完璧なジュース
100%ジュースは好きじゃない。
私の身体が欲するのは大抵、濃縮タイプのドリンクを少し薄目に作ったような飲み物だ。
ガブガブ飲む。
身体が潤う感じがする。
我が家はジュースと呼ばれる物を買わない家庭だった。
夏になると、時折スチール缶に入った高価なジュースが父宛てに届く。
ほどなく冷蔵庫に並び、好きに飲んでいいと言われたけれど、いつも心の中で「これじゃない」と思っていた。
時々レストランに連れて行ってもらえる時、
田舎へ手土産を持って出向く時、
年に何度かある法事の時、
ビン入りのジュースが出てくると本当に嬉しかった。
100%じゃなくて、20%のジュース。
私の中の完璧なジュース。
100と20の間にある差が、感覚として確実に備わっているのに、
何がどう違うのか、どこにでもあるジュースの、その秘密が何なのか、当時の私は全く分かっていなかった。
ある時家族と行ったビュッフェレストランで、ジュースがあった。
仕方なく「これじゃない」ジュースと水を取ってきて、交互に飲む。
ふと、魔が差した。
完璧なジュースは作れるか。
実験は有意義だった。
完璧なジュースのパッケージをまじまじと見つめたのは、その少し後のことである。
「20」
今、はっきりと言える。
100%ジュースは好きじゃない。
私が飲みたいのは、20%のジュースだ。
こんなに嬉しいことはない。
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