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受験生のおはなし

上京して半年がたった。

一年前の今日、受験生だった私は一年後の自分がこんな風にサークルのnoteの記事を大学の課題の合間に書いているなんて想像もつかなかった。

少し受験生のころの話をしよう。

私は関西のとある大学付属の中高一貫校に中学受験を経て入学した。受験理由はいろいろあったし、受験勉強は半分学校の延長線上のようで楽しかった部分もあったが、しんどいことのほうが多く、12歳で合格通知を手にした私は、

「もう受験しなくてもいいんだー」と漠然と思っていた。

そんな私がなぜ、大学受験をしようと思ったのか。なぜ関西ではそこそこの付属校ではなく、東京の大学を目指したのか。そして受験しようと思ったのか。

理由は一つではない。2つのおおきな理由と2つの小さな理由が複雑に絡み合っていると思っている。だいだい聞かれて話すのは大きな理由の2つだが今日は自分の整理のためにもひとつづつ見直していこうと思う。

おおきな理由のひとつ目。「将来の夢のために上京したかった」

私の将来の夢は編集者だ。大手から中小まで東京一極集中といわれる出版社で大学生のうちから修行という名のアルバイトをするためには何が何でも上京したかった。逆に上京できさえすれば、大学なんて正直どこでもよかった。

おおきな理由のふたつ目。「私立の最高峰に行きたかった」

大学なんて正直どこでもよかったと思っていた私と今の大学を出会わせたのは私の母だ。中学から持ち上がりで高校生になりたての5月、東京旅行で三田キャンパスに私を連れていき、彼女はこういった。

「ここが私立の最高峰の大学だよ。どう?」

小学校のころいじめられていた私に小学生向けのファッション誌を手渡して「自分を磨いて戦え」と言ったり、中学受験塾に入れて「学校以外の世界も見てみない?」と言ったり、なかなか破天荒でユニークな母だなとは前々から思っていたが、今回もまんまと母の提案に乗ってしまった。「私立の最高峰」という言葉に惚れた私はその日から心に「受験」の二文字を抱えたまま付属校での高校生活を過ごすことになったのだった。

ちいさな理由のひとつ目。「憧れの人の後輩になりたかった」

そんな高校1年の冬、運命的な出会いをしたのが個人的にはまっていた、Instagramでの慶應を目指すカンダエミリ(Instagramアカウント@t12345vxq)さんという人だった。(彼女は現在現役慶應3年生)当時高校3年生だった彼女のセンスに、考えにそしてユニークさに惚れ、毎日欠かさず彼女のページをチェックしていた私が、ストーリーで彼女の志望校として耳にしたのが、母が私に言ったのと同じ大学名だった。運命だと思ってしまったし、ストーリーで宣言して実際に合格を掴み取った彼女はとてもかっこよかった。そんな彼女の後輩になりたかった。

ちいさな理由のふたつ目。「朝ドラのヒロインになりたかった」

高校3年生になった春、NHKで放送されていたのが永野芽依が主演の「半分、青い」だった。私が高校側に外部受験をする手続きをする、つまり大学受験をするか否かの最終手段が迫った週に、永野演じる楡野鈴愛が漫画家を目指して上京した。彼女が泣きながら家族に別れを告げ、東京で出会う新しい仲間と過ごす姿を見て、「私も、こうなりたい!」「朝ドラのヒロインみたいな人生を過ごすには18での上京は欠かせない!」と思ってしまったのも間違いなく理由の一つだ。

そんなこんなで理由は出そろい、準備もとんとん拍子に進み、気が付けば受験当日を迎えていた。ここまで走りきれたのは4つの理由がすべてわくわくするものだったからだろう。

受験生時代の話もまたどこかで出来たら、ね。