マガジンのカバー画像

『天国、それともラスベガス』-世界を楽しむ自宅デスクチューン

25
自宅のデスクは、世界につながる場所にしたいと思いました。世界観とストーリーのあるデスク環境を基点に、コロナ以降で世界への物理的なアクセスが大きく制限される中でも、これからの202…
運営しているクリエイター

#デスクで世界を感じる

『天国、それともラスベガス』―ガジェット多めとすっきりを両立させた、世界に向かうデスクチューンの企画と実装

「デスクに向かう」という表現が好きです。デスクに座るでもデスクを使うでもなく、「向かう」。デスクに身を置きモニターやスピーカーを見て過ごす時間は、どこか遠い場所から吹いてくる風を受けること、どこか違う世界に向かって進んでいくことと、確かに似ていると思うんですよね。 今回のデスクチューンのきっかけは、2020年春に訪れたあのウイルスとリモートワークでした。昨年転職したりと個人的にも太めの節目を感じていた20年代の始まりに、さらに世界は災厄に見舞われ、人と人との触れあいは禁忌に

『天国、それともラスベガス』の光るVUメーター:PCDJ用の演出デバイスを自作する

ガジェットは作れる。『天国、それともラスベガス』と名付けた自作デスクに世界のガジェットを集めてチューンしている僕ですが、ガジェットは買うだけじゃなく、作るのも楽しいんです。 これまでに、イタリア生まれのプログラマブルな小型マイコン・ArduinoのMicroを使って、PCDJ(ノートPCを使ったDJ)のためのピッチフェーダーコントローラーや、映像編集ソフトDavinci Resolve用の左手キーボードなど自作してきました。 近年はArduinoみたいな小型マイコンや3D

『天国、それともラスベガス』の音楽制作:KORG Minilogueがやってきた

世界に向き合い、世界の風を感じるためにあつらえた、ガジェット多めの自宅デスク・名付けて『天国、それともラスベガス』。最初に組み上げてからおよそ3年に時が流れ、少しずつガジェットの集積度が上がっています。どうしても引き算にならない。残念ながら、これが習い性です。 そんなデスクで最近どっぷりはまってるのが、音楽制作です。 いままでAbleton LiveというDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション=音楽制作ソフト)とソフトウェアシンセでハウスミュージックを作ってきま

『天国、それともラスベガス』のピッチフェーダー:PCDJ用MIDIコントローラーをArduinoで自作する(その①:立志編)

ガジェットは作れる。「かわいいは作れる」みたいに言いましたが、ガジェットが好きで・ガジェット多めに自宅デスクをチューンしてきた僕が、そのガジェット好きがさらに高じて、自分の理想とするガジェットを作りたくなってしまうのは、自然な流れだと言えましょう。 前回作ったVUメーターに続いて今回作ったガジェットは、PCDJ(ノートPCを使ったDJ)用のコントローラーです。僕はハウスミュージックラウンジ『秋葉原住宅』の棟梁としてDJ活動もしていて、すでにドイツfaderfox社の「DJ3

『天国、それともラスベガス』のコーディング:PCDJ用MIDIコントローラーをArduinoで自作する(その②・プログラミングと設定編)

この記事は、別記事「PCDJ用MIDIコントローラーをArduinoで自作する(その①:立志編)」の姉妹記事です。お姉さんにあたる①では、今回のコントローラー製作の全体像がわかるので、ぜひそちらもご覧ください。 元記事でもちらっと書きましたが、僕自身、プログラミングの経験はほとんどありません。voidです。当然C言語の知識はほぼvoid。なので、今回Arduino MicroでMIDコントローラーを自作するにあたり、プログラミングの部分は検索とGitHubのサンプルコード、

『天国、それともラスベガス』の音量測定―アナログVUメーターを自作する

自宅にいながらにして世界を感じ世界と繋がることを目指し、ガジェット多めの自宅デスクのチューンを続けるこのシリーズ。おかげさまでこれが20番目の記事になります。 「世界とつながる」というテーマでチューンしている僕のデスク環境ですが、デスクはつながるだけでなく、何かを生み出す場所でもあります。きょうはそんな、このデスクの上で・このデスクのために自作した、「VUメーター」の話をします。 1. そもそもメーターが好きなんだそもそもメーターが好きなんです。それもアナログ式の、針で測

『天国、それともラスベガス』の答えいっぱつ-ノームコア電卓を探す旅

こんにちは。趣味は越境ECとガジェット遊びです。 自宅にいながらにして世界を感じ世界と繋がることを目指して、ガジェット多めの自宅デスクのチューンを続けています。 去年から世界を覆っているあのウイルスの禍によって、全く海外に行けなくなってしまった昨今。海外サイトから品物(主にガジェット)を購入する越境ECは、僕にとってはこれまで以上に世界を感じる重要なチャンネルになりました。 そして今回は、ささやかながらマイクロ芸術運動をひとつやっていきます。「わびさび」と「エキゾチシズ

『天国、それともラスベガス』の鏡像物質-僕の初めての自作PCについて

自宅のデスクからいつでも世界とつながっていたい。そんな思いを胸に、去年の春から整えている僕の自宅デスク環境、名付けて「天国、それともラスベガス」。 ガジェットが好きで、ラスベガスで開催されるCESのように世界各地のガジェットが多めに集まってしまう僕のデスクを、天国みたいにすっきり快適に過ごせる場所にしたい!という目的の取り組みでしたが、おかげさまで1年後のいまも快適に過ごせています。世界、感じてます。 最近の写真がこちら。 去年書いたこのデスクの話は、Go Andoさん

『天国、それともラスベガス』のコタツ記事-3つの文具の3つのストーリー

「コタツ記事」という言葉を聞くとドキっとします。「コタツ記事」とは、webメディアで手早く記事を量産するため、ネット上の誰かの文章をかいつまんでパクッて「いかがでしたか?」なんつって締める、中身スカスカの記事のことで、(自分の足で取材をせずに)コタツでぬくぬくしながら書けちゃう執筆スタイルから名付けられた、かなりネガティブな「揶揄」です。 そんな「コタツ記事」という言葉を聞くと、ドキッとします。だって、僕自身がこうして『天国、それともラスベガス』のデスク話を書くときも、ハウ

『天国、それともラスベガス』のコントロールサーフェス - Loupedeck Live(たぶん)最速実機レビュー

ガジェット多めでありながら「すっきり」を両立させ、自宅から世界へとつなげていくことを企画し実装した僕のデスク環境、名付けて『天国、それともラスベガス』。Go Andoさんの「デスクをすっきりさせるマガジン」にも取り上げられて、おかげさまでたくさんの方に読んでいただいています。ありがとうございます。 そんな僕の『天国、それともラスベガス』に、また新たなガジェットのメンバーが加わりました。PCに接続してソフトウェアを操作するコントローラー「Loupedeck Live」です。

『天国、それともラスベガス』のバスターランチャー /eGPUボックス導入から夜間飛行へと至る道

『機動戦士ガンダム』の監督、富野由悠季氏の作品制作論のひとつに、「11、12歳まで好きだったものにこだわれ」という言葉があります。 思春期から大人になると世の中の流行とかスタイルに影響を受けてしまうけれど、11・12歳くらいまではそういったものに影響される前なので、その頃までに好きだったものはその人の本性とか指向性に合致している。それこそが個性の源泉であり、コピーにならないオリジナルの世界を作るときの基礎になりうる、という話です。 僕にとって11・12歳に好きだったもの。

『天国、それともラスベガス』とメッカの方向- キブラで感じる地球の丸さと16億人

突然ですが、「地球の丸さ」を意識することに関して、ムスリム(イスラームの教徒)の人たちは僕ら以上にリアルな感覚を持っているんじゃないかと思ったんですよね。僕もデスクに地球儀を置いたりして地球の丸さを意識しようとはしているけれど、全然かなわない気がする。 何故かというと、ムスリムの人たちは1日に5回の礼拝の時間を持ち、そのたびにサウジアラビアにある聖地メッカのカアバ神殿の方角に向かって祈りを捧げているからです。世界のどこにいても、メッカの方角を意識する時間が1日に必ず5回ある

『天国、それともラスベガス』のステンレス製品 - 新潟県燕市のプレゼンスを感じる

春先から例のウイルスの影響で自宅ワークが増えたことをきっかけに構築した僕の自宅デスク環境、その名も『天国、それともラスベガス』。長い梅雨のあと、夏まっさかりの午後を迎えています。 上の記事を公開した後も、デスクのチューンは続いています。 相変わらずなかなか遠出をする気になれない状況の中で、人類が作った事物の中で一番遠く(地球から222億キロ以上の彼方)を飛んでいる、大好きな宇宙探査機ボイジャーのプラモデルを作って飾ったり(格好いい)。 外国に行くなんてすっかり夢のまた夢

『天国、それともラスベガス』からの低音のすすめ - サブウーファーで低音環境を強化しよう

先日夜中に友人のツイート見ていてなるほどと思ったのですが、コロナの影響でライブやクラブイベントが「配信」になり、自宅でバンドやDJのプレイを楽しむってことは、ライブハウスやクラブのフロアで提供されていた身体の芯を震わせるような低音を感じる機会を失っている、ということでもあるんですね。 同様に、コロナの影響で盆踊りがなくなれば、和太鼓を叩いたときにお腹に響くドンも聴けなくなるでしょう。コロナ以降の生活で無視できない、低音体験機会の喪失。 僕自身は、ハウスミュージックであった