のところ、「来るもの拒まず」の形で進めています。
海外の方が参加されることで、国内のプレイヤーが遊びづらくなるリスクがあることは承知しています。そこには「言語」と「通信のラグ」の二つの要素があります。現状でSplarateが解決できるのは「言語」の要素のみです。(地理ベースのマッチングや、海外の方を別のマッチングサーバーにする、などもできなくはありませんが)
翻訳機能を追加して、「言語」のハードルだけを解消した場合に何が起こるか予測できず、予測できないところに翻訳という大きな工数を割くことは難しいと判断しています。
逆に、海外のプレイヤーの利用を禁止して欲しいとの声もいただいていますが、これに関しても完全な対応が難しいこと、対応した場合の結果が予測しづらいこと、データ上海外のユーザーはそれほど多くないことから、積極的に対応していません。
最後に
多くのSplatoonプレイヤーの方に遊んでいただき、多数の良い反応をいただけたことを非常に嬉しく思っています。また、Xのリポストや配信等でSplarateのことを広めてくださった皆様も含め、本当にありがとうございます。今後とも皆様の意見を参考にしながら運営を続けていきます。よろしくお願いいたします。