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「社員の幸せ」を実現するメリットと、その為に押さえるべきポイントとは?(前編)

こんにちは、株式会社スペサンの植松(@spkensuke)です。
今日のテーマは幸せです。

人は幸せになるために生まれてきた

そんな言葉があるほどに、我々が生きる上で「幸せ」というのは非常に重要なテーマですよね。
幸せについて考えるにはいろんな切り口がありますが、弊社では「社外CHO(Chief Happiness Officer)」事業と言って、クライアント企業さんの社内の幸福度を高めるサポートをしていますので、今回のnoteでは、従業員の幸せを追求することに、どんなメリットがあるのか?どうすればそれは実現できるのか?という観点から考えを書いていきたいと思います。

先にお伝えしますと、社員の幸せを実現すると、仕事のパフォーマンスが上がり、事業が成長しますよという魅力的なお話になっております笑。
ご興味を持たれた方は、ぜひ最後まで読んでもらえたら嬉しいです!

と、勢いよく書き出したら意外と長くなってしまったので、前後編に分けることにしました笑。よろしければ、後ほど後編もお楽しみください!

幸せな人は仕事もデキる?

今回は「社員の幸せ」がテーマなので、幸せと仕事のパフォーマンスの関連性は気になるところです。
経営者の目線で言えば、社員の幸せを実現するのは良いけど、その努力に対する見返りはあるのか?というのは気になります。そういう言い方は幸せから遠ざかっている感じがしますが笑、投資対効果は意識しますよね。
逆に社員の目線では、もちろん幸せに働けることは嬉しいと思いますが、仕事での幸せって、出した成果に対して与えられる報酬だったり地位だったりというイメージから、「幸せだから仕事がデキる」のではなく「仕事がデキたから幸せになった」のでは?と考える場合もあるかと思います。

まず最初に知って頂きたいことは、「幸せな人は仕事がデキる」を証明している研究があるということです。
幸福学や幸福経営学などの名前で、幸せに関する研究は世界各所で行われているのですが、以下のような報告があります。

幸福度の高い人は、そうでない人に比べて
・創造性が3倍
・生産性は31%高い
・売上は37%高い

(リュポミルスキー、キング、ディーナー)

それに加えて、以下のようなこともわかっています。

幸福度の高い人は、そうでない人に比べて
・欠勤率が低い [George, 1989]
・離職率が低い [Donovan, 2000]

ということで、明らかにパフォーマンスが高いですね。

社員本人としては、幸せに働けているという実感を持ちながら、業績やクリエイティビティが付いてくるわけですから、完全に最高です。何かを我慢したり、苦しいと思いながらやっとの思いで業績を上げている状態と比べると雲泥の差があるように思えます。
経営者としても、業績は上がるし、イノベーションも起きるし、社員が辞めにくくなって採用コストも下がるしで完全に最高です。しかも日々眺める社員の顔が幸せそうなのですから、普通の感覚の人だったら、そこから自分も幸せを感じられるんじゃないかなと思います。

「幸せに働けていると、パフォーマンスが高い」というのは、改めて考えてみれば自然なことのようにも思えます。毎朝苦しい気持ちを抱えて嫌々会社に向かうよりも、今日もこの仕事ができて幸せだと思いながら会社に向かう人の方が、成果が出そうな感じがします。
しかし、これまでのビジネスの世界の常識では直感的にそうは思えず、社会の荒波を越えてきた皆様にとっては、「そんな生ぬるくてオイシイ話があるもんか」と思ってしまうところもあるのかなと。ただ、上記の研究結果が示した通り、幸せな人はパフォーマンスが高いらしいということは、知識としてぜひ持っていて頂けたらと思います。
そして、ここがポイントなのですが、楽することが幸せだということでもないんです。一体どういうことなのか。次は「幸せ」って何なのか、ということを考えていきたいと思います。

そもそも「働く上での幸せ」って何?

「あなたにとって“幸せ”とは何ですか?」
そう質問すると、人によって様々な答えが思い浮かぶと思います。「幸せ」を定義することはなかなか難しそうです。「社員の幸せ」つまり、多くの人にとっての「働く上での幸せ」を考えるにあたっては、そもそも「幸せ」って何なのかを説明できる拠り所が必要になりそうです。

そこで、日本における幸福学研究の第一人者である、慶應義塾大学の前野隆司教授が導き出した「幸せの4つの因子」をご紹介しながら話を進めたいと思います。前野先生はロボットの研究者を経て幸福学の研究者になられた方で、幸福の心的要因を因子分析し、人の幸福度に影響を与える4つの因子を特定されました。その4つの因子をまずご紹介します。

1. やってみよう!因子(自己実現と成長)
人生の意義が明確で、自己実現をしている人は幸福度が高いそうです。仕事でも趣味でも、やりたいことをやれている人、没頭できるものがある人、夢や目標を実現しようとしている人は幸福とのことです。
2. ありがとう!因子(つながりと感謝)
他者と積極的に接し、人に感謝し、多様なつながりを持っている人は幸福度が高くなるそうです。自分の幸せばかりを追い求めるのではなく、他者を幸せにしようと利他的な行動をする人の方が、結果的に幸福度が高くなるという研究もあるそうです。人や社会への貢献感があることは重要なんですね。
3. なんとかなる!因子(前向きと楽観)
楽観的で気持ちの切り替えが早い人は幸せです。楽観的という言葉からは、細かいことを気にせず、丁寧さを欠く印象を受ける方もいるかもしれませんが、ここで言う楽観的とは「やるべきことをやったら後は楽しむ」といったスポーツ選手のような前向きさのことだそうです。人知を尽くして天命を待つと言い切れるポジティブさが重要ですね。
4. ありのままに!因子(独立と自分らしさ)
人の目を気にせず、人と比較することなく、本来の自分をよく理解してありのままに行動できる人は幸福だそうです。協調性が無さすぎるのはちょっと考えものですが、空気を読みすぎるのも幸せからは遠ざかってしまうということですね。

