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F・ショパン:ノクターン 集

Piano : Claudio Arrau(クラウディオ・アラウ)
収録:1977-78年

全編に、戦火に蹂躙される祖国ポーランドを想うショパンの息遣いに溢れる
「21のノクターン集」です。

夜想曲 第1番 変ロ短調 op.9-1  (00:00:00)
夜想曲 第2番 変ホ長調 op.9-2  (00:05:50)
夜想曲 第3番 ロ長調 op.9-3   (00:10:30)
夜想曲 第4番 ヘ長調 op.15-1    (00:17:49)
夜想曲 第5番 嬰ヘ長調 op.15-2   (00:22:55)
夜想曲 第6番 ト短調 op.15-3    (00:26:44)
夜想曲 第7番 嬰ハ短調 op.27-1 (00:31:28)
夜想曲 第8番 変ニ長調 op.27-2 (00:36:57)
夜想曲 第9番 ロ長調 op.32-1  (00:43:18)
夜想曲 第10番 変イ長調 op.32-2  (00:49:00)
夜想曲 第11番 ト短調 op.37-1   (00:54:21)
夜想曲 第12番 ト長調 op.37-2   (01:01:38)
夜想曲 第13番 ハ短調 op.48-1   (01:08:45)
夜想曲 第14番 嬰ヘ短調 op.48-2  (01:15:07)
夜想曲 第15番 ヘ短調 op.55-1   (01:22:58)
夜想曲 第16番 変ホ長調 op.55-2  (01:28:43)
夜想曲 第17番 ロ長調 op.62-1   (01:34:15)
夜想曲 第18番 ホ長調 op.62-2   (01:42:00)
夜想曲 第19番 ホ短調 op.72-1   (01:49:15)
夜想曲 第20番 嬰ハ短調(遺作) (01:53:30)
夜想曲 第21番 ハ短調(遺作)    (01:58:00)

≪ 以下、YouTube映像に添付されている解説文を和訳・補足させて頂いて
おります。≫

ショパンのノクターン第1番から第18番は、作曲順に2曲ずつ、あるいは3曲ずつ、生前に出版されました。しかし、19番と20番は、ショパンがポーランドを離れる前に先に作曲され、死後に出版されたものです。
21番はもともと「夜想曲」という題名ではありませんでしたが、1938年に
夜想曲として出版されて以来、この曲集の出版や録音には一般的にこの曲が収録されています。

なお、ノクターンは、古典派時代に生まれたオーケストラのための音楽。
ロマン派の時代に、このジャンルは性格を変え、特にピアノのための音楽の「細密画」となりました。

夜想曲の持つ深い内面的な雰囲気、華やかな効果から目をそらした自己のつぶやきのような側面は、実は最も表現しにくいもの。
アラベスクやピアノの抑揚のひとつひとつを、痛々しいまでに抑制して
繋ぎ合わせるアラウの極度の「謙虚さ」と「詩情」が、この夜想曲に切なさを与えています。

何時明けるともしれぬ夜の底で、彼に触れた優しさ、彼を傷つけたドラマ、彼の脳内を通り過ぎた白昼夢を思い起こしながら、クラウディオ・アラウはショパンを通して自分自身と対話しているのです。

彼のピアノは、暖かみのある、あるいは銀色の、秋の、あるいは癒しの音色で、彼が人知れず口ずさみながら書き留める秘密のノートのようであり、
彼の眼前の窓を曇らせる一握りの息で、音楽を書きしたためているかのようです。

クラウディオ・アラウさんは、南米チリ出身。
早くから神童として知られ、わずか11歳にして、ベルリンにてデビュー。
1941年、38歳の時、アメリカ・カーネギー・ホールにデビューし、翌年より本拠をアメリカに移し、第二次大戦後は南北アメリカ、東西ヨーロッパ、アジアなど世界的に活躍(日本には1965年初来日)されました。
最晩年までコンサート・録音を精力的に行い、文字通り「巨匠」の名にふさわしい活躍をされた方ですが、惜しくも 1991年6月に、88歳にてご逝去さないました。
大柄で渋めの演奏が特徴で、抑制の効いた音色に潜む大人の世界は「噛めば噛むほど味が出る」と評されました。

Wikipedia Japan より引用


今は亡きクラウディオ・アラウが残したこの録音では、1979年のディアパソン・ドールを受賞しておられます。


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