以上の4つが、幸せに作用する因子ということなのですが、皆さんどんな印象を持たれたでしょうか?先述の通り、楽することが幸せだということでもなさそうな感じがしてきたのではないでしょうか。
そして、幸せになる為には、どれか1つの因子を突出して高めてもダメで、バランス良く高めることが重要だそうです。つまり、自分らしくポジティブな姿勢で、目標に向かってひたむきに頑張りながら、周囲への感謝と貢献の気持ちを忘れないという、人として完璧とも言えるスタンスが求められるわけです…!(ハードルが高い…!)
決して、皆さんから幸せを遠ざけたいわけではないんですが、幸せになるということは、結構努力を要するものなのかもしれないということがわかってきました。

そして、既にお気づきかと思いますが、これはそのまま「働く上での幸せ」にも当てはまりそうですよね。企業で働く人向けに4つの因子を説明すると、以下のような感じになるのではないでしょうか。

1. 仕事に対して夢や目標を持ち、成長意欲に溢れている
2. 社内・社外とのつながりが多く、貢献と感謝の気持ちを忘れない
3. やるべきことに全力を尽くし、目の前の仕事にポジティブに取り組む
4. 人と比較せず、自分の強みや特徴を理解し、個性を発揮している

ハードルが高い…!!笑

というわけで、幸せな社員というのは、上記のような要素をバランス良く持っている人ということになります。確かに、こんな人がたくさんいたら、会社の業績も右肩上がりになっていきそうですし、自分がこういうスタンスで仕事ができていたら、きっと幸せだろうなと思えますよね。
つまり、会社が社員の幸せを実現しようとする場合は、個人の努力に任せるのではなく、会社がこの状態に近づくことをサポートするということになります。

我々が企業さんにこういう話をしに行くと「社員を幸せにするって、そんな甘やかすようなことをするわけにはいかない」という話になることがあります。しかし、ここまでお伝えした通り、社員の幸せを実現することは、社員個人の成長にもつながり、事業の成長にもつながることなわけで、決して甘やかすことではないんです。
次は、この認識の相違の裏側にある理由を、考えてみます。

※前野先生のインタビュー記事などはネットにたくさん出ていますので、4因子についてもっと理解したい方はぜひ検索してみてください。また、以下の書籍も参考になります!

満足度と幸福度の決定的な違い

さて、社員を幸せにすると言うと、なぜ社員を甘やかすという意味に捉えられがちなのでしょうか。それは、満足度と幸福度がごっちゃになっているからではないでしょうか。

従業員満足度(ES:Employee Satisfaction)は、給与や労働時間などの待遇や、オフィスや人間関係などの労働環境によって測定される指標と言われます。つまり、大部分は会社が社員に対して用意し提供するものによって測定されるとも考えられます。
給与を上げ、労働時間を短くすれば満足度が高まるとして、仕事のパフォーマンスと関係なくそれをするのなら、確かに社員を甘やかすことになると考える方がいてもおかしくないかなと思います。
ただ、ここまで見てきた通り、これは従業員幸福度(EH:Employee Happiness)とは異なる指標です。幸福度は4つの因子が示す通り、待遇や職場環境など会社から与えられるものによって左右されるのではなく、本人の主観的な幸福度を測定します。この指標に影響を及ぼすのは、やりがいつながりといった、目には見えない要素です。これらをより感じられるようにしようとすることは、むやみやたらに福利厚生を充実させるわけでもないですし、社員を甘やかすという類のものではありません。幸福度の高い社員が増えた時に会社にもたらされるメリットを考えれば、むしろ積極的に行われるべきことではないでしょうか。

社員を幸せにすると、企業は成長する

ということで、「社員の幸せ」を実現することによるメリットを説明してきましたが、いかがでしょうか。
会社が社員の幸せを考えて、それを実現するための努力をし、社員の幸福度が高まることは決して悪いことではないし、それによってパフォーマンスが高まって事業が成長するのであれば、むしろ大歓迎だ…!そんな風に思えてきましたでしょうか笑。
ちょっと長くなってしまったので、今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。後編では、じゃあ社員の幸せを実現する為の取り組みのポイントは何か?ということをお伝えしていきたいと思います!

なお、我々は、ここまでお伝えしてきたような考え方をベースにして、様々なクライアント企業の「社外CHO(Chief Happiness Officer)」という立ち位置で施策の立案と実行をサポートしています。以下のようなテーマにご興味があれば、ぜひ一度ご相談頂ければ幸いです。

・社員の幸福度や、エンゲージメントの向上を行いたい
・企業文化の明確化と浸透に取り組みたい
・インナーコミュニケーション施策や社内イベントのサポートをして欲しい

これからは、強い企業文化の存在や社員の幸福度の高さが企業の成長のエンジンになる時代です。答えが出しづらい領域だからこそ、ぜひ一緒に考えさせて頂ければと思います!お気軽にご連絡ください^^
※以下から簡単な事例などもご覧頂けます

最後までお読み頂きありがとうございました!

僕の幸福度を高めて頂ける優しいお方は、ぜひnoteのスキ・フォロー、twitter(@spkensuke)のフォローを、お待ちしています!笑

またお会いしましょう〜!

後編はこちらから!


